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 NIE(教育に新聞を)活動を進める兵庫県NIE推進協議会は10月2日午後2時~4時半、姫路市立飾磨中部中学校(姫路市飾磨区細江)で公開授業を行います。

 同校の佐伯奈津子教諭と奥田夕貴教諭が「NIE俳句~記事の写真から豊かにイメージしよう~(国語)」、皆光潤教諭が「新聞から読み取る対立と合意(社会)」をテーマにNIE授業を実践し、終了後には意見交換会を予定しています。

 参加無料。公開授業の詳細は下の案内をクリックしてご覧ください。希望者は9月20日までに、一番下にある申し込み用紙で申し込んでください。問い合わせは同協議会☎078・362・7054

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申込み用紙2024NIE公開授業飾磨中部中学校.docx

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 養父市の鉢伏高原で行った宿泊体験の思い出を新聞にまとめようと、甲南小学校(東灘区住吉本町1)で、記事の書き方や見出しの付け方を学ぶ出前授業があり、3年生56人が参加した。同校は日本新聞協会のNIE実践校。神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。

 3年生は7月16~18日、4年生とともに鉢伏高原を訪れ、ハイキングや飯ごう炊さん、綱引き、魚のつかみ取りなどを楽しんだ。

 三好アドバイザーは、記事を書くための基本「5W1H」を説明し、「一番面白かったことや感動したことを詳しく書こう」と呼びかけた。

 続いて、児童たちは新聞作りに挑戦。見出しや写真を配置する場所を考えながら作業を進めた。

 キャンプファイアの思い出をトップ記事にした末光百合咲(ゆりさ)さん(9)は「先生がDJを務めたり、みんなでゲームをしたりしたことを記事にしました」と話した。=9月10日付神戸新聞朝刊神戸版

[写真説明]宿泊体験の思い出を新聞にまとめる児童たち=東灘区住吉本町1、甲南小学校

※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

 来年夏の「第30回NIE全国大会神戸大会」を控え、月1回、大会の準備状況を紹介する「 ひょうごNIE通信」を発行します。開催の日まで1年を切りました。全国の児童生徒のみなさんに役立つ大会を目指し、教育現場の方たちの声を反映させながら準備を進めていきます。「ひょうごNIE通信」第1号をお読みいただき、ぜひご意見をお聞かせください。

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 教育現場で新聞を活用するNIEの第29回全国大会京都大会(日本新聞協会主催、京都府NIE推進協議会、京都新聞社主管)が8月1、2日、京都市で開かれた。「探究と対話を深めるNIE」を大会スローガンに開催。全国から教育・新聞関係者ら約1200人が参加し、基調講演やパネル討議、公開授業、実践発表を通じ、NIEの可能性を探った。

 来年夏の神戸大会を控え、兵庫からは教員ら約80人が参加、関心の高さがうかがえた。参加者の感想を紹介する。

古寺和子・姫路市立豊富小中学校(後期課程)教諭
 最高気温が38度を超えた京都でNIE全国大会が行われた。外も暑いが会場の熱気も想像以上で、圧倒されながら2日目の公開授業を見学させていただいた。
 多様性を学ぶ授業では、国際女性デー(3月8日)における全国紙・地方紙・海外紙の1面記事での取り上げ方を比較し、発信者にどのような意図があるか、海外研修に参加した生徒の実体験もふまえながら中高生が意見を述べていた。
 新聞を活用して「随筆」を読む授業では、時代背景やさまざまな人の思いを知るために、真珠湾攻撃の翌日の新聞、その10年後、50年後の新聞を活用していた。それぞれの公開授業ごとに観客は100人を超えていたのではないだろうか。そんな中で生徒が自分の言葉で堂々と対話している姿に感心させられた。
新聞は「今」を伝えくれる。さまざまな新聞を読むことで、自分のいる場所や時代とは異なる「今」を感じ取ることができる。その利点を授業の中でどのように活用していくか、来年の神戸大会に向けて考えていきたいと思う。

三嶋祐貴子・明石市立大蔵中学校教諭
 昨年の松山大会に続き、京都大会でもNIEの活動において、新聞とICTの両立がはかられた取り組みが多かった。
 さまざまな分科会があった中でも、京都先端科学大学附属中学高校が行った「多様性を問う 新聞記事のジェンダー表現」では、ニュースパーク(日本新聞博物館)=横浜市=の協力のもと「国際女性デー」にあたる3月8日の日本の国内新聞、海外の新聞の報道のされ方を比較し、各国・地域の特徴を調べ、そこから自分たちが疑問に思った「ジェンダーギャップ指数とGDPの相関関係」を発展して調べ、発表していた。
 新聞だけでなく、生徒の海外研修を踏まえた問題提起がされており、基調講演で歴史家の磯田道史氏が言われた「AIにはできない体験」を通じた学びが生まれていた。
 今回の研修で得た学びを生かし、ICTやAIが進歩している現代、なぜ新聞なのかということが問われ続けている中で、さまざまなことを模索し、新聞を使うことで生まれる対話を生かした授業ができるように取り組んでいきたいと感じた。

福田浩三・県立伊川谷高校主幹教諭(日本新聞協会NIEアドバイザー)
 NIE京都大会では他都道府県からもポスターセッションに参加できるということで、私は大会実行委員会からの正式な案内が公開されるとほぼ同時に申し込んだ。
 実際にポスター発表を行って驚かされたのは、聴きに来られた方々の熱量の大きさ。私は生徒が書くことを主体にしたはがき新聞の活用実践について報告したが、「なぜ、はがきサイズがいいのですか?」(返答:1コマの授業で完結できる量)、「はがきは本物ですか?」(返答:本物のはがきを年2回、他は無料で助成を受けているはがき新聞のセットを使用)、「繰り返すのがポイントなのですね」「うち(の職場)でも使わせてください!」など、教育関係(小~高まで幅広く)やメディア関係の方々を中心に、とても多くの意見交換ができた。
 5時間という時間が本当にあっという間に感じた。「見る」「聴く」だけの大会にならず、「自由に意見を交わす」機会が得られた今回のポスターセッションへの参加は、私にとってとても学びの多き時間となった。

佐々木浩二・県立網干高校教諭(日本新聞協会NIEアドバイザー) 
 京都大会のスローガンは「探究と対話を深めるNIE」となっており、各学校での探究的な学習活動に注目して参加した。
 2日目の分科会、第1部の実践発表の京都市立塔南・開建高校では、の中村顕教諭から「地理探究」での実践発表で、日経新聞・BBCNewsJapan・日本海事新聞を活用した地理探究や「総合的な探究の時間」の授業実践を聞いた。授業では「問いから始まる授業」をコンセプトとして、新聞記事から自ら考え、学ぶ力を育んでいる授業実践をされていた。
 第2部では、亀岡市立詳徳小学校の東哲平教諭から総合的学習の時間で、「地域で取材・交流柏原平和池水害と私たち」の実践発表を聞き、地域で起こった災害を題材に、先人の苦労を後世へと伝える取り組みを発表していた。特に小学生が地域を取材しながら、現地を調査する総合学習の活動は、中学校や高校でも「防災・減災」という視点で、NIE実践が広がる可能が大いにあると考える。
 自校での総合的な探究の時間が、NIE実践とともに深化していけるようにしたいと考えている。生徒や教師・保護者・地域社会にも多くの気付きや示唆を与える活動になると考えている。
 来年のNIE全国大会の開催地が神戸ということで、兵庫県の強み、自校での取り組みの特徴は何かということを考えながら発表を拝見させてもらった。来年、兵庫県に来てよかったと言ってもらえる全国大会にしたい。