記者派遣

震災の取材体験語る 加古川の中学2校 神戸新聞記者が出前授業

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 発生から28年となった阪神・淡路大震災をテーマにした出前授業が、1月17日に加古川中学校(加古川市加古川町備後)=写真、18日に志方中学校(同市志方町志方町宮山)であった。いずれも神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務め、生徒たちに「震災を知らない世代が、記憶と教訓を語り継いでほしい」と呼びかけた。

 両校は日本新聞協会のNIE実践指定校。加古川中は全校生徒960人、志方中は1、2年生125人が参加した。

 三好アドバイザーは大震災当日、神戸・三宮の神戸新聞本社で宿直勤務をしており、「発生時刻に起きていたので、命が助かったと思う。国などが被災者に救いの手を差し伸べてほしいとの思いで、記事を書き続けた」と振り返った。

 当時、JR東加古川駅近くに建てられ、被災者が暮らした仮設住宅で、「神戸に帰りたい」と願いながら病のため亡くなった女性を取材した体験も話した。「震災に翻弄(ほんろう)された人たちの、生きた証しを残すことも新聞の大切な役目の一つ」と強調した。

 授業を受けた加古川中2年の鴻池心羽さん(14)は「地震の怖さを知った。みなさんが受け継いできた震災の教訓を糧にしたい」、志方中2年の藤田空海(すかい)さん(13)は「当時の被害は想像以上だった。できることから防災対策を始めたい」と話した。=19日付神戸新聞朝刊東播版

[写真㊨㊦]大震災をテーマにした授業。各教室にもオンラインで配信された=志方中学校

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 生徒の感想 上野光貴さん(志方中2年)「28年前の大震災を若者たちが話し合い、記憶をつないでいきたい」

 ※「わたしの感想NIE」に加古川中学校・志方中学校の生徒のみなさんの感想を掲載しています。

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