2024年3月アーカイブ

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兵庫県NIE推進協事務局長が講師に

 「阪神・淡路大震災」をテーマにしたオンライン講演会(神奈川県NIE推進協議会主催)が3月20日開かれ、神奈川県内外の教員やNIE関係者ら22人が参加した。兵庫県NIE推進協議会の三好正文事務局長(64)が講師を務めた。

 同協議会3月NIEミーティングの特別企画。三好事務局長は29年前の大震災当日、神戸・三宮にあった神戸新聞本社で宿直勤務をしていた。「爆発時のように窓ガラスが割れた」などと震度7の瞬間を振り返り、社のホストコンピューターがダウンし、京都新聞社に新聞発行を依頼するまでの経緯などを語った。

 元日に発生した能登半島地震についても触れた。「阪神・淡路の教訓を伝えきれなかった」と悔しさをにじませ、「南海トラフ巨大地震では兵庫、神奈川ともに大津波の襲来が予想されている。震災を知らない世代にこそ教訓を語り継いでほしい」と話した。

 参加者から「海岸近くに学校がある。どう対応すればいいか」「災害時、SNS(交流サイト)を使うときの留意点は」などの質問が寄せられた。

[写真説明]「大災害の教訓を語り継ごう」と呼び掛けたオンライン講演

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神戸新聞アドバイザーが講師に

発生から29年がたつ阪神・淡路大震災を学ぶ出前授業が、小野市新部町の河合小学校であり、4、5年生72人が参加した。神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。

 三好アドバイザーは大震災当日、神戸・三宮の神戸新聞本社で宿直勤務だった。今月7日にあった出前授業では「震度7の瞬間、爆発時のように窓ガラスが割れた」と振り返り、当日書いた記事や当時のまちの惨状を紹介。「当時、どこに行けば入浴できるかなど、生活情報を日々紙面に載せることが大切だった」と話した。元日に発生した能登半島地震にも触れて「災害は繰り返す。南海トラフ巨大地震に備えたい」と力を込めた。

 授業では児童たちに、災害時に使える新聞紙スリッパや段ボールベッドを作ってもらった。授業を受けた小東応祐君(5年)は「阪神・淡路大震災、能登半島地震とも被害の大きさに驚いた。防災バッグを用意するなど災害に備えたい」と話した。=3月19日付神戸新聞朝刊三木・北播版

[写真説明]新聞紙スリッパを作る児童たち=河合小学校

※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

■甲南小学校(3月11日、対象・3年生60人) 神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが、新聞から気になる記事を選んで壁新聞を作る「まわしよみ新聞」の授業を行った。児童たちは数人ずつの班に分かれて作業。トップ記事を何にするかを決め、記事を模造紙に貼り付け、新聞を仕上げた。

児童の感想 01  児童の感想 02

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■小野市立河合小学校(3月7日、対象・4、5年生72人) 神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが阪神・淡路大震災をテーマに授業を行った。能登半島地震にも触れ「南海トラフ巨大地震に備えたい」と強調。児童らに、災害時に使える新聞紙スリッパや段ボールベッドを作ってもらった。

児童の感想

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 東日本大震災から13年を迎えた3月11日、尼崎市南武庫之荘4の南武庫之荘中学校で、東京電力福島第一原発事故について考える授業があり、1年生36人が参加した。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。授業は、兵庫県NIE推進協議会の吉田尚美コーディネーターが講師を務めた。

 東日本大震災では巨大津波が沿岸地域を襲い、福島第1原発でメルトダウン(炉心溶融)が起きた。吉田コーディネーターは新聞記事をもとに原発事故の経緯や、放射能が人体に及ぼす影響を説明した。

 また、大学時代の友人が当時、原発事故で帰還困難区域となった福島県浪江町に住んでおり、震災から3年半後、友人とともに同町を訪れた経験を語った。生徒たちは放射能汚染のため復興が進まない現状を知り、被害の深刻さについて認識を新たにしたようだった。

 生徒たちは数人ずつの班に分かれ、これからのエネルギー問題を話し合ったり、神戸新聞社が記事や社説をもとに作成している「新聞ワークシート」を解きながら、処理水問題について考えたりした。

◆神戸新聞NIEワークシートはこちら

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2024年3月13日)

[写真説明]吉田コーディネーターが浪江町訪問時に着用した放射能防護服も紹介された=尼崎市立南武庫之荘中学校

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神戸新聞アドバイザーが講師に

 新聞から気になる記事を選んで壁新聞を作る「まわしよみ新聞」の授業が3月11日、神戸市東灘区住吉本町1の甲南小学校であり、3年生60人が参加した。神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。

