東日本大震災で津波被害に遭った岩手県山田町の町立山田南小学校で児童の心のケアを担う徳山ほのか教諭(49)が5日、阪神・淡路大震災で被災した学校現場や児童の変化について学ぶため、兵庫県を訪れた。神戸、芦屋市で被災児童と向き合ってきた教師や、震災遺児らと懇談。児童に寄り添い、復興の道のりを歩む手がかりを探った。
阪神・淡路大震災で避難所となった西宮市立安井小学校(同市安井町、常田義博校長)に、昨年まで毎年、チューリップの球根を贈ってくれた富山市のNPO法人元代表へ感謝の気持ちを伝えようと、同小を拠点に活動する「スポーツ21安井ジュニアサッカー部」の6年生ら24人が2月、同市を訪ねる。「きれいな花をありがとうと地域を代表してお礼を言いたい」と児童たち。寄せ書きなどの準備を進めている。
阪神・淡路大震災から17年となる17日に向け、被災者らでつくるボランティア団体「神戸・市民交流会」が4日、神戸市灘区の摩耶埠頭(ふとう)で、追悼行事に使う竹灯籠に文字を書き込んだ。
阪神・淡路大震災で被災した百貨店「大丸」の家具バイヤー、小林昭彦さん(49)=神戸市東灘区=が、東日本大震災の被災地・岩手県の特産品などを集めた物産展を企画した。7日から神戸・六甲アイランドの神戸ファッションマートで開催。自らの被災体験を重ね、「商売復興を応援し、東北の伝統工芸を守りたい」と店頭に立つ。
東日本大震災で被災した仙台育英学園高校(仙台市宮城野区)の生徒が兵庫県の高校生と一緒に、阪神・淡路大震災の復興を学ぶ交流会が28日、神戸で始まった。生徒計41人は、30日まで2泊3日の日程で、ボランティア活動に尽力した男性の話を聞いたり、三宮・東遊園地にある「慰霊と復興のモニュメント」や神戸港を巡ったりする。
小学3年のとき、阪神・淡路大震災で担任教諭を亡くしたことをきっかけに、教師を志した男性が今年、神戸市の中学校教諭に採用された。「あこがれの先生はもういない。先生の分まで、たくさんの子どもたちを教えていくから」。吹奏楽部の顧問となり、熱心な指導で11月の全日本マーチングコンテストの金賞に導いた。震災を知らない世代に命の尊さを伝えたい。あこがれの先生への歩みは始まったばかりだ。
阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた神戸・新長田から、東日本大震災の被災地へエールを送るオリジナルソングが完成し、長田の住民ら63人が25日、神戸市長田区久保町6、再開発ビル「アスタくにづか4番館」で、初めての合同練習と録音をした。曲はCDにして来年3月、東北の被災地に届ける。
芯でつながった「双子のろうそく」を切り離し、一方を東日本大震災の被災地の子ども、一方を作り手によってともす取り組みが24日夜、全国で行われた。兵庫県内でも約480人が自宅などで参加した。山形県のろうそく作家が、阪神・淡路大震災のあった1995年に呼び掛けた「炎の輪」の復活。子どもたちは、あかりでつながる被災地に思いをはせた。
全国各地から防災・広報担当の自治体職員38人が参加し、災害時の対応を学ぶ図上訓練が20日、神戸市中央区の人と防災未来センターで開かれた。職員は、震度7の地震が発生し、死者や行方不明者が多数出た想定で、情報収集。新聞、テレビ、ラジオの報道機関6社も訓練に加わり、模擬取材を行った。
阪神・淡路大震災から丸17年を迎えるのを前に、神戸市中央区の東遊園地にある「慰霊と復興のモニュメント」に18日、震災死9人を含む16人の銘板が追加された。刻まれた名前は計4921人となった。
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