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防災の大切さ伝える 推進協、神戸・横尾小で公開授業 

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 学校現場で新聞を活用する運動に取り組む県NIE推進協議会は1月23日、神戸市須磨区の市立横尾小学校で公開授業を開いた。県立須磨友が丘高校の生徒16人が、阪神大震災をテーマに、5年生の2クラスに分かれて実施。震災の継承が難しくなる今、当時の記事を用いて防災の大切さや命の尊さを伝えた。

 5年2組では、阪神大震災をさまざまな角度から報じた当時の記事を使って児童22人がグループごとに学習した。1995年1月21日の「ライフライン複合被害」を報じた毎日新聞の記事を読んだ子どもたち。担当した橋本心温さん(17)から「水が無くなったらどうする?」「何ができなくなる?」と尋ねられ、付箋に自分の意見を書き込んで話し合い、事前の備えの大切さを学んでいた。

 授業のまとめ役を担った濱田優さん(17)は「伝えたいことは、誰かのつらい経験を無駄にしないこと。経験を生かし、誰かの命も自分の命も守ってほしい」と語りかけた。授業後は、見学者や生徒代表、教員らによる意見交換会も行われた。【石川隆宣】=24日付毎日新聞朝刊神戸・明石版

[写真説明]NIEの公開授業では、阪神大震災が発生した当時の新聞を使って高校生が子どもたちに教えた=神戸市須磨区の市立横尾小学校で

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 28年前、阪神・淡路大震災について新聞各紙がどう報じたかを、高校生が小学生に伝える授業が1月23日、神戸市須磨区横尾5の横尾小学校であった。児童は、倒壊した建物や救助活動、避難所生活、復旧が進まないライフラインなどの記事を読み、「災害時に自分ならどう行動するか」を考えた。

 須磨友が丘高校(神戸市須磨区友が丘1)1、2年の16人が横尾小の5年生46人に教えた。日本新聞協会のNIE実践指定校の両校が企画した「小高連携授業」。兵庫県NIE推進協議会による公開授業として行われ、市内外の教育関係者約20人が見学した。

 高校生たちは、神戸新聞など各紙から気になる記事を選び、「がれきの中の人にどう声をかけるか」「小学生は避難所でどんな助け合いができるか」などの問いを設定。児童たちは付箋に回答を書き、模造紙に貼っていった。

 須磨友が丘高2年の大久保遼矢さん(17)は「小学生が積極的に意見を出してくれた。震災の記憶を伝える側にならないといけないと感じた」。横尾小5年の堀口羽菜さん(11)は「災害時は避難所に缶詰を持っていこうと思った。これからも防災について考えたい」と話した。(三好正文)=25日付神戸新聞朝刊神戸版

[写真説明]災害時の救助活動について意見を発表する高校生と小学生=横尾小学校(撮影・冨居雅人)

 生徒の感想 須磨友が丘高校2年、濱田優さん(17)「震災の記憶を風化させないというのは、当時のつらい体験を無駄にしないことだと思う。児童のみなさんにはきょう学んだことをほかの人に伝えてほしい」

 兵庫県NIE推進協議会から 「阪神・淡路大震災の記憶の継承」は大きな課題だ。4人に1人が震災後生まれになった兵庫県で、体験世代が担ってきた継承活動を、若者たちが語り部となって、どうつないでいくか。そのとき、高校生が「発信する側」--震災の記憶を語り継ぐ側になってくれたら心強い。須磨友が丘高校の生徒たちは、間もなく発生から12年になる東日本大震災についても学習を続けてきた。その学びは授業の中で十分に生かされていた。生徒たちは教えることの難しさを感じながらも、児童たちと和やかで有意義な時間を過ごしたようだ。取り組みが継続、さらに発展していくことを願っています。

 ※公開授業を担当された須磨友が丘高校・岩本和也教諭の寄稿(ねらいや展望)をこちらに掲載しています。参加者の感想をこちらに掲載しています。「わたしの感想NIE」に児童生徒のみなさんの感想を掲載しています。感想はこちら