 同校は2024年度から日本新聞協会のNIE実践校に指定され、新聞を活用した授業などに取り組む。

 まわしよみ新聞作りは、数人ずつの班に分かれて作業。神戸新聞写真ニュースの昨年12月~今年3月号や、最近の毎日小学生新聞、読売KODOMO新聞の紙面から各自が関心をもった記事を選び、選んだ理由を発表し合った。

 続いて、トップ記事を何にするかを決め、紙面構成はどうするかなどを話し合いながら、記事を模造紙に貼り付け、新聞を仕上げていった。

 トップ記事は、大谷翔平選手の米大リーグでの活躍や、元日に発生した能登半島地震、1月17日で発生から29年を迎えた阪神・淡路大震災の追悼のつどいなどにした班が目立った。

 注目ニュースとして、1日の長さに1秒を加える「うるう秒」を2035年までに廃止する話題を選んだ班もあった。

 記事にちなんだ俳句も考えた。中国における旧暦の正月「春節」の記事では「お正月 みんな違って みんないい」と詠んだ。

[写真説明]まわしよみ新聞を作る3年生たち=甲南小学校

児童の作品の一例

※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

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社説読み解き、発想広げる 甲南高・中で講座

 新聞社が記事や社説をもとに学校向けに作成している「ワークシート」。教育現場での新聞活用を進める兵庫県NIE推進協議会の吉田尚美コーディネーターが、県内の学校でワークシートを活用した出前授業を行っている。甲南高校・中学校(芦屋市山手町)では2月20日、吉田コーディネーターによる「新聞から学ぶイノベーション(革新)講座」があり、経済や会社経営に興味のある高校1年生36人が参加した。

 同校は日本新聞協会のNIE実践校で、2023年度から新聞を使った授業を続けている。この日、活用したワークシートは、吉田コーディネーターが週に数回作成し、電子版神戸新聞NEXTのNIEサイトに掲載している教材の一つ。1月12日付神戸新聞朝刊に掲載された社説「日常の先の紛争」を読み、問いに答える。

 社説では、スマホなどの部品のレアメタル(希少金属)が、コンゴで長年続く民族紛争の資金源になっており、消費者は企業が「何を使っているか」を知り「何を買うか」で社会的責任を果たそうと呼びかけた。ワークシートは、文中にある米国の「紛争鉱物」の法規制でどんな効果が生まれたかを短文でまとめるなどして記事を読み解く。

 授業では、生徒たちにこのワークシートに取り組んでもらい、「売る側」「買う側」ともに人権や環境、SDGs(持続可能な開発目標)の視点が欠かせないことを伝えた。

 さらに、「革新的な技術や発想が新たな価値を生み出す」として、登山ブームの中で低山に特化した商戦が地域経済を潤す―など、イノベーションのヒントになりそうな最近の記事を紹介した。

 授業を受けた男子生徒(16)は「紹介された新聞記事を通し、発想を広げることができた」と言う。別の男子生徒(16)は「能登半島地震の被災者にドローンで医薬品を運ぶ発想を知り、知識が増えた」と話した。

 吉田コーディネーターによるワークシート活用授業は3月11日、同じくNIE実践校の尼崎市立南武庫之荘中学校でも予定されている。

◆神戸新聞NIEワークシートはこちら

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(3月4日)

[写真㊤]新聞ワークシートに取り組む生徒たち=芦屋市山手町、甲南高校・中学校

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[写真㊨]神戸新聞の社説をもとに作成したワークシート

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 教育現場で新聞を活用して、子どもの時事力や情報を読み解く力を高めようと、教員や新聞関係者が集い考える全国大会「NIE神戸大会」(日本新聞協会主催)の開催が、来年7月31日、8月1日の2日間と決まった。

 3月1日に開かれた日本新聞協会のNIE委員会で承認された。

 NIEは「Newspaper in Education(教育に新聞を)」の略称。全国大会は毎年、各都市持ち回りで開催され、神戸大会は、神戸新聞社と兵庫県NIE推進協議会が主管を務める。

 会場は、初日が神戸ポートピアホテル(神戸市中央区)、2日目が甲南大学岡本キャンパス(神戸市東灘区)。2025年は、阪神・淡路大震災から30年の節目で、自然災害が多発し、時代が混迷を深める中、生きる力をどう育んでいくか―などをテーマにする。

 今年の大会は、8月1、2日に京都市内で開かれる。=2日付神戸新聞朝刊3社面