2026年2月アーカイブ

 今年1月22日、「新聞を使った『やさしい日本語』研究会(vol.9)」をオンラインで開催した。本研究会では、2025年7月に実施された多文化共生のための合宿での知見および阪神・淡路大震災当時の震災報道の経験を共有。本研究会の運営メンバーでもあり「入門・やさしい日本語」認定講師の栗山こまよ氏、神戸新聞社NIE・NIB推進部シニアアドバイザーであり、当時神戸新聞記者として大震災を経験、取材を続けた三好正文氏からの話題提供をもとに、沖縄・兵庫・大阪・京都など全国各地から集まった多様な職種のメンバー約15人とともに、熱心な議論を交わした。

生活の場から見えた「やさしい日本語」の必要性

 本研究会は、兵庫県を中心とした教員や「やさしい日本語」を推進するメンバーらで組織。昨年夏の「第30回NIE全国大会神戸大会」での実践発表を機に、県外地方紙などからの参加も増えた。

 研究会では、実際の合宿生活の様子を掲載したWeb記事(https://tabunka-care.jp/2025/07/12/interview_2/)をもとに具体的な場面や課題を共有した。

 特に参加者が注目したのは、避難所生活とも共通する「入浴のルール」や「食事のマナー」といった日常の所作についてである。 日本と海外で異なる習慣やルールを、いかに分かりやすく伝えるか。難しい表現を避け、直感的に理解できる「やさしい日本語」による掲示や声掛けを行うことは、単なる情報伝達にとどまらない。それは、互いの文化を尊重し合い、安心して共に過ごすための「ケア」としての役割を果たすものであると再確認した。

地域と立場を越えて響き合う「命を守りたい」という想い

 今回の議論をより深いものにしたのは、参加者がそれぞれの地域の歴史や原体験を、垣根を越えて心から分かち合った点にある。

 琉球新報社(本社・那覇市)からの参加者は、沖縄における「命を守る報道」の原点には、自然災害のみならず沖縄戦の凄惨な記憶があることを語った。

 それに対し、愛徳学園中・高校(神戸市垂水区)からは、新聞活用(NIE)を通じて広島県呉市の小学校と交流し、戦争と平和、そして命の尊さを学び合う活動が紹介された。 また、阪神・淡路大震災当時に学生として被災した経験を持つメンバーや、当時、被災した神戸新聞社と相互支援協定を結び、紙面発行を支えた京都新聞社の記者の立場からも、当時の切実な状況が語られた。 地域や背景、立場は違えど、「大切な人の命を情報によって守り抜きたい」という願いは共通している。互いの想いに真摯に向き合うことで、手法としての「やさしい日本語」を超えた、相手の心に寄り添う姿勢の大切さを全員で共有することができた。

次世代の参画と、未来へ向けた本質的な問い

 本研究会には、「やさしい日本語」の変換アプリを開発している大学生も参加した。合宿のような対面での触れ合いと、テクノロジーによるサポート。その両面から「伝わりやすさ」を追求する動きは、未来への大きな希望である。

 大震災から31年を前に、我々は改めて問いを立てた。「なぜ、新聞で伝えるのか」「なぜ今、やさしい日本語なのか」――。

 情報の網羅性や高い信頼性、そして事象を深く掘り下げる力を持つ新聞というメディアが、やさしい日本語を通じて社会の隅々にまで「安心」を届ける。それは、誰も取り残さない多文化共生社会を支えるための、一つの大きな責任ではないだろうか。この日交わされた温かくも力強い対話を糧に、これからも「伝わる言葉」の可能性を広げていきたい。

 次回研究会(オンライン)は3月12日19時半~21時の予定。ご案内はこちら

井上 幸史(姫路市立英賀保小学校校長、日本新聞協会NIEアドバイザー)(2026年2月24日)

英賀保小学校.jpg神戸新聞記者が講師に

 姫路市立英賀保小学校(同市飾磨区英賀清水町2)で、「新聞記者の仕事」と題した出前授業があった。兵庫県NIE推進協議会の網麻子事務局長が講演、6年生約160人が参加した。

