芯でつながった「双子のろうそく」を切り離し、一方を東日本大震災の被災地の子ども、一方を作り手によってともす取り組みが24日夜、全国で行われた。兵庫県内でも約480人が自宅などで参加した。山形県のろうそく作家が、阪神・淡路大震災のあった1995年に呼び掛けた「炎の輪」の復活。子どもたちは、あかりでつながる被災地に思いをはせた。
▲被災地を思いながら手作りのろうそくをともす子どもたち=24日午後、伊丹市寺本4(撮影・笠原次郎)
芯でつながった「双子のろうそく」を切り離し、一方を東日本大震災の被災地の子ども、一方を作り手によってともす取り組みが24日夜、全国で行われた。兵庫県内でも約480人が自宅などで参加した。山形県のろうそく作家が、阪神・淡路大震災のあった1995年に呼び掛けた「炎の輪」の復活。子どもたちは、あかりでつながる被災地に思いをはせた。
ろうそく作家安藤竜二さん(47)が、16年前の夏、製造工程でできる双子ろうそくを見て考案。周囲に呼び掛け、ろうそくを1人1セットずつ手作りし、神戸などに約600本送った。当時、西宮市の女性から「私たちは幸せです。子どもの持つ炎のゆらめきは一生忘れません」と礼状をもらったという。
東日本を受け、安藤さんは再び全国に呼び掛けた。兵庫の478本を含む14都府県から約3100本が集まり、岩手や宮城など6県の子どもたちに配った。毎年竹灯籠用にろうそくを送っている神戸市の「阪神淡路大震災1・17のつどい」前実行委員長、故中島正義さんの妻から安藤さんらに寄せられたお見舞金を郵送費に充てた。
この日、伊丹市の主婦、森信子さん(71)の自宅には、小中高校生8人が集まった。同市立稲野小学校5年の川名裕樹君(10)は「被災地の子どもたちの悲しみが、少しでも軽くなればいいな」と話していた。(霍見真一郎)
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