2022年5月アーカイブ

 2022年度は県NIE推進協の独自認定校として3校を指定する。抱負を紹介する。(敬称略) 

 ネットと紙の利点生かす 
 【姫路市立豊富小中】
        校長       山下 雅道
        前期実践代表者  前野 翔大
        後期実践代表者  井上 佳尚
 GIGAスクール構想のスタートにより、本校では授業や行事など、児童生徒の学校生活が大きく変化した。本年度からは、これまでの「つくる」「つかう」はもとより、ICTを活用し、協働学習による非認知能力の向上や、ネットと新聞のそれぞれの利点を生かしたメディアリテラシーを高める活動を、今回の実践を通じてさらに推し進めたいと考えている。

 地域課題解決へNIE活用
 【県立兵庫高】
        校長    福浦  潤
        実践代表者 岩見 理華
 本校は、「総合的な探究の時間」を中心に、SDGsの視点に基づく世界の課題につながる地域の課題を解決する提言を行う教科横断的な探究活動に取り組んでいる。NIEの新聞記事の活用や記者派遣事業は、主に探究課題設定と調査活動のまとめ方に位置付けて実施している。地域、日本、世界の課題を自分ごととして捉え、対話による多角的な視点と批判的思考力の涵養を目指したい。

 問題解決力を育成する
 【県立西宮高】
        校長    楠田 俊夫
        実践代表者 河辺有希生
 本校の「総合的な探究の時間」は、SDGsに結びつけて1年次では地域的な課題、2年次ではグローバルな課題解決について、探究活動を行っている。特に、1年次では新聞記事を通して、地域につながる課題を発見し、まとめる活動を行っている。NIEを通して、生徒の問題発見能力や資料活用能力を伸長させ、主体的に課題解決策を見いだす力の育成を目指す。

 継続校に続いて、2022年度の新規NIE実践指定校(内定)の抱負を紹介する。(敬称略)

 NIEで思考・判断力養う 
 【神戸市立白川小】
           校長    長﨑 康子
        実践代表者  勝田 耕介
 子どもたちが自ら思考・判断し、主体的に行動する力を育てていきたい。そこで、新聞記事を活用し、自分の考えを相手に分かりやすく伝える活動や、興味をもったことを探求する活動を継続し、社会に目を開き、自分の考えを発信できる子どもの育成を目指す。まずは、新聞がいつでも手に取ることができるコーナーを設け、新聞に親しめる環境整備を行っていきたい。

 新聞に慣れ親しむ活動
 【神戸市立横尾小】
        校長    酒井 秀幸
        実践代表者 吉川 拓郎
 新学習指導要領で明記されている「主体的な学びに向かう力」をどのように具現化していくかを考えたとき、効果的に新聞を使った学習について研修を深めていくことで、子どもたちが「広く・深く知りたい」という欲求に対応できるのではないか。そして、活字離れが叫ばれている昨今、新聞を学習資料としてどのように子供たちに活用させるかを考えていきたい。

   情報活用能力を高める
   【姫路市立大塩小】
        校長    岡﨑 由佳
        実践代表者 金澤 智子
 新聞にふれる機会を増やすことで新聞の良さを知り、読む力、聴く力、発信力、ひいては情報活用能力を高める。低・中学年にも新聞になじみが持てるよう工夫する。新聞活用を通して平和と安全な社会を求め学校教育目標である「しなやかでやわらかい心」を醸成する。

 新聞の良さを発掘する
 【神戸市立丸山中西野分校】
        校長    林   竜弘
        実践代表者 阿部  俊之
 本校は生徒の約8割が外国人の夜間中学校である。年齢・国籍・文化・宗教などの違いを互いに認め合い、日々の学習に取り組んでいる。本年度は新聞の中から新しい学びの材料を見つけ出し、教科を問わず多角的な視点から生徒にアプローチしていきたいと考えている。一人一人の生徒が記事を通して正しい日本語を身に付け、新聞に興味・関心を持つことを目指す。

