2024年4月アーカイブ

240430kounannkoukoukobe.JPG神戸新聞アドバイザーが講師に

 新聞記事を読み込み、少子高齢化などに伴う県内自治体の課題解決策を考える授業が4月30日、芦屋市山手町の甲南高校であり、3年生約90人が参加した。授業は、神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーらが担当した。

 三好アドバイザーは「兵庫でも人口減少は深刻で、各自治体はさまざまな課題を抱えている。高校生ならではの視点で、交流人口を増やしたり、若者らの雇用の場を生み出したりするアイデアを考えて」と呼びかけた。

 生徒たちは小グループに分かれ、地域活性化をテーマにした数本の記事を読んだ。甲南大(神戸市)の学生が加古川市の課題について考えるプロジェクトなど、若者がまちづくりに参画している記事、インバウンド(訪日客)のニーズにも応え、城崎温泉街(豊岡市)で素泊まりの宿泊施設が増えたなど、地域の動きを伝える記事―。生徒たちは自分たちにできることは何かを話し合った。

 5月1日には、各グループで関心をもった地域の活性化策について意見をまとめる。

[写真説明]県内自治体の課題を学び、活性化のアイデアを考える生徒たち=甲南高校

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神戸新聞アドバイザーが講師に

 新聞の特長や読み方を知る授業が4月26日、神戸市須磨区友が丘1の須磨友が丘高校であり、1年生約240人が参加した。神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。

 三好アドバイザーは、新聞の特長について、多くの記事が、初めに結論を書く「逆三角形」スタイルなので、見出しと前文だけ読めばおおよその内容が分かる▽新聞には、各ページをめくっていくだけで必要な情報が分かる一覧性や網羅性がある―などと説明した。

 生徒たちは、この日の神戸新聞朝刊から、各自が気になった記事を選んで疑問点をネット検索する「調べ学習」に取り組んだ。多様な情報が掲載されているのを知ってもらおうと、兵庫の地名が入った記事を探してもらうワークも行った。記事は40本を数えた。

 三好アドバイザーは「戦争や自然災害が相次ぐ中、人命と人権を守る報道を続けることが、新聞に課せられた役割」と強調。「いま、地球が抱える課題をどう解決するか、若いみなさんと一緒に考えたい」と締めくくった。

[写真説明]兵庫の地名が入った記事を探す生徒たち=神戸市須磨区友が丘1、須磨友が丘高校

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読売新聞記者が講師に

 新聞を活用した教育に取り組む「NIE」の授業が3月1日、加古川市の県立加古川西高校であり、読売新聞姫路支局の古市豪記者(49)が1年生の約280人に「新聞記者の仕事」と題して講演した=写真=。

 同校は、今年度のNIE実践指定校になっている。生徒たちは最初に地域活性化の方法について発表。古市記者はリポートの書き方を評価したうえで、「新聞の記事を書く時も、どうすれば読んでもらえるかを気にかける。面白さや驚きがあることが必要」と説明した。

  また、北海道日本ハムファイターズに在籍していたときの大谷翔平選手や、殺人事件の遺族などを取材した経験を振り返り、「取材力を生かし、自分しか見聞きできなかったものを情報として盛り込むことが大事だ」と強調した。

 垰本(たおもと)啓志さん(16)は「インターネットだけでなく、自分で出かけて行って情報を得ることが大切だと感じた」と話していた。=3月2日付読売新聞朝刊播磨・姫路版

 神戸市教育委員会は、市立小中学校全243校(小学校161校、中学校80校、小中一貫の義務教育学校2校)の図書館に複数の新聞(小学校2紙以上、中学校3紙以上)を配備し、児童・生徒が新聞を読める環境を整えた。教育現場で新聞を活用するNIE(教育に新聞を)の活動を一層推進したい考えだ。

 政府は2022年度からの第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」で、全国の公立学校図書館への新聞配備(小学校2紙、中学校3紙、高校5紙)に向け、地方財政措置(地方交付税)を年38億円に増額した。ただ、交付税をどう使うかは地方自治体に委ねられているため、新聞が十分には活用されていない。

 こうした現状を受け、神戸市教委は23年度、市立小中学校にそれぞれ2紙、3紙を下限に新聞配備を求め、このほど全校で実現した。児童・生徒にまず新聞を手に取ってもらい、読み比べることで情報活用能力を育んだり、調べ学習など主体的な学びに活用したりする環境が整ってきている。

 市立鶴甲小(同市灘区)では、神戸新聞と朝日小学生新聞を図書館に配備。酒井秀幸校長は「新聞未読世帯が少なくない中、子どもたちが新聞をめくったり、見出しに興味を持ったりするようになった。新聞活用を推進する学校司書の存在も大きい」と話す。

 神戸市では25年7月31日~8月1日、教員や新聞関係者が集う「NIE全国大会神戸大会」(日本新聞協会主催)が開かれる。23年度で退任した同市教委の長田淳・前教育長は「今後、各校が配備された新聞各紙をどのように活用するかが鍵になる。NIEの意識の高まりに応えたい」としている。(三好正文)=4月3日付神戸新聞朝刊ひょうご総合面