2023年1月アーカイブ

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兵庫県NIE推進協議会は、第1回NIE「わたしの推し記事」コンクールを開催します。
対象は、2021年度と2022年度兵庫県NIE実践指定校など県内の小・中・高校生の皆さんです。

新聞のなかから興味のある「推(お)し記事」を見つけて切り抜き、児童・生徒皆さんの目線で、その「紹介、感想、提言」を書いて記事と一緒に送ってください。

締め切りは2023年4月28日必着、結果は同年8月に本協議会ホームページで発表します。

応募方法、優秀作品への賞品など、詳しくは下記の応募用台紙、概要などのページをご参照ください。
たくさんの応募をお待ちしております。

応募する児童・生徒の皆さんへ↓
 応募用台紙(説明書付き)は、A3判(※).pdf=A3サイズ1枚、または、A4判.pdf =A4サイズ3枚(A4判は左上を綴じてください)
 (※)A3判は印刷設定で「両面印刷、短辺とじ、用紙サイズA3」を指定してください。モノクロ可。

応募対象校の先生へ↓
 概要.pdf 先生の手引き.pdf 学校応募用紙Word版.docx

 学校応募用紙はダウンロードして入力できます。1校につき1枚、必ずお送りください。
 学校応募用紙の記入には「先生の手引き」を参照してください。

中野 晴美・神戸市立多聞東小学校校長

 「教育に新聞を」というキャッチフレーズと共にNIEの活動を意識し始めてから30年近くになります。古くから重宝されてきた教育の手段が、昨今簡単に教育現場から切り捨てられていく中で、長い年月をかけて守られてきた「新聞と共に学ぶ」学習スタイルは意味あるものです。ドキュメンタリーでありタイムリーであり、さらには真実や証拠に裏付けされたその内容は、緊張感を持って、読み手の心の奥に迫ってきます。だからこそ児童・生徒にとって一生ものの価値ある学びと経験をもたらすことになると考えています。同時に、教師が意図して授業を行うことの技術力や責任の重さも感じます。行元の報道の責任の重大さも感じます。

 私の学校でも必要に応じて、少しずつですが活用しています。例えば、防災学習を5年生が総合的な学習の時間に行っていますが、一人一人が、心を打たれた新聞記事をもとに、持論を書き添えるミニ新聞作りの学習があります。しかし、子どもの視点は濁りなく素直で、「なるほど、そうか」と原点に戻って反省し、修正し、真実を見つめ直すきっかけをくれたり、初めて気付かされ、学びや研究のチャンスをもらったりすることにもなるときがあります。子どもたちの書いた記事は学級内でシェアされ、学年掲示板で全校に向けて発信され、最後は家庭に持ち帰って、家族にも伝えられて広がっていきます。

 NIE公開授業を参観し、自分が想像していた以上に高校生のファシリテーション力の高さや、授業に関する準備の素晴らしかったことに感動しました。何より小学生という難関な相手に自分たちの意図した一番伝えたいことを届けていくコミュニケーション力に驚かされました。各グループに配置された高校生が舵取り役となり、小学生に考えさせました。それを人前で自分の言葉で自信を持って表現させるところに一部課題は残ったものの、「震災」をテーマにしたした協働学習は十分意味を成していたといえます。このNIEを活用した協働学習により改善が加えられ、発展していくことを願っています。

阿部 俊之・神戸市立丸山中学校西野分校教諭

 横尾小学校5年生×須磨友が丘高校のコラボ授業は、非常に心地よい授業でした。

 防災ジュニアリーダーを中心とした高校生による「防災授業」は、教える側、教えられる側という立場ではなく、互いが新聞記事を通して、「震災」という事実に向き合い、そこで起こった出来事、そこから学べる教訓を探しだす共有目線に立ったすてきな授業でした。

 横尾小学校の児童のみなさんが、真剣に考えて出してきた意見に、笑顔で「そうだね」と言葉を添える高校生のみなさんがいたからこそ、一般紙の言葉の難しさの壁を乗り越えて理解していこうとする、子どもたちの前向きな姿勢が生まれてきたのだと感じました。