 児童らは動画を見て、取材から編集、印刷、配達までの流れを学んだ。網事務局長は記者の取材の基本について、いつ▽どこで▽誰が▽何を▽なぜ▽どのように―の「5W1H」と説明。「取材相手に誠実に向き合うよう努めている。やりがいは、よりよい地域をつくるのにつながること」と話した。
 阪神・淡路大震災では、神戸新聞社会部の記者として直後から取材。避難生活で体調を崩すなどして亡くなる震災関連死(災害関連死)を追いかけた体験を振り返った。能登半島地震は関連死が直接死の2倍以上になったことに触れ、「命を守るために何をすべきか。災害報道を通し考えてもらえたら」と語った。
 6年の増田陽香さんは「新聞はたくさんの人が時間とたたかいながら作っていると分かった。文章を書いた人の伝えたいことを考えながら読みたい」、小沢湊さんは「震災のとき、悲惨さをみんなに伝えたいと、行動したことがかっこいい」と感想を寄せた。=2月21日付神戸新聞朝刊姫路版

[写真説明] 「新聞記者の仕事」と題した講演を聞く児童ら=英賀保小学校

※英賀保小学校の井上幸史校長が、出前授業の様子をグラフィックレコーディング(グラレコ)で記録しました。

英賀保小NIE講演.pdf

★英賀保小学校は2026年度NIE実践指定校として活動予定です。

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朝日新聞記者が講師に

 県NIE(エヌアイイー)推進協議会による記者派遣事業が2月17日、神戸龍谷中学校(神戸市中央区)であった。朝日新聞神戸総局の中塚久美子記者が講演し、1、2年生80人が耳を傾けた。

 中塚記者は、新聞とSNSでは「取材をしているかどうかが違う」と説明。事実を見極めるため、異なる角度から質問を重ねたり、取材先に会えるまで長時間待ったりする苦労はあるが、「真に迫った記事を提供できるのは、新聞にしかない魅力だ」と語った。

 2009年、不況に伴う「私立離れ」を背景に、公立高校定時制の入試に志願者が殺到し、多くの不合格者が出ていることを特報した結果、一部の救済につながった。中塚記者は「記事を書くことで、学ぶ権利を守れた。書かないことで権利を奪いかねないことも実感した」と振り返った。

 生徒らには「時には批判的な視点で新聞を見つめ、市民社会をつくる一員になってほしい」と呼びかけた。=2月18日付朝日新聞朝刊兵庫県版

[写真説明]  神戸龍谷中学校で講演する中塚久美子記者=神戸市中央区

朝日新聞(デジタル版)神戸龍谷中学校で中塚記者が講演「批判的な視点で新聞を見つめて」https://www.asahi.com/articles/ASV2K446PV2KPIHB00BM.html

新聞づくりのポイント

学校で新聞を作成するとき、最初に新聞特有の文体について教えておくと、よい新聞ができます。このパワーポイントとプリントをご活用いただけると幸甚です。

新聞記事の書き方プリント.docx 新聞記事の書き方パワーポイント.pptx

実践発表記事 写真.jpg 新聞を活用した学習の成果を紹介する県NIE実践発表会が2月5日、神戸市中央区の神戸新聞社で開かれ、学校関係者ら約40人が、県内の3校の事例報告に聞き入った。

 姫路市立豊富小中学校の川村かおり教諭は、子どもたちが過去の新聞から姫路市に関する記事を探し、歴史や災害などのテーマ別に分類する取り組みを紹介。「新聞から課題を見つけ、深掘りする活動につながっている」と報告した。

 また、神戸市立雲雀丘中学校の加治譲二教諭は、新聞記事の読み比べを通じ、生徒らが「年収の壁」問題や、原発で作られる電力の消費先について議論を広げた事例を挙げ、「新聞から得た学びを形にすることが大切」と説明。定時制の県立湊川高校の住本拓自教諭は、気づきを得ることを目標に、身近なニュースの掲示などに取り組んでいることを紹介した。=読売新聞2月6日付朝刊神戸版

[写真説明] 取り組みを報告する教諭ら(神戸市中央区で)

有馬高校記事 写真.jpg有馬高校で読売新聞三田支局長が講師に 

新聞を学習に活用するNIEの授業が2月6日、三田市の県立有馬高校であり、読売新聞三田支局の渡部哲也支局長(57)が「その情報、信じられますか?」の題で1年生約200人に講演した。

