1月 7日 に掲載された記事

 阪神・淡路大震災で長男を亡くした神戸市灘区の介護福祉士堂内有香さん(52)が、17日に神戸・三宮の東遊園地で催される「震災17年追悼の集い」で、遺族代表としてあいさつする。東日本大震災で多くの命が失われ、「胸が詰まる思いだった」といい、震災で家族を失った一人として「懸命に生きていることを伝えたい」と引き受けた。

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▲震災から17年の気持ちの変化を語る堂内有香さん=神戸市役所


 阪神・淡路大震災で長男を亡くした神戸市灘区の介護福祉士堂内有香さん(52)が、17日に神戸・三宮の東遊園地で催される「震災17年追悼の集い」で、遺族代表としてあいさつする。東日本大震災で多くの命が失われ、「胸が詰まる思いだった」といい、震災で家族を失った一人として「懸命に生きていることを伝えたい」と引き受けた。

 17年前の1月17日、堂内さんは、家族5人で自宅1階に寝ていて全員が家の下敷きになった。堂内さんと夫、長女、次男の4人は抜け出したが、長男伸泰君=当時(8つ)=は近所の人の手を借りて助け出した時、すでに息がなかった。

 わがままを言わず、兄弟の面倒をよく見る優しい子だった。「どうして私だけが、つらい思いをしないといけないの」と泣き続けた。

 1年半後、三男が誕生。ほかの被災者らとも話すうち、「つらいのは自分だけじゃない」と、前向きな気持ちが芽生えたという。再建した自宅の敷地内にほこらを建て、小さな地蔵をまつった。

 5日、東遊園地にある「慰霊と復興のモニュメント」を訪れた。息子の銘板をなぞり、集いであいさつすることを報告した。「妹や弟たちのために、伸泰が私を助けてくれたと思っている。心の傷は消えないが、みんなで明るく生きれば『お母さん、頑張ったね』と言ってくれるはず」

 集いには宮城、岩手県の被災者たちも招かれる。堂内さんは「前を向けるメッセージにしたい」と話している。

(三島大一郎)

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