2023年9月アーカイブ

 ■姫路市立大塩小学校(9月20日、対象・4年生59人) 10月10日、書写山円教寺(姫路市書写)で行う林間学校の体験を児童たちが新聞にまとめることになり、神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーから取材のポイントを聞いた。次回は記事の書き方やレイアウトの仕方など新聞製作のコツを聞く。

児童の感想

230920oosiosyou.jpg神戸新聞アドバイザーが講師に

 書写山円教寺(姫路市)で行う林間学校の体験を新聞にしよう―と9月20日、姫路市大塩町汐咲2の大塩小学校で、取材の仕方を学ぶ授業があり、4年生約60人が参加した。

 同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。林間学校は10月10日に予定され、児童たちは、摩尼殿(まにでん)や食堂(じきどう)、開山堂など各堂宇を巡るウオークラリーに挑戦したり、僧侶の講話を聴いたりする。下山後、一人一人新聞作りに取り組む。

 授業は、神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。三好アドバイザーは取材のポイントとして、5W1Hを押さえる▽自分だけのイチオシニュースは何か考える―などとアドバイス。「自分だけが見つけた景色や感動を記事にしよう」と呼びかけた。

 「林間学校で楽しみにしていることは何ですか」と尋ねられ、児童たちは「山上から姫路の景色を見ること」「お寺を見て回ること」「お弁当の時間」「ロープウエーに乗ること」などと話した。

[写真説明]何をどう取材したらいいの。意見を交わす児童たち=大塩小学校

※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

                     ◆

231018oosiosyou.JPG 書写山円教寺での林間学校は10月10日に行われた。児童たちは体験をそれぞれ新聞にまとめるのを前に18日、神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーから新聞製作のノウハウを教わった。

 児童たちは何をトップニュースにするかを発表し合った。珍問にも取り組んだウオークラリーや、「いただきます」とは「(豚や牛の)命をいただきます」という意味と学んだ僧侶の講話、楽しかった弁当の時間などを挙げた児童が目立った。

  児童たちは楽しかった体験の「5W1H」を振り返り、見出しのつけ方やレイアウトのポイントを学んだ。三好アドバイザーは「記事と写真はほどよい量を心がけよう」「自分の感想も書こう」と呼びかけた。

[写真㊤]林間学校でのイチオシニュースを発表する児童=大塩小学校

[写真㊧㊦]僧侶の講話に耳を傾ける児童たち=いずれも10月10日、書写山円教寺(大塩小学校提供)[写真㊨㊦]堂宇などを巡り、クイズに答えたウオークラリー

231018oosiosyou○.JPG231018oosiosyou○○.JPG

※「わたしの感想NIE」に児童の感想を掲載しています。

.

 ■姫路市立大塩小学校(9月12日、対象・5年生70人) 産経新聞神戸総局姫路駐在の小林宏之記者が「新聞を読もう」と題して授業を行った。日刊紙やスポーツ紙など新聞の種類を説明。同じニュースでも全国紙と地方紙で取り上げ方に特徴があることを8月、近畿を縦断した台風7号の記事などを例に説明した。

児童の感想 01       児童の感想 02        児童の感想 03

230912oosiosyousannkei.jpeg

 教育現場で新聞を活用する「NIE」活動の一環として、姫路市立大塩小学校(同市大塩町)で9月12日、産経新聞神戸総局姫路駐在の小林宏之記者が、5年の3クラスで授業をおこなった=写真。

 昨年度、日本新聞協会からNIE実践校の指定を受けた同校。今年度は「新聞タイム」を月1回設け、全児童が新聞を使ったさまざまな学習に取り組むなどしている。この日は、5年の国語の単元「新聞を読もう」に基づいて授業が行われた。

 小林記者は、新聞にはさまざまな種類があること、見出しやレイアウトなどニュースを知らせるためのさまざまな工夫が凝らされていることなどを紹介。同じニュースでも、全国紙と地方紙で取り上げ方にそれぞれの特徴があることを、8月に襲来した台風7号の記事などを例に挙げて説明した。

 小林記者は「1日の新聞だけでも、さまざまな情報が詰め込まれている。きっとどこかに気になるニュース、引っかかる情報があると思うので、まずは手に取ってみて」と呼びかけた。=13日付産経新聞朝刊阪神・神戸版、播州版、但丹版、淡路版