 有馬高は、日本新聞協会のNIE実践指定校。渡部支局長は生成AI(人工知能)で作成された動画を生徒たちに見せた後、「これはAIと分かって見ているが、示されていなかったらどうか」と投げかけた。また、SNSでは真偽不明の情報も流れ、自分の興味のある意見だけが集まりやすいという特徴を指摘した。

 続いて、6日の新聞から集めた見出しを並べ、生徒たちに掲載されたページを探してもらい、「政治や経済、海外、スポーツなど多様なページがある。興味があるものだけでなく、様々な情報に触れられる」と伝えた。

 松永春さん(16)は「AIは便利だけど使いすぎると自分の意見じゃないものが増えてくる気がする。新聞など情報源を広げていきたい」と語った。=読売新聞2月7日付朝刊阪神版

 [写真説明] 新聞をめくる生徒たち(三田市で)

20260212講演する新屋記者デジタル.jpg 教育現場での効果的な新聞活用を考えるNIE(教育に新聞を)の実践発表会が2月5日、神戸市中央区の神戸新聞本社であり、教育関係者ら約40人が参加した。中東取材の経験がある朝日新聞神戸総局の新屋絵理記者が講演し、「ガザにも日常があり、生活している人々がいる。国際ニュースに隠れている一人ひとりの人生に思いをはせてほしい」と語った。

 新屋記者は1年前にトルコで取材した際に出会った難民4人の境遇や思いを紹介。イスラエルでは、多くの市民が家族を守るために銃を持って暮らしていたと振り返り「働いたり、恋愛したり、家族を大事に思ったり。漠然としていた、中東で暮らす人々の姿が、具体的に想像できるようになった。一人ひとりの人生を書いていく記者でありたい」と語った。=2月6日付朝日新聞朝刊神戸版

[写真説明] 県NIE実践発表会で講演する新屋絵理記者(左)=神戸市中央区

朝日新聞(デジタル版) 「中東取材で見えてきたもの」朝日新聞記者が語る NIE実践発表会https://www.asahi.com/articles/ASV2546LHV25PIHB00JM.html

毎日新聞NIE実践発表C.JPG 2025年度県NIE(教育に新聞を)実践発表会(県NIE推進協議会主催)が2月5日、神戸市中央区の神戸新聞本社であった。教育現場に新聞を取り入れている教員らが、活用事例を報告。教育、メディア関係者ら約40人が参加した。

 姫路市立豊富小中学校の川村かおり教諭は、新聞の見出しなどを切り抜いて五七五をつくる「コラージュ川柳」や、新聞委員会所属の児童が校内の話題を取材して発表する「とよとみニュース貯金箱」などで、子どもたちが日々新聞に親しんでいる様子を報告。「全学年が新聞を通して社会とつながることができている」と話した。

 神戸市立雲雀丘中学校の加治譲二教諭、県立湊川高校の住本拓自教諭もそれぞれの実践事例を発表。また、朝日新聞神戸総局の新屋絵理記者が、トルコのシリア難民やイスラエルの現状について現地取材した経験を紹介した。=2月8日付毎日新聞朝刊兵庫県版

[写真説明] 新聞の活用事例を発表する姫路市立豊富小中学校の川村かおり教諭(中央)=神戸市中央区で2026年2月5日午後

産経新聞P.jpg 県立須磨友が丘高校の生徒が阪神淡路大震災の新聞記事などを使って小学生に防災の大切さを伝える授業が2月4日、神戸市立横尾小学校(同市須磨区)であった。同小の児童らは、当時の新聞記事を読んだ上で、高校生と一緒に災害時にどのような知識や行動が必要かを学んだ。

 授業を行った須磨友が丘高と、横尾小はいずれも、教育に新聞を活用する「NIE」の実践指定校だったつながりで、令和4年度からこの取り組みを始め、今回4回目となる。

 この日は、「災害時に必要な知識と行動を考える」をテーマに、同高生徒会に所属する1、2年の生徒12人が同小の6年生41人を対象に防災授業を実施。児童らは、避難所に関する阪神淡路大震災と能登半島地震の記事を音読するなどした上で、震災時に「どんな困りごとがあるか」「その場にいたらどんな行動を取るか」「地震に備えて今から何をするか」という3つの設問について高校生とともに考えた。

