12月29日 に掲載された記事

 東日本大震災で被災した仙台育英学園高校(仙台市宮城野区)の生徒が兵庫県の高校生と一緒に、阪神・淡路大震災の復興を学ぶ交流会が28日、神戸で始まった。生徒計41人は、30日まで2泊3日の日程で、ボランティア活動に尽力した男性の話を聞いたり、三宮・東遊園地にある「慰霊と復興のモニュメント」や神戸港を巡ったりする。

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▲17年前ボランティアに尽力した山口さん(左)から、活動の心得を聞く仙台と兵庫の高校生ら=神戸市灘区六甲町


 東日本大震災で被災した仙台育英学園高校(仙台市宮城野区)の生徒が兵庫県の高校生と一緒に、阪神・淡路大震災の復興を学ぶ交流会が28日、神戸で始まった。生徒計41人は、30日まで2泊3日の日程で、ボランティア活動に尽力した男性の話を聞いたり、三宮・東遊園地にある「慰霊と復興のモニュメント」や神戸港を巡ったりする。(上田勇紀)


 国際ロータリー(兵庫県地区)インターアクトクラブの主催。地震で校舎が全壊した仙台育英から生徒8人が訪れ、兵庫県内は滝川(神戸市)、柏原(丹波市)、明石西など8高校が参加した。

 生徒らはこの日、神戸市灘区の保育園で、阪神・淡路大震災の被害状況をまとめたDVDを視聴。その後、震災当時に西宮YMCAの館長として約3万人のボランティアを率いた山口元(はじめ)さん(60)の講演を聞いた。

 山口さんは「震災時の救援物資の多くが、本来なら捨てるような品物だった」と振り返り、「ボランティアは何かを恵んであげるものではない。自分に置き換えて行うべきだ」と指摘した。

 一行は資料を見ながら神戸の街を見て回った。初めて神戸を訪れた仙台育英3年の女子生徒(18)は「火災で町がなくなる映像を見て、阪神・淡路大震災の被害を思い知った。神戸の復興の様子を知り、ボランティアのあり方を考える機会にしたい」と話していた。

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