 授業の最後に「みなさんは、知ったことで終わらないで。次の人に伝える人になってください」という司会者の高校生の言葉にもハッとさせられました。新聞を読む者から、事実を次の人々に伝えていく者へと変えられていくことも、このNIEの活動の大きな役割の一つであることを、今日の授業を通して教えていただきました。

 新聞はバトン。アンカーではなく次の走者へつなぐものとして、これからも子どもたちが新聞を役立ててくれることを期待しています。

稲葉 弥生・県立川西緑台高等学校実習教員

 全体説明を行った高校生は1、2組の担当ともよく声が通り、説明が聞きやすかったです。限られた時間の中で、よく考えて授業を進行されていました。

 導入で「風化」という言葉をキーワードにされていました。キーワードを印象づけるために、授業を受ける小学生向けにわかりやすい言葉を使用し補足説明を行ったり、最後の締めくくりで再度「風化」について触れるなどの工夫があると、高校生・小学生それぞれにより深い理解ができたのではないかと思いました。

 震災を経験していないみなさんが、新聞記事などを利用し、ともに考える授業を行われることが、「風化させない」という実践そのものになっていると感じました。

 有意義な機会を設けていただき、ありがとうございました。

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 たくさんの感想をいただき、ありがとうございます。ほかの方々の感想はこちらからご覧ください。

 参加者の感想

 ※1月23日の須磨友が丘高校×神戸市立横尾小学校の公開授業を担当した、須磨友が丘高校の岩本和也教諭に、ねらいや展望をご寄稿いただきました。

◇ねらい

 阪神・淡路大震災が起きた当時の新聞記事・報道写真・ラジオ放送の放送記録を題材として、「震災が起きた時に想定される被害」「必要な支援」等の情報を読み取り、小学生が友だち同士や高校生と話し合うことにより、「自分たちに何ができるか」を考えることができる。

 また、小学生のグループに高校生がファシリテーター役として入ることで、相互に意見交流を行い、互いに学びを深めることができる。

◇授業の感想

 小学生は題材となる新聞記事等をじっくりと読み、高校生の問いかけに応じて懸命に考え、意見を出す姿が見られた。戸惑っている児童に対しては、高校生がかみ砕いて説明したり、問いかけ直したりすることで、小学生も学習を進めることができていた。

 震災を経験する世代が少なくなる中、阪神・淡路大震災を経験していない高校生が、自分たちよりも下の世代の子どもたちに震災の経験を語り継いでいくことにも意味があったと考える。

◇今後の展望

 本授業では、小学生の児童に震災について考えるきっかけを与えることはできた。高校生からは、帰宅後に保護者の方と震災について話してみてほしいとの呼びかけがあった。防災に関する意識や行動がどのように変化していくのか、再度授業を行うことも検討したい。

 また、高校生が小学生に教える授業は、相互に学びがあったと思う。防災に関する授業に関わらず、今後も継続して、このような小高が連携する機会をつくっていきたい。

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 学校現場で新聞を活用する運動に取り組む県NIE推進協議会は1月23日、神戸市須磨区の市立横尾小学校で公開授業を開いた。県立須磨友が丘高校の生徒16人が、阪神大震災をテーマに、5年生の2クラスに分かれて実施。震災の継承が難しくなる今、当時の記事を用いて防災の大切さや命の尊さを伝えた。

 5年2組では、阪神大震災をさまざまな角度から報じた当時の記事を使って児童22人がグループごとに学習した。1995年1月21日の「ライフライン複合被害」を報じた毎日新聞の記事を読んだ子どもたち。担当した橋本心温さん(17)から「水が無くなったらどうする?」「何ができなくなる?」と尋ねられ、付箋に自分の意見を書き込んで話し合い、事前の備えの大切さを学んでいた。

 授業のまとめ役を担った濱田優さん(17)は「伝えたいことは、誰かのつらい経験を無駄にしないこと。経験を生かし、誰かの命も自分の命も守ってほしい」と語りかけた。授業後は、見学者や生徒代表、教員らによる意見交換会も行われた。【石川隆宣】=24日付毎日新聞朝刊神戸・明石版