 児童らは、「避難経路を確認しておく」などと、記事から気づけたことや記事の引用をそれぞれ付箋に書き込み、教室の床の上に置かれた大きな台紙にその付箋を次々と貼り付けた。時折、高校生が「避難所って決めてる?」と児童に問いかけるなどして、互いに考えを深めていった。

 同小の吉田翼さん(12)は「トイレが災害のときに大きな問題になるとは知らなかった。災害に備えて家に帰って準備したい」。同高2年の山口紗耶さん(17)は「自分でも(災害対策を)できると思える授業づくりをした。小学生たちと一緒に記事を読み解いていけたのがよかった」と話した。=2月6日付産経新聞朝刊阪神・神戸版

[写真説明] 記事から気づいたことを付箋に書き込んで台紙に貼り付ける児童=神戸市須磨区の横尾小

実践発表会P.jpg■新聞の言葉で川柳ニュースに興味を

 NIE(教育に新聞を)の活動を進める学校が、取り組みを紹介する実践発表会が2月5日、神戸新聞社(神戸市中央区)であった。日本新聞協会のNIE実践指定校となっている兵庫県内の小・中学校と高校の計3校が新聞記事の活用方法や、授業で取り入れた際の手応えや課題を報告。教員ら約40人が耳を傾けた。

 新聞社や教育関係者でつくる兵庫県NIE推進協議会が主催。2025年度の活動のまとめとして、実践例を共有し各校の参考にしてもらおうと企画した。

 姫路市立豊富小中学校は、昨年夏に神戸であったNIE全国大会の公開授業で、東日本大震災を伝える各紙の記事を読み比べたと報告。また、新聞の言葉をつなぎ合わせて川柳をつくったり、学校生活で全校生に伝えたいことを募る「貯金箱」を設置したりするなど、ユニークな活動を紹介した。

 同校の川村かおり教諭は「新聞が子どもたちの周囲に当たり前にある状況をつくり、大人もアイデアを出し合って面白いことを進めていきたい」と話した。

 定時制の兵庫県立湊川高校(神戸市長田区)は、生徒の中で新聞は「難しい」「文字が多い」といった印象が強い中での出発だったという。まずは日々のニュースに興味を持ってもらうよう工夫した結果「少しずつだが時事ニュースや新聞に対する見方が変わってきた」と発表した。

 このほか、朝日新聞神戸総局の新屋絵理記者がトルコのシリア難民やイスラエルの住民を取材した経験を話した。国際ニュースを語る際、主語が国になるなど大きくなりがちだが「背景には一人一人の人間やその家族がいることを忘れないでいたい」と語った。(安福直剛)=2月5日付神戸新聞朝刊ひょうご総合面

[写真説明] 教育現場での新聞活用方法が紹介されたNIE実践発表会=神戸新聞社

Z100321000000226.jpg 神戸市須磨区にある須磨友が丘高校の生徒会役員が、近くの横尾小学校で防災授業に取り組んだ。阪神・淡路大震災と能登半島地震直後の新聞記事を使い、災害時の備えや行動について児童と一緒に考えた。

 両校が、共に日本新聞協会のNIE実践指定校だったことから、2022年度から続いている授業。訪問した高校1、2年生12人のうち3人は防災ジュニアリーダーとして活動し、東日本大震災の被災地を訪れるなどした経験もある。

 授業で使ったのは、地震発生から1週間前後の新聞記事で、避難所の様子が伝えられている。参加した小学校6年生41人は、グループに分かれて目を通し、どんな困り事があり、自分ならどう行動するかなどを付箋にまとめて模造紙に貼っていった。

 最初は考え込んでいた小学生も、高校生から「何があったら生活しやすい?」とヒントをもらい、「暖房器具が足りない」「支援物資を配る」と活発に意見を出すように。吉田翼さん(12)は「実際の記事を見ることで、普段の授業よりも深い学びができた」と振り返った。

 生徒会書記長で、防災ジュニアリーダーの2年生、山口紗耶さん(17)は「防災と聞くと難しそうに思うかもしれないが、『自分にもできることがある』と思ってくれたらうれしい」と話した。(中村有沙)=2月11日付神戸新聞朝刊神戸版

