13日、「火垂るの墓」の解説付き上映会が行われ、小学生ほどのこどもから年配の方まで、幅広い年代の方が会場に集まりました。上映に先立ち、学芸員の岡さんが作品や二三さんについて解説。15分ほどのお話の中には、作品を楽しみ方を広げるヒントがたくさん登場しました。
解説は二三さんの生い立ちから始まり、
やがて「火垂るの墓」の話へ。
「この作品が終わったら死んでもいい」というほど、
二三さんが生涯をかけて取り組んだのが同作。
畑のトマトと支柱を固定する結び目や
家のふすまの絵柄ひとつにも、
農業の知恵やその時代らしさが反映されていて、
緻密な検証の上に描かれる二三さんの背景画が
物語のリアリティーを根底から支えているといっても
過言ではありません。
「野坂さんの小説の世界をいかにリアルに表現しているか、
二三さんの描く背景画のすごみを感じてほしい」と岡さん。
車がなかった時代の抜けるような夏の青空や、
夜間空襲の標的となることを防ぐ灯火管制下の
真っ暗なまちの夜空など、
二三さんが空の表現にもこだわっていたことも
明かしました。
ストーリーを知っている作品でも、
解説を聞いてから見てみると
細やかなところに目が届き、
作品の楽しみ方が広がるように思いました。
二三さんの背景画が、実際に作品の中の
どういうシーンに使われているか、
またどういう効果を与えているか、
それらを上映会で感じたあとに展示を見ると、
いつもと違った発見があるかもしれません。
27日には、「時をかける少女」の
上映会が予定されています。
詳しくは、神戸市立博物館HPで。
コチラでも紹介しています。