[写真説明]NIEの公開授業では、阪神大震災が発生した当時の新聞を使って高校生が子どもたちに教えた=神戸市須磨区の市立横尾小学校で

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 28年前、阪神・淡路大震災について新聞各紙がどう報じたかを、高校生が小学生に伝える授業が1月23日、神戸市須磨区横尾5の横尾小学校であった。児童は、倒壊した建物や救助活動、避難所生活、復旧が進まないライフラインなどの記事を読み、「災害時に自分ならどう行動するか」を考えた。

 須磨友が丘高校(神戸市須磨区友が丘1)1、2年の16人が横尾小の5年生46人に教えた。日本新聞協会のNIE実践指定校の両校が企画した「小高連携授業」。兵庫県NIE推進協議会による公開授業として行われ、市内外の教育関係者約20人が見学した。

 高校生たちは、神戸新聞など各紙から気になる記事を選び、「がれきの中の人にどう声をかけるか」「小学生は避難所でどんな助け合いができるか」などの問いを設定。児童たちは付箋に回答を書き、模造紙に貼っていった。

 須磨友が丘高2年の大久保遼矢さん(17)は「小学生が積極的に意見を出してくれた。震災の記憶を伝える側にならないといけないと感じた」。横尾小5年の堀口羽菜さん(11)は「災害時は避難所に缶詰を持っていこうと思った。これからも防災について考えたい」と話した。(三好正文)=25日付神戸新聞朝刊神戸版

[写真説明]災害時の救助活動について意見を発表する高校生と小学生=横尾小学校(撮影・冨居雅人)

 生徒の感想 須磨友が丘高校2年、濱田優さん(17)「震災の記憶を風化させないというのは、当時のつらい体験を無駄にしないことだと思う。児童のみなさんにはきょう学んだことをほかの人に伝えてほしい」

 兵庫県NIE推進協議会から 「阪神・淡路大震災の記憶の継承」は大きな課題だ。4人に1人が震災後生まれになった兵庫県で、体験世代が担ってきた継承活動を、若者たちが語り部となって、どうつないでいくか。そのとき、高校生が「発信する側」--震災の記憶を語り継ぐ側になってくれたら心強い。須磨友が丘高校の生徒たちは、間もなく発生から12年になる東日本大震災についても学習を続けてきた。その学びは授業の中で十分に生かされていた。生徒たちは教えることの難しさを感じながらも、児童たちと和やかで有意義な時間を過ごしたようだ。取り組みが継続、さらに発展していくことを願っています。

 ※公開授業を担当された須磨友が丘高校・岩本和也教諭の寄稿(ねらいや展望)をこちらに掲載しています。参加者の感想をこちらに掲載しています。「わたしの感想NIE」に児童生徒のみなさんの感想を掲載しています。感想はこちら

■加古川市立加古川中学校(1月17日、対象・全校生960人) 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが「阪神・淡路大震災」をテーマに授業を行った。「震災に翻弄(ほんろう)された人たちの、生きた証しを残すことも新聞の大切な役目」と強調した。授業は各教室にもオンラインで配信された。

生徒の感想

 兵庫県NIE実践発表会が2月4日、神戸市中央区栄町通1、よみうり神戸ホールである。NIE(教育に新聞を)活動を進める兵庫県NIE推進協議会の主催。記者講演やNIE指定校などの実践報告がある。

 記者講演は、産経新聞社神戸総局の岸本佳子総局長が「読者投稿のススメ~『朝晴れエッセー』の現場から」と題して話す。

 実践報告は、播磨特別支援学校や夜間中学の神戸市立丸山中学校西野分校の教諭らが登壇。須磨友が丘高校の生徒たちが、神戸市立横尾小学校の児童たちを対象に行う震災授業の報告もある。西宮市立浜脇中学校の教諭は、大学や企業と連携したNIE活動について報告する。

 定員100人。無料。午後1時~3時半。申込書は同協議会のホームページから取り出せる。同協議会事務局☎078・362・7054

1436_001.jpgPDF案内を開く

Word版「参加申込書」を開く

 兵庫県新型コロナウイルス感染症対策本部事務局(兵庫県災害対策課)の指導に従って、「イベント開催時のチェックリスト」を公開します

イベント開催時のチェックリストを開く

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 発生から28年となった阪神・淡路大震災をテーマにした出前授業が、1月17日に加古川中学校(加古川市加古川町備後)=写真、18日に志方中学校(同市志方町志方町宮山)であった。いずれも神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務め、生徒たちに「震災を知らない世代が、記憶と教訓を語り継いでほしい」と呼びかけた。

