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読売新聞記者が講師に

 新聞を活用した教育に取り組む「NIE」の授業が3月1日、加古川市の県立加古川西高校であり、読売新聞姫路支局の古市豪記者(49)が1年生の約280人に「新聞記者の仕事」と題して講演した=写真=。

 同校は、今年度のNIE実践指定校になっている。生徒たちは最初に地域活性化の方法について発表。古市記者はリポートの書き方を評価したうえで、「新聞の記事を書く時も、どうすれば読んでもらえるかを気にかける。面白さや驚きがあることが必要」と説明した。

  また、北海道日本ハムファイターズに在籍していたときの大谷翔平選手や、殺人事件の遺族などを取材した経験を振り返り、「取材力を生かし、自分しか見聞きできなかったものを情報として盛り込むことが大事だ」と強調した。

 垰本(たおもと)啓志さん(16)は「インターネットだけでなく、自分で出かけて行って情報を得ることが大切だと感じた」と話していた。=3月2日付読売新聞朝刊播磨・姫路版

 神戸市教育委員会は、市立小中学校全243校(小学校161校、中学校80校、小中一貫の義務教育学校2校)の図書館に複数の新聞(小学校2紙以上、中学校3紙以上)を配備し、児童・生徒が新聞を読める環境を整えた。教育現場で新聞を活用するNIE(教育に新聞を)の活動を一層推進したい考えだ。

 政府は2022年度からの第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」で、全国の公立学校図書館への新聞配備(小学校2紙、中学校3紙、高校5紙)に向け、地方財政措置(地方交付税)を年38億円に増額した。ただ、交付税をどう使うかは地方自治体に委ねられているため、新聞が十分には活用されていない。

 こうした現状を受け、神戸市教委は23年度、市立小中学校にそれぞれ2紙、3紙を下限に新聞配備を求め、このほど全校で実現した。児童・生徒にまず新聞を手に取ってもらい、読み比べることで情報活用能力を育んだり、調べ学習など主体的な学びに活用したりする環境が整ってきている。

 市立鶴甲小(同市灘区)では、神戸新聞と朝日小学生新聞を図書館に配備。酒井秀幸校長は「新聞未読世帯が少なくない中、子どもたちが新聞をめくったり、見出しに興味を持ったりするようになった。新聞活用を推進する学校司書の存在も大きい」と話す。

 神戸市では25年7月31日~8月1日、教員や新聞関係者が集う「NIE全国大会神戸大会」(日本新聞協会主催)が開かれる。23年度で退任した同市教委の長田淳・前教育長は「今後、各校が配備された新聞各紙をどのように活用するかが鍵になる。NIEの意識の高まりに応えたい」としている。(三好正文)=4月3日付神戸新聞朝刊ひょうご総合面

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兵庫県NIE推進協事務局長が講師に

 「阪神・淡路大震災」をテーマにしたオンライン講演会(神奈川県NIE推進協議会主催)が3月20日開かれ、神奈川県内外の教員やNIE関係者ら22人が参加した。兵庫県NIE推進協議会の三好正文事務局長(64)が講師を務めた。

 同協議会3月NIEミーティングの特別企画。三好事務局長は29年前の大震災当日、神戸・三宮にあった神戸新聞本社で宿直勤務をしていた。「爆発時のように窓ガラスが割れた」などと震度7の瞬間を振り返り、社のホストコンピューターがダウンし、京都新聞社に新聞発行を依頼するまでの経緯などを語った。

 元日に発生した能登半島地震についても触れた。「阪神・淡路の教訓を伝えきれなかった」と悔しさをにじませ、「南海トラフ巨大地震では兵庫、神奈川ともに大津波の襲来が予想されている。震災を知らない世代にこそ教訓を語り継いでほしい」と話した。

 参加者から「海岸近くに学校がある。どう対応すればいいか」「災害時、SNS(交流サイト)を使うときの留意点は」などの質問が寄せられた。

[写真説明]「大災害の教訓を語り継ごう」と呼び掛けたオンライン講演

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神戸新聞アドバイザーが講師に

発生から29年がたつ阪神・淡路大震災を学ぶ出前授業が、小野市新部町の河合小学校であり、4、5年生72人が参加した。神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。

 三好アドバイザーは大震災当日、神戸・三宮の神戸新聞本社で宿直勤務だった。今月7日にあった出前授業では「震度7の瞬間、爆発時のように窓ガラスが割れた」と振り返り、当日書いた記事や当時のまちの惨状を紹介。「当時、どこに行けば入浴できるかなど、生活情報を日々紙面に載せることが大切だった」と話した。元日に発生した能登半島地震にも触れて「災害は繰り返す。南海トラフ巨大地震に備えたい」と力を込めた。

 授業では児童たちに、災害時に使える新聞紙スリッパや段ボールベッドを作ってもらった。授業を受けた小東応祐君(5年)は「阪神・淡路大震災、能登半島地震とも被害の大きさに驚いた。防災バッグを用意するなど災害に備えたい」と話した。=3月19日付神戸新聞朝刊三木・北播版

[写真説明]新聞紙スリッパを作る児童たち=河合小学校

※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

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 東日本大震災から13年を迎えた3月11日、尼崎市南武庫之荘4の南武庫之荘中学校で、東京電力福島第一原発事故について考える授業があり、1年生36人が参加した。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。授業は、兵庫県NIE推進協議会の吉田尚美コーディネーターが講師を務めた。

 東日本大震災では巨大津波が沿岸地域を襲い、福島第1原発でメルトダウン(炉心溶融)が起きた。吉田コーディネーターは新聞記事をもとに原発事故の経緯や、放射能が人体に及ぼす影響を説明した。

 また、大学時代の友人が当時、原発事故で帰還困難区域となった福島県浪江町に住んでおり、震災から3年半後、友人とともに同町を訪れた経験を語った。生徒たちは放射能汚染のため復興が進まない現状を知り、被害の深刻さについて認識を新たにしたようだった。

 生徒たちは数人ずつの班に分かれ、これからのエネルギー問題を話し合ったり、神戸新聞社が記事や社説をもとに作成している「新聞ワークシート」を解きながら、処理水問題について考えたりした。

◆神戸新聞NIEワークシートはこちら

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2024年3月13日)

[写真説明]吉田コーディネーターが浪江町訪問時に着用した放射能防護服も紹介された=尼崎市立南武庫之荘中学校