阪神・淡路大震災から丸17年となる17日、神戸大など関西9大学の新聞部・サークルが加盟する「UNN関西学生報道連盟」が、震災をテーマにした初の「号外」を発行する。学生にアンケートをして、震災の記憶が遠のきつつある現状をまとめ、「1・17思い出してや 今日やんか!」と訴える。
▲17日に配る号外紙面を見つめる田中郁考さん=神戸市灘区、神戸大学
阪神・淡路大震災から丸17年となる17日、神戸大など関西9大学の新聞部・サークルが加盟する「UNN関西学生報道連盟」が、震災をテーマにした初の「号外」を発行する。学生にアンケートをして、震災の記憶が遠のきつつある現状をまとめ、「1・17思い出してや 今日やんか!」と訴える。(本田純一)
昨年の1月18日、神戸大のメンバーが震災追悼の号外を発行。今年は同連盟で取り組むことにし、関西学院大、神戸女学院大、関西大などの学生が携わった。
震災の記憶がない学生が増えていることを踏まえ、昨年12月、9大学でアンケート。計506人から回答を得た。
「1月17日が阪神・淡路大震災があった日だと意識できるか」の問いには、当時、兵庫県内に住んでいた学生の80%が「はい」と答えた。しかし大阪では59%、その他の地域では40%にとどまった。
また、「震災と言えば?」との質問には、当時の兵庫県在住者でも「東日本」が65%を占め、その他の地域は86%に上った。
自由回答では「東日本の発生で、阪神・淡路でタンスの下敷きになったことを思い出した」と書いた学生もいた。
号外にはアンケート結果のほか、震災当時の学生らを取材し、神戸大と関西学院大が被災した様子を掲載。A3判サイズの裏表1枚で5千部発行し、連盟に加盟する9大学と甲南大で配る。
同連盟報道局長の神戸大2年、田中郁考(ふみたか)さん(20)は「大学の先輩たちが17年前に体験した事実を風化させたくない。1月17日だけでも震災を思い出してもらえるよう、号外を発行し続けたい」と力を込めた。
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