※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

 ■神戸市立横尾小学校(9月8日、対象・6年生44人) 毎日新聞神戸支局の栗田亨記者が「ニュースの集め方、見出しのつけ方」をテーマに講演した。「誰もがフェイクニュースを作り出せる時代。発信元を確認してニュースの真偽を見分けることが必要」と強調。記事に見出しをつけるワークショップも行った。

児童の感想

230908yokoosyoumainiti.JPG

 新聞を教育に活用するNIE(教育に新聞を)活動の一環として、神戸市立横尾小学校(同市須磨区)で9月8日、毎日新聞神戸支局の栗田亨記者(52)が講演した=写真。6年生約50人を対象に、「ニュースの集め方、見出しのつけ方」を紹介し、「ニュースの発信元に注意しよう」と呼び掛けた。

 栗田記者は、スマートフォンの普及やインターネットの発達で、誰もがフェイクニュースを作り出せる時代になったと指摘。ネットで拡散された偽の洪水の写真などを例に挙げ、「発信元を確認してニュースの真偽を見分けることが必要だ」と強調した。

 授業を終えた児童は「フェイクニュースが簡単に作れることを知り、注意しなくては」「記者は偽物を見分けて取材していると思った」と話していた。=9日付毎日新聞朝刊神戸・明石版

[写真㊦]記事の見出しを考える児童たち=横尾小学校(撮影・兵庫県NIE推進協議会)

※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。230908yokoosyou2.JPG

.

■姫路市立網干西小学校(9月4日、対象・5年生55人) 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが「新聞の読み方」をテーマに講演した。新聞の特長として、網羅性▽一覧性▽信頼性―などを挙げ、 「多様な記事を一覧できる新聞から、あまり関心がない分野を含めて情報を得よう」と呼びかけた。

児童の感想 

■神戸市立高倉中学校(9月1日、対象・2年生149人) 来春、沖縄に修学旅行に行く予定の生徒たちに、神戸新聞報道部の津谷治英記者が沖縄戦や同市須磨区出身の島田叡沖縄県知事(当時)について、神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが、太平洋戦争時の神戸などの空襲被害について語った。

生徒の感想

230904abosinisisyou.jpg

神戸新聞アドバイザーが講師に

 「新聞の読み方教室」が9月4日、姫路市網干区浜田の網干西小学校であり、5年生55人が参加した。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務め、「多様な記事を一覧できる新聞から、あまり関心がない分野を含めて情報を得よう」と呼びかけた。

 三好アドバイザーは「交流サイト(SNS)で知るニュースも、もともとは多くが新聞記事」と説明。新聞の特長として、さまざまな分野の記事がそれぞれの面に載っている「網羅性」などを挙げ「見出しだけでもざっと目を通せば、世の中の出来事がおおよそ分かる。興味を持ったら記事を深く読んでみよう」と勧めた。

 記事の書き方についても教えた。5年生の尾崎豊晴君(11)は「『5W1H』を外さないように、大切なことから書く『逆三角形』のスタイルも取り入れて記事を書きたい」と話した。=6日付神戸新聞朝刊姫路版

[写真㊤]新聞の読み方について学んだ授業=いずれも網干西小学校[写真㊦]最近の気になるニュースを話し合う児童たち

※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

230904abosinisisyou○.jpg

.

230901takakuratyuu.jpg

神戸新聞記者らが講師に

 新聞記事を使って太平洋戦争を学ぶ授業が9月1日、神戸市須磨区高倉台1の高倉中学校であった。来春、修学旅行で沖縄へ行く予定の2年生149人が沖縄戦、神戸空襲などについて知識を深め、平和について考えた。

 同校は教育に新聞を取り入れる日本新聞協会のNIE実践指定校。授業は2コマで、前半は神戸新聞報道部の津谷治英記者が沖縄戦をテーマに話した。記事を参考に広島、長崎の原爆犠牲者を超える約20万人が亡くなったと説明。「戦争は人間の尊い命を奪う。犠牲者の名前が刻まれた平和の礎(いしじ)が、本島南部の平和祈念公園にあるので、ぜひ見てほしい」と伝えた。

