1月16日 に掲載された記事

 阪神・淡路大震災から丸17年を迎えるのを前に、東日本大震災の被災者が支援団体などの招きで続々と兵庫県入りしている。15日は宮城県気仙沼市の中学生が、震災被害の大きかった神戸市長田区などを回った。

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▲復興した長田のまちで、和田幹司さん(右から2人目)から17年前の様子を聞く気仙沼の中学生ら=15日午後、神戸市長田区(撮影・高部洋祐)


 阪神・淡路大震災から丸17年を迎えるのを前に、東日本大震災の被災者が支援団体などの招きで続々と兵庫県入りしている。15日は宮城県気仙沼市の中学生が、震災被害の大きかった神戸市長田区などを回った。


 気仙沼の一行は市立新月、条南両中学校の生徒6人と教師2人。気仙沼で支援を続ける神戸のNPO法人「シーズ・アジア」が、東北でこれから本格化する復興や防災を考える契機になればと招待した。


 この日は阪神・淡路大震災の教訓を発信する神戸市中央区の「人と防災未来センター」を訪れた後、大きな被害を受けた長田区へ。住民の和田幹司さん(68)の説明を聞きながら、火災で焼けた菅原市場の跡地や震災後に再建された御蔵地区など約6キロを歩いた。


 気仙沼の新月中学校は津波被害は免れたが、震災後に避難所となり、生徒が炊き出しなどを担った。おにぎりを作った2年生(14)は「神戸は震災があったとは思えないぐらいきれい。気仙沼も同じように復興できるといいなと思う」と話した。


 一方、条南中学校では校庭まで津波が押し寄せ、家を失った生徒や教師もいる。別の2年生(14)は海の近くにいた母親が車を置いて必死で津波から逃れたといい、「気仙沼でも神戸のように震災の記憶を伝えたい」と思いを語った。


 このほか、岩手県宮古、陸前高田市などの遺族がNPO法人「阪神・淡路大震災1・17希望の灯(あか)り」の招待で神戸へ。宮城県石巻市の被災者も支援団体「チーム神戸」企画のバスツアーで神戸に入る。


 いずれも17日早朝に神戸市中央区の東遊園地で催される「1・17のつどい」に参加する。(宮本万里子)

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