[写真説明] 高校生の助言を受けながら、自分の考えをまとめた付箋を貼る小学生=横尾小学校

鶴甲小2.JPG■コミュニケーション能力など高める

 小学生が地域の人にインタビューして新聞をつくるNIE(教育に新聞を)公開授業が、2025年12月5日、兵庫県神戸市灘区の市立鶴甲小学校であった。兵庫県NIE推進協議会が主催し、同小6年2組の29人が地域の魅力を発信しようと議論しながら取り組んだ。

 同校の6年生は一昨年からNIE授業を続けている。これまでは新聞の切り抜きを資料に平和教育を受けたり、朝の会でスピーチをしたりするなどしてきた。25年度は視点を変え、記者がどのようにインタビューをして記事をつくり、どのようなインタビューで読み手に内容を伝えられるのか、といった作り手側の立場で新聞を学んでいる。

 基本を知るために、1学期が始まると神戸新聞で記者を長く務めた同社の三好正文・NIE・NIB推進部シニアアドバイザーを招いてインタビューや写真撮影のポイントを学んだ。さらに「聞き足りなかったことは繰り返し聞く」「真実しか書いてはいけない」といった心構えも教えられた。

 児童たちは、1学期は同級生同士で友だちの良さについて、2学期は家族に家事の工夫についてインタビューし互いに報告しあった。また先生や調理員など学校の職員のインタビューにも取り組んだ。

 11月からは地域の自治会やボランティア、介護施設の職員など学校外の人を招き、地域のどこに魅力を感じるか、好きな場所は、増やしてほしい施設などの項目を決めてインタビュー。得られた答えを書きとった。

 この日の公開授業では、担任の藤岡敦洋教諭(30)がこれまでの授業で得た「必要な話を集め一つの段落に一つのテーマ、同じ話題は同じ段落に、テーマから目を離さない」ことなどを振り返って確認。「印象的だった言葉は?」「キーワードは何か」などのコツも共有し、新聞づくりを開始した。

 児童たちはまず見出しを決めることやインタビュー内容を確認しながら原稿を150~200字にまとめ、分かりやすい表現になっているのか、といった流れで取り組んだ。

 各班では「ちょっと取材が足りずもう少し聞きたい」「そんなことは言ってなかったのでは」などと議論も白熱した。地域でのインタビューの結果を4、5人の班に分かれて各児童に配布されているパソコンを使って各班それぞれの新聞をつくる作業を進めた。

 「自然が多いけれど、坂道も多くて大変、と言っていた」「地域の施設に対して思うところを聞くと、コンビニなどはほしいが、自然豊かな地域なのでそれは壊れてほしくない、と語ってくれた」などそれぞれの記事や見出しを作成し、班で話し合いさらに練り上げていった。

 この日は時間が足りなかったが、授業の最後では「自分が思う通りに記事を書いたら長くなりすぎ、短くするのが難しかった」、「自分が良いと思っても話し合うともっといいものになり、協力しあえてよかった」などと振り返り、森悠香さんは「相手に手に取ってもらう見出しを考えるのが楽しかった」と話した。

 藤岡教諭は公開授業を終え「新聞作りを通じて児童たちが順序立てて情報を伝える力や、意図的に文章を組み立てる能力を身につけて、コミュニケーション能力も高められていると感じている」などと感想を話した。

■NIE大会で実践発表

 同小がある神戸市灘区鶴甲地区は1960年から7年をかけて山間部約60万平方㍍を切り開いて開発された広大な住宅団地。ただ人口減少が進み、多くて1千人近くいた児童も現在は約360人。一方、親子で同小の卒業生といった家庭も多く、地域のコミュニティの場としても住民に愛されている学校という。

 新聞を授業に取り入れて子どもたちに活字に慣れ親しんでもらおうとNIE実践指定校になり、25年度で3年目。昨年8月1日には神戸市内で開かれたNIE全国大会神戸大会では藤岡教諭が「新聞を通して学ぶ~インタビューと文章の記述~」として実践発表をした。=1月24日付新聞情報

[写真説明]見出しや記事などについて議論する児童たち

[写真説明]地域の人にインタビューする鶴甲小の児童ら

[写真説明]藤岡敦洋教諭

鶴甲小1.JPG藤岡敦洋教諭.JPG

■愛徳学園高校(1月29日、対象・1年生19人) 時事通信社神戸総局長の清水泰至(やすのり)さんが「ニュースを題材に、正解のない問題と向き合う~私たちは人工知能(AI)と暮らせるのか~」をテーマに授業を行った。新聞記事を下地にさまざまな問いを投げかけ、生徒に考えを述べさせた。「ニュースに関心を持ち、普段から考え続けて」と呼びかけた。