 新聞から考えを深める
 【加古川市立加古川中】
        校長    山本 照久
        実践代表者 橘  脩平
 新聞を一度も読んだことがない生徒がいる中で、新聞記事を通してSDGsに注目しながら社会で起きている事象や課題にふれ、世の中の出来事に興味・関心を持たせたい。また、新聞から得た情報について自分の意見をまとめ、他生徒と意見交換することにより多様な考え方を知り、思考を深めさせたい。さらには、新聞活用により情報活用能力を高めさせたい。

 自分ごととして捉える
 【南あわじ市・洲本市組合立広田中】
        校長     松下 哲也
        実践代表者  河野    真也
 21年度より、本校は思考スキルの向上やキャリア教育の充実に取り組んでいる。世の中の出来事を「自分ごと」として捉え、課題解決に向けて行動できる生徒を育てたい。また、各社の記事の読み比べを通じ、多様な価値観の育成や表現力の向上も図りたい。

 教科の学習活動にNIE
 【県立須磨友が丘高】
        校長    川崎 芳徳
        実践代表者 岩本 和也
              櫻木 千恵
 本校は、本年度よりNIE実践指定校となった。生徒は3年間の課題研究に6紙を活用することを計画している。課題研究の取り組みだけでなく、教科の学習活動において新聞を活用した取り組みを推奨している。また、近隣の横尾小学校も本年度より実践指定校となったことをきっかけに、小学校と高校が連携した取り組みが何かできるのではないかと期待している。

   英字新聞で時事を学ぶ
  【県立加古川西高】
        校長    魚井 和彦
        実践代表者 蓬莱 真吾
 本校の特色類型である国際市民類型は英語に重点をおいたクラスである。英字新聞を読むことで、英語を通して時事問題に触れる機会にしたいと考えている。また「総合的な探究」の時間に生徒の興味・関心を引き出すために新聞を活用したり、根拠資料として新聞を用いたりする予定である。また探究学習のディベートで用いる資料として新聞を活用していきたいと考えている。

 グローバルな人材育成
 【神戸市立葺合高】
        校長    清家   豊
                        実践代表者 高野  剛彦
 「新聞で育成する多様な視点・価値観をもったグローバル人材」を研究テーマに設定。さまざまな社会課題を探究する際、一面的・偏った情報ではなく、多様な視点・価値観の情報を収集し、エビデンスをもとに自己の考え・意見を構築するという探究プロセスを通じて、Society5.0の先の時代に生きるグローバル人材を育成したい。その核として新聞を活用する。

  思考力・批判力を育成
 【神港学園高】
        校長    中野 憲二
        実践担当者 中西 正和
 本年度は、2年生の特進コースの学校設定科目「現社探究」で、新聞を用いた学習を実施する。新聞を通じての探究活動により、現代社会の諸問題についての理解力、分析力、そして、思考力・批判力を育成することを目指す。まずは、ウクライナ問題についての学習から始めている。「調べ学習」からプレゼン作成、そして、発表などを行っている。

 自己肯定感を育成する
 【クラーク記念国際高】
        校長    片山 義弘
        実践代表者 安井萌七美
 本校は「非認知能力の育成」をテーマにNIEに取り組む。新聞活用を通じ、地域や社会に対する問題意識を高め自ら課題を見つけ、問題解決を目指し考えを形成していく教育活動を推進していきたいと考えている。そうした活動に取り組みながら、一人ひとりの自己肯定感の育成を高め、本校の教育理念「夢・挑戦・達成」にもとづく、主体性をもつ生徒の育成を目指していく。

 2022年度のNIE実践指定校全23校(内定)の校長と実践代表者から本年度の抱負が届いている。多様な取り組みが並ぶ。まずは、継続校からー。(敬称略)

 興味から深い学びにつなげる
 【神戸市立淡河小】
        校長    黒井 陽子
        実践代表者 藤岡 絵美
 前年度は、県NIE推進協議会の講師の助言のもとに、学年を問わずさまざまな教科で、新聞を活用することができた。また、地域を取材したことを発表する機会を小規模校との交流の授業で実施することができた。本年度は、高学年の授業に焦点を合わせて、「自分の興味・関心に合わせて新聞を進んで活用していくことのできる児童の育成」を目指す。