 両校は日本新聞協会のNIE実践指定校。加古川中は全校生徒960人、志方中は1、2年生125人が参加した。

 三好アドバイザーは大震災当日、神戸・三宮の神戸新聞本社で宿直勤務をしており、「発生時刻に起きていたので、命が助かったと思う。国などが被災者に救いの手を差し伸べてほしいとの思いで、記事を書き続けた」と振り返った。

 当時、JR東加古川駅近くに建てられ、被災者が暮らした仮設住宅で、「神戸に帰りたい」と願いながら病のため亡くなった女性を取材した体験も話した。「震災に翻弄(ほんろう)された人たちの、生きた証しを残すことも新聞の大切な役目の一つ」と強調した。

 授業を受けた加古川中2年の鴻池心羽さん(14)は「地震の怖さを知った。みなさんが受け継いできた震災の教訓を糧にしたい」、志方中2年の藤田空海(すかい)さん(13)は「当時の被害は想像以上だった。できることから防災対策を始めたい」と話した。=19日付神戸新聞朝刊東播版

[写真㊨㊦]大震災をテーマにした授業。各教室にもオンラインで配信された=志方中学校

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 生徒の感想 上野光貴さん(志方中2年)「28年前の大震災を若者たちが話し合い、記憶をつないでいきたい」

 ※「わたしの感想NIE」に加古川中学校・志方中学校の生徒のみなさんの感想を掲載しています。

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■神戸市立白川小学校(1月13日、対象・5年生66人) 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが「阪神・淡路大震災」をテーマに授業を行い、震災の日、当時の神戸新聞本社で宿直勤務だった体験を語った。児童たちは大震災で亡くなった一人の少女を取り扱った新聞ワークシートにも取り組んだ。

児童の感想 01

児童の感想 02

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神戸新聞アドバイザーが講師に

 阪神・淡路大震災の記憶と教訓を伝える授業が1月13日、神戸市須磨区白川台7の白川小学校であった。神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが「震災を知らない世代こそ記憶を語り継いでほしい」と呼び掛けた。

 5年生66人が参加。児童たちは校内に展示された神戸新聞の震災写真を事前に見学して授業に臨んだ。

 三好アドバイザーは大震災当日、神戸・三宮の本社で宿直勤務だった。当時のことを振り返り、「発生のとき、激しい揺れで部屋のロッカーが飛んでくるように感じた」「発生時刻に起きていたので命が助かったと思う」「災害報道では、読者を励ます記事を書くことや、犠牲者の生きた証しを残すことが大切だと感じている」と話した。

 大震災から28年がたつ。三好アドバイザーは令和に入っても地震や豪雨災害が相次いでいることに触れ、「一つ一つの災害から学ぶことが大切。備えにゴールはない」と強調した。 

[写真説明]大震災で亡くなった少女を取り扱った新聞ワークシートに取り組む児童たち=白川小学校

※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

高校生が小学生に伝える「阪神・淡路大震災」

 NIE公開授業が1月23日、神戸市須磨区横尾5の横尾小学校である。発生から28年がたつ「阪神・淡路大震災」をテーマに、須磨友が丘高校(神戸市須磨区友が丘1)の生徒たちが小学5年生に授業を行う。

 NIE(教育に新聞を)活動を進める兵庫県NIE推進協議会の主催。午後1時45分~2時半。終了後、意見交換会がある。無料。参加希望者は1月18日までに申し込む。申込書は同協議会のホームページから取り出せる。同協議会☎078・362・7054、ファクス078・362・7424

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■県立西宮高校(12月15日、対象・2年生280人) 日経新聞神戸支局の岩本隆支局長が「新聞記者の仕事と裏付けの大切さ」と題して講演した。「記事を書くには徹底した裏付けが大切。『その情報は本当か』というクールな視点が求められる」と強調し、SNSの情報はあくまで参考で、など注意点を挙げた。

生徒の感想