愛徳学園高校・生徒の感想.pdf

 

愛徳学園P.jpg 時事通信社神戸総局長の清水泰至(やすのり)さんが1月29日、神戸市垂水区の愛徳学園高校で「ニュースを題材に、正解のない問題と向き合う~私たちは人工知能(AI)と暮らせるのか~」をテーマに講演した。参加した1年生19人に「ニュースに関心を持ち、普段から考え続けて」と語りかけた。

 愛徳学園は、日本新聞協会のNIE実践指定校。

 清水さんは、生成AIは文書や画像・動画などを自在に作り出せる一方で、電力を大量に消費する課題に言及した。生徒はグループに分かれて討論し、「利用者にスマートフォンの料金を上乗せする」「省電力のAIを開発」などのアイデアを発表した。

 清水さんは「自動運転の車に乗りたいか。その理由は」など、新聞記事を下地にさまざまな問いを投げかけ、生徒に考えを述べさせた。その上で「正解のない問題で、決断を迫られるシーンが出てくる。そのときに自分の意見を言えることが大切」と訴えた。

 山根朋夏さん(16)は「自分が正しいと思うのではなく、他人の意見を聞き、最適な答えを出していきたい」と話した。(網 麻子)=2月10日付神戸新聞朝刊神戸版

[写真説明] AIとの共存をテーマに講演する清水泰至さん=愛徳学園高校

※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

■西宮市立浜脇小学校(1月28日、対象・5年生約100人) 「新聞の読み方」をテーマに、神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが授業を行った。西宮神社の「福男選び」の記事を例に、ニュースの基本・5W1Hのなかでも「なぜ」「どのように」が大切―と強調した。

児童の感想 01   児童の感想 02

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 神戸新聞で連載されていた創作童話「かなしきデブ猫ちゃん」の掲載紙面を使ってバッグを手作りするワークショップが2月5日、神戸市東灘区住吉本町1の甲南小学校であった。4年生約60人が、思い思いの一品を作り上げた。

 新聞紙とでんぷんのりだけで作る「しまんと新聞ばっぐ」。高知・四万十川流域の住民らが考案し、地元NPO法人が普及を進める。この日は、同法人の研修を受け、インストラクターの資格を持つ高村典子さん(京都市)が講師を務めた。

 高村さんは1月下旬、横浜市であった市民メディアの会「メディフェス横浜2026」の実行委員。同フェスで、昨年夏の「第30回NIE全国大会神戸大会」で発表されたNIE関連ポスターの一部を展示することになり、甲南小に借りに行った縁で今回のワークが実現した。

 素材には、兵庫編が昨年2月まで掲載された「かなしきデブ猫ちゃん」(文・早見和真さん、絵・かのうかりんさん)の紙面を使った。

 児童たちは、ちょっぴりハードボイルドな主人公マルが、兵庫県内各地を旅する姿が図柄になるようバッグ作りに挑戦。高村さんに教わりながら新聞を折り込み、のりづけして完成させた。

 参加した小谷愛さん(9)は「バッグにフルーツを入れて、おばあちゃんや友達の家に行きたい」と話した。

三好 正文(神戸新聞NIE・NIB推進部シニアアドバイザー)(2026年2月5日)

[写真説明]「かなしきデブ猫ちゃん」の連載紙面でバッグを作る児童たち=甲南小学校

 

■明石市立大蔵中学校(1月30日、対象・特別支援学級のぞみ1~3年生4人) 「校内新聞」を作るのを前に、神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーから、先生へのインタビューや部活などの取材方法、紙面整理のルールを学んだ。生徒同士で模擬インタビューも行った。

生徒の感想

260130ookuratyu.jpg神戸新聞アドバイザーが講師に

 明石市立大蔵中学校(同市西朝霧丘4)で、校内新聞を作るのを前に、インタビューの方法や紙面整理のルールについて学ぶ出前授業があった。神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務め、特別支援学級のぞみの1~3年生4人が模擬インタビューなどを実践した。