 情報を比べ読み取る力
 【尼崎市立立花南小】
        校長    平岩健太郎
        実践代表者   山川 和宏
 前年度の実践を通して、社会への関心の高まりが見られたことを踏まえ、本年度はさらに社会で起こっている出来事を自分ごととして捉え、自分の考えを持てるようにしていきたい。そのためにも、事実の切り取り方には情報を発信する者の主観が入っていることに気づき、いくつかの情報を比較しながら、事実と意見を区別して読み取る力を身につけさせたい。

 対話を通し考え広げる
 【養父市立宿南小】
        校長    増田真知子
        実践代表者 栄羽 麻里
 前年度は取り組みを通して、新聞が児童の生活に身近な存在となり、表現する喜びや楽しさを味わうことができた。本年度は、引き続き県内の小規模校との交流も継続し、表現力や情報発信力をさらに身につけさせたい。また、児童の主体的かつ探求的な学びとなるよう効果的に新聞を授業や特別活動等に取り入れ「対話を通して、自分の考えを広げ、深めようとする児童の育成」を目指したい。

 情報リテラシーを高める
 【神戸市立神陵台中】
         校長    常光 由起子
         実践代表者   山元 公大
 本校はNIE実践指定校2年目となる。前年度に引き続き、生徒が新聞に親しめる環境づくりを目指すとともに、新聞をきっかけとした情報の取り扱い方・情報リテラシーをより一層向上させたい。そして新聞だけでなく、さまざまなメディアとの向き合い方も指導していきたい。また本年度は、新聞記事を批評的に読み、自分の考えを形成する力を高めていきたい。

 言語・情報発信力育成
 【尼崎市立南武庫之荘中】
        校長    屋敷 成治
        実践代表者 中嶋    勝
 21年度同様、国語科を中心にNIE活動に取り組む。1、2年生では新聞を読む機会を増やすことで新聞に親しみ、コラム写しを通じて文章力を磨く。3年生では新聞ノートを使い、記事を要約して読解力を伸ばし、200字の感想を書くことで自分の考えを表現する。さらに記事から課題を見つけ、班での交流やクラスで発表する機会を増やして情報発信力を高めたい。

  主体的に学ぶ生徒育成
   【加古川市立志方中】
            校長           廣居  洋三
            実践代表者   小山  真輔
 本校は、実践指定2年目となった。前年度の活動で新聞に関心を持つ生徒が増えたように思う。本年度は、より新聞に関心を持たせ、社会的事象・事件について、さまざまな視点から考え、考察し、判断できる生徒の育成を継続する。そして、主体的に学習を進められる生徒の育成を目指す。本年度は、新聞閲覧方法の変更や、授業で新聞ワークシート等を継続活用していきたい。

  現代の諸課題に取り組む 
 【神戸山手女子中高】
        校長      平井 正朗
        実践代表者   福永 博行
 21年度は新聞を活用した探求型学習を行い、社会問題へのアプローチによる課題発見・解決力の育成を試みた。本年度は、社会科が起点となって他教科と連携しながら、教科の枠では収まらない現代的な諸課題に取り組むことを目標とする。一つの記事から多面的に考察する力を養うなど、新聞を用いた教科横断的な学習の新たな可能性を探りたい。

 「新聞の表現力」活用
 【県立伊川谷高】
        校長     衣笠 正人
        実践代表者  福田   浩三
 コミュニケーション能力向上の手段として新聞のもつ表現力・情報伝達能力を活用する本校での教育実践も2年目となる。本年度は「表現する」を中心に、「やさしい日本語」を活用しながら、生徒がより正確に考えを伝えるための手法について学習する。生徒自身が興味を持ったテーマについての内容をまとめたはがき新聞を作成し、生徒同士の相互評価を行うことで、さらなる学習につなげていく。

