阪神・淡路大震災で本館が倒壊した兵庫県西宮市の大手前大学で、地域再生を願い、当時実際に開催したイベント「復興祭」を基にしたミュージカル「あの空をこえて」の上演計画が進んでいる。来年1月17日に披露する予定で、出演する同大と同短大の学生18人は「東日本大震災の被災地にも復興への願いを届けたい」と張り切っている。
▲復興支援の思いを込め練習する学生たち=13日午後、西宮市御茶家所町(撮影・立川洋一郎)
同大学は、阪神・淡路大震災で学生2人が犠牲になり、本館が全壊した。「こんなときこそ元気を出そう」と、震災の約4カ月後、学生約50人が復興イベントを開催。歌や踊りなどで、学内と地域を盛り上げた。
岩崎宏非常勤講師と客員教授で映画監督の塩屋俊さんが昨夏、福井有理事長から大学の被災体験を聞き、ミュージカル化を提案。塩屋さんがプロデュースし、今年2月から演技指導を始めた。
音楽や舞台装置も学生が手掛ける。出演する学生の大半は演技経験がなかったが、東日本大震災を受け「しっかり演じきるのが使命と思うようになった」という。吉野有紗さん(22)は「弟を亡くしながらも明るく振る舞う役。被災者の思いを代弁できるように演じたい」と話している。
尼崎市のピッコロシアターで、午後1時と同6時の2回公演。鑑賞料千円は、東日本大震災復興支援募金に寄付する。事務局TEL0798・34・6331
(金山成美)
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