 また同市須磨区出身で、映画化もされた島田叡(あきら)沖縄県知事(当時)が、住民の疎開、食糧確保に尽力したことに触れ、住民の生命を守ろうとしたと紹介。2年生の男子は「島田さんは責任感があり優しい人と思った。修学旅行前に勉強になった」と話していた。

 後半は神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが神戸、姫路空襲をはじめ太平洋戦争の空襲被害から戦後の世界の対立構造などを解説した。=5日付神戸新聞朝刊神戸版

[写真㊤]沖縄戦をテーマにした平和学習に聞き入る高倉中学の生徒=いずれも高倉中学校[写真㊦]ウクライナ危機についても考えた

※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

230901takakuratyuumiyoshi.JPG

.

230803matuyamataikai1.jpg全体会のパネル討議で「ICT時代のNIE」について意見交換する登壇者ら=8月3日、愛媛県県民文化会館

 新聞を学校教育に活用するNIEの第28回全国大会(日本新聞協会主催、愛媛県NIE推進協議会、愛媛新聞社主管)が8月3、4日、松山市の愛媛県県民文化会館で開かれた。「ICT(情報通信技術)でひらくNIE」を大会スローガンに開催。全国から教員や新聞・通信社の関係者ら約1200人が参加し、パネル討議や公開授業、実践発表を通じ、NIEの可能性を探った。

 兵庫県NIE推進協議会からは3人が参加した。聴講した公開事業について報告する。

 

▼愛媛大学教育学部付属小 地域の魅力、見出しで発信230804matuyamataikai1.jpg

 愛媛大学教育学部付属小学校の3年生29人は、幸島恭輔教諭(34)による公開授業で、松山の魅力を愛媛県外の人に伝えよう―と自らが書いた記事に見出しを付けるワークに取り組んだ=写真

 児童たちは事前学習でチームに分かれ、道後商店街や松山城、路面電車、松山の名産・名所など「わがまちの魅力」をテーマに取材。観光客にインタビューもしたという。

 授業では、各自が手書きや学習支援アプリで作った紙面を持ち寄り、仕上げの作業として見出しを考えた。

 児童たちは「10文字以内」を目標に、キーワードは何かを考えながら、読み手の興味を引く言葉をひねり出した。男子児童は松山城の記事に「松山城だけの守る工夫」、女子児童は道後商店街の記事に「見たこともない食べ物」と付けた。

230804matuyamasinnbunn.jpg

 出来上がった新聞は会場で県外からの参加者にも配布され、大会後には、新聞を手に松山城観光などに出かけた人もいたようだ。

 学びの振り返りで、幸島教諭は「児童たちに、無駄なく正確に伝える新聞の手法を通して『言葉の力』を感じ取ってほしい」と話した。(三好正文)

[写真㊨]児童が見出しを付けた新聞

愛媛県立伊予高 特産品の知名度向上考える

230804matuyamataikai2.jpg 愛媛県立伊予高校が立地する松前町には、県が生産量日本一を誇る特産品「はだか麦」がある。作付面積は町土の1割に及ぶ。生徒たちは「給食利用推進」「スーパーでの販売促進」を目指す班に分かれて、知名度向上案を競った=写真

 給食班は、学校給食センターで献立の開発やアレルギー対策などを取材。松山東雲短大では、はだか麦のグラタンやミネストローネの調理方法、使用器具などについて取材した。

 分科会には給食センターの職員2人が参加し、生徒考案のレシピにプロの目から調理時間や材料について助言。交流会では、キッチンカーで調理したはだか麦のグラタンやキーマカレー、カナッペなどを参加者に振る舞った。

 スーパーでの販促班は、チラシのほか、作詞作曲したはだか麦の歌を動画で発表。地元ショッピングセンター職員から、視覚、聴覚に加え、味覚にも訴える宣伝を考えてみては―とアドバイスされた。

 松本直美指導教諭は「地域課題への関心を育てるには新聞の活用が有用。取材を重ねることで、解決すべき課題を立体化していくことができた」と振り返った。(吉田尚美)

                                                 ◆

 来年の全国大会は京都市、2025年の第30回大会は神戸市で開かれる予定。

※兵庫からの参加者の感想はこちら