 同校は日本新聞協会のNIE実践校。

 先生へのインタビューについて、三好アドバイザーは「生徒への思いを尋ねるほか、意外な趣味などを聞き出せれば面白い」「記事は読者が『へぇ~』と思う書き出しにしたり、続きを読みたくなる発言を入れたりするといい」と伝えた。

 生徒たちは「趣味や将来の夢」をテーマに、お互いに模擬インタビューも行った。趣味では、アニメの模写やゲーム、ウオーキングなどが挙がった。部活の取材では「部員を応援する気持ちで話を聞こう。現場でしか分からないことや具体的なエピソードをメモしよう」と話した。

 授業を受けた3年の鎌田澪音(れお)さん(15 )は「ニュースは何かを考えながら、取材や写真撮影することが分かった」と話した。=2月3日付神戸新聞朝刊明石版

[写真説明]お互いにインタビューする生徒たち=大蔵中学校

※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

 兵庫県内の小中学校で、児童・生徒がお互いをインタビューして記事にまとめる取り組みが活発になっている。県NIE推進協議会は、インタビューや記事の書き方のポイントを伝える出前授業を通し、各校の取り組みをサポート。授業では担当講師が教員にインタビューし、記事になるまでの過程も紹介している。

◆神戸市立鶴甲小学校(5月15日、対象=6年生59人) 日本新聞協会のNIE実践指定校。講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら ※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

◆甲南小学校(5月15日、対象=4年生59人) 日本新聞協会のNIE実践指定校。講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら ※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

◆西宮市立浜脇中学校(5月27~28日、対象=2年生延べ36人) 日本新聞協会のNIE実践指定校。講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら ※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

◆愛徳学園小学校(6月6日、対象=5年生10人) 日本新聞協会のNIE実践指定校。講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら ※「はがき新聞」作成、「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

◆芦屋市立精道中学校(6月13日、対象=1年生240人) 講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら ※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

◆甲南女子中学校(6月18日、対象=2年生176人) 講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら ※神戸市内の企業のSDGs推進の取り組みを取材するのを前にした出前授業、「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

◆関西学院大学新聞総部(6月20日、対象=部員17人) 講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら ※記事の末尾に学生のみなさんの感想を掲載しています。

◆流通科学大学(9月25日、10月30日、対象=全学部1年生約25人) 講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら ※記事の末尾に学生のみなさんの感想を掲載しています。

◆神戸市立鶴甲小学校(11月19日、対象=6年生58人) 日本新聞協会のNIE実践指定校。講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら ※兵庫県NIE推進協議会の公開授業を前にした記者派遣事業、「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

◆大阪教育大学(2026年1月7日、対象=海外留学生14人) 講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら ※記事の末尾に学生のみなさんの感想を掲載しています。後日、「はがき新聞」作成

◆神戸市立白川小学校(2026年1月20日、対象=5年生77人) 講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら

◆明石市立大蔵中学校(2026年1月30日、対象=特別支援学級のぞみの1~3年生4人) 講師=神戸新聞NIE・NIB推進部・三好正文シニアアドバイザー 記事はこちら ※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

 

 日本新聞協会NIEサイトにもリポートが掲載されています。リポートはこちら

  

2026年2月5日、神戸新聞本社で開催します

 新聞記事を使った授業実践発表を聞き、実践例について話し合い、研修・研鑽を深めることを目的に、兵庫県NIE実践発表会を2月5日、神戸ハーバーランドの神戸新聞本社で開きます。兵庫県NIE推進協議会主催。

 記者講演は、朝日新聞神戸総局の新屋絵理記者による「中東取材で見えてきたもの 世界で今何が起きているのか」。実践事例発表は、姫路市立豊富小中学校の川村かおり教諭▽神戸市立雲雀丘中学校の加治譲二教諭▽兵庫県立湊川高等学校の住本拓自教諭が、2025年度の実践校の取り組みを発表します。

 無料。午後1時半~4時。参加を希望される方はメールにベタ打ちで、お名前(ふりがな)、所属先、電話番号をご記入の上、2026年1月30日までにhyogo-nie@kobe-np.co.jpにメールをお送りください。

 兵庫県NIE推進協議会事務局☎078・362・7054

2025年度 兵庫県NIE実践発表会チラシ 表_page-0001.jpg

2025年度 兵庫県NIE実践発表会チラシ.pdf  2025年度 兵庫県NIE実践発表会チラシ裏.docx