12月16日 に掲載された記事

 神戸市が掲げる「デザイン都市・神戸」の推進拠点「KIITO」(神戸市中央区浜辺通5、きいと)は、阪神・淡路大震災後の17年間に被災地で取り組まれたアートやデザインなどクリエーターらの復興支援活動を調査し、年表にまとめた。ホームページ(HP)での公開も始め、未掲載の活動について情報提供を募るほか、東日本大震災の復興支援活動にも役立ててもらう。


▲壁面に映し出された年表=神戸市中央区浜辺通5、KIITO
 
 「阪神・淡路大震災+クリエイティブ タイムラインマッピングプロジェクト」。今年4月からスタートし、神戸芸術工科大や神戸大建築学科などの学生らが関係者の聞き取り調査などに携わった。
 
 年表は、アート▽デザイン▽建築‐の3分野で整理し、約380件の活動を掲載した。HP上では時系列で記された点をクリックすると、活動内容や狙いなど詳細な情報が表示される。美術や演劇・舞台、音楽など各種イベントのほか、震災直後から建築家らが発行したまちづくりの情報誌「きんもくせい」の取り組みなどを紹介。クリエーターらのインタビューも載せた。
 
 年表をたどると、震災直後はチャリティーコンサートなど被災者の癒やしを目的としたイベントが多く、年月とともに防災教育の教材づくりやモニュメント作成などが増える。現在は、災害発生時に身を守る方法を身に付けるキャンプなどが盛んだという。
 
 KIITOの永田宏和事務局長は「被災地に根差した創作活動は被災者の癒やしや励ましになり、震災の記憶や教訓の風化を防ぐことにもつながる」と狙いを説明。「時間の経過とともに被災地のニーズが変わることや、被災者の現実に寄り添う姿勢の大切さを感じてもらい、東日本大震災の復興支援への指針としても生かしてほしい」と話している。来年1月17日前後にも、KIITOで上映展示を行う。HPアドレスはhttp://tm19950117.jp/
 
(段 貴則)

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