 人・社会への関心を高める
 【県立播磨特別支援学校】
        校長     下雅意一之
        実践代表者  志水幸広
 実践指定校2年目の本年度は、知的部門の3年生を中心に実践を継続する。前年度に引き続き、さまざまな形で新聞に触れる機会を設け、自ら情報収集、情報伝達することに楽しみを見いだすことを目指す。そして、自分たちが生きる社会への興味関心を高めることで、主体的に人と関わろうとする意欲やコミュニケーション能力の向上へとつなげたい。

 

 兵庫県NIE推進協議会は2月5日、神戸市内で開催予定だった「2021年度兵庫県NIE実践発表会」を、新型コロナウイルスの感染急拡大に伴って中止しました。発表会で予定されたNIE実践指定校2校の実践報告について、概要版をで動画で配信しています。

新聞から広がる世界 ~これ、みつけたよ!おもしろいね~

伊丹市立天神川小学校 渡邊奈美教諭

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https://youtu.be/0tpDatpB2Og

上記URLを範囲指定して右クリックから開いてください。

新聞をより身近なものに~情報科と探究学習の取り組みを通して~

蒼開中学校・高等学校 奥村智紀教諭

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https://youtu.be/G1d8xz4zg9U

上記URLを範囲指定して右クリックから開いてください。

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神戸新聞アドバイザーが講師に

 ロシアによるウクライナ侵攻から3カ月がたった。ウクライナ有事と新聞報道を考える授業が5月30日、神戸市長田区寺池町1の兵庫高校であり、2年生280人が参加した。神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。

 ウクライナ侵攻で国外に逃れた避難民は日本の千人を含む約644万人に上っている=国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の5月20日発表による。

 三好アドバイザーは昭和初期、神戸がウクライナ人を受け入れた事例として、ロシア革命で亡命した指揮者メッテルが住んだ「深江文化村」=神戸市東灘区深江南町=について解説した。

 生徒たちは数人ずつのグループに分かれ、「戦争終結に向け、神戸の地から何ができるか」を話し合った。「人道支援のためウクライナに寄付する」「避難民の受け入れをいっそう進める」「関心を持ち続ける」などの意見が出た。

 三好アドバイザーは今、日本や日本人に求められるものとして、世界をこれ以上分断させない外交力や、強じんな民主主義国家の建設を挙げた。

 同校では6月1日にも同様の授業があり、2年生14人が参加した。

[写真説明]戦争終結に向け、神戸の地から何ができるか―。意見交換する生徒たち=神戸市長田区寺池町1、兵庫高校

※同校は本年度、兵庫県NIE推進協議会の独自認定校に内定。「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

 ■播磨特別支援学校(5月19日、対象・年生25人) 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが「はじめての新聞~新聞記者に聞く新聞の読み方」をテーマに授業を行った。網羅性、一覧性、信頼性など新聞の特長と、「人命と人権を守る」「有事のライフライン」など新聞の役割について説明した。

生徒の感想

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神戸新聞アドバイザーが講師に

 県立播磨特別支援学校(たつの市揖西町中垣内)で来春の就職を目指す3年生25人が5月19日、新聞の読み方を学ぶ授業を受けた。神戸新聞社NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが取材や紙面編集の舞台裏をかみ砕いて解説した。

 同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。今回は知的障害がある就業技術科の生徒が参加した。三好アドバイザーが「記事には5W1Hが必要。何の略でしょうか」と質問すると「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」と正解を答える生徒もいた。

 米大リーグの大谷翔平選手の記事を題材に5W1Hを確認するなどにぎやかに進んだ授業だが、ウクライナ関連の話題になると生徒たちは真剣な表情に。「弱い人の命と人権を守ることが記者の大事な役割です」との言葉に聞き入った。

 三好アドバイザーは、白血病から競技復帰した競泳、池江璃花子選手の話題など「読者を励ます明るい記事も必要」としつつ「戦争終結に向けて何ができるかを考えよう」と結んだ。(直江 純)=20日付神戸新聞朝刊西播版

[写真説明]紙面を題材に授業を進める三好正文シニアアドバイザー=播磨特別支援学校

※同校は本年度、日本新聞協会のNIE実践指定校(継続校)に内定。「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。