山本二三さんの人となりについては、前回の記事で、だいぶ分かっていただけたのではないでしょうか?そこで今回は、これまでの主な担当作品を挙げてみたいと思います。といっても、あまりにもたくさんありすぎて、すべてを書き尽くすことは、無理だと思いますが・・・。
テレビアニメ「未来少年コナン」で世に出た山本さんですが、
すぐに、劇場用映画も手がけています。
最初の担当作は「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)。
この作品で、背景を担当した山本さんは、
続く「じゃりん子チエ」(1981)では、美術監督を務めています。
その後、テレビ、映画に関わらず、多くの作品を手がけていきますが、
中でも「天空の城ラピュタ」(1986)は、皆さんもよくご存知でしょう。
スタジオジブリ作品として、大きな話題となったヒット作。
山本さんはこの作品で、共同で美術監督を務めています。
▲「天空の城ラピュタ」 ラピュタのロボット
さらに「火垂るの墓」(1988)、「おもひでぽろぽろ」(1991)、
「耳をすませば」(1995)、「もののけ姫」(1997)、
「千と千尋の神隠し」(2001)と、多くのジブリ作品に携わった山本さん。
日本のアニメーション美術界に、不動の地位を確立するに至りました。
また、2006年公開の「時をかける少女」では、
後進の育成のために設立した美術制作会社「絵映舎」として
初めて仕事を請け負い、自らは美術監督を担当。
「ミヨリの森」(2007)では、監督を務めるなど、
近年、活動の場をさらに広げているのです。
▲「時をかける少女」 ゴーヤ棚
今回の展覧会では、これらの作品の中から、
「-ラピュタ」や「火垂るの墓」「時をかける少女」をはじめ、
「じゃりん子チエ」「もののけ姫」などの背景画が展示されます。
ここに挙げた作品は、どれも映画として大ヒットしたものばかり。
公開当時の劇場で、さらにはテレビでの放映で、
見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
映画で見た数々の名場面が、ひとつの絵画となってよみがえる。
アニメーションならではとはいえ、
なかなか出来ない、貴重な経験ができそうです。