こちらは2011年に行われた展覧会のページです。
2016年7月16日から、神戸ゆかりの美術館で開催される
「山本二三展リターンズ」については、下記のサイトをご覧ください。
http://www7.kobe-np.co.jp/blog/nizo-returns/
The World of Yamamoto Nizo
ブログ(新着)開催概要作品紹介グッズ紹介

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28日、神戸市長田区の地域人材支援センター(旧・二葉小学校)で、二三さんによる「アニメーション背景美術教室」が行われました。プロの技術を間近で見られた2時間、二三さんの一挙一動に参加者たちの真剣な視線が集まりました。

 
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集まったのは、小学生から60代まで約80人。
二三さんはまず、モニターを使って
「時をかける少女」の設定画やイメージボード、
ピクチャーハンティングの際の写真などを紹介し、
アニメ―ションの背景画ができるまでを説明。
奥行きのある「真琴の家の廊下」の絵では、
「どの部分から描いているかが気になると思うのですが、
絵のいちばん奥の部分から描いています」
と技術的な解説も。
デモンストレーションのあとは、
二三さん自らが筆を持っての実演が始まりました。
 
   
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「おととい見た、積乱雲を描きます」と、
おもむろに大きな筆で画用紙に水分を含ませ始めた二三さん。
その作業と並行して、
絵の具を混ぜ合わせて必要な色を作っていきます。
   
画用紙が十分に水分を含んだら、鮮やかな青をとり、
雲の輪郭を残すように空から描き始めました。
にこやかな二三さんも、
絵を描いているときは無言で真剣な表情。
その緊張感が会場を包み、参加者のみなさんも
モニターに映る二三さんの筆の動きに夢中です。
 
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わずか20分たらずで二三雲ができあがりました。
このままでは水分が多すぎるので、
実際にはエアブラシで調整して完成に至るそうです。
 
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雲だけにとどまらず、このあと
森と火の絵、さらには参加者からのリクエストで飛び出した
渓流の絵まで描いてくださった二三さん。
 
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「黄に対して青、青に対して緑、緑に対して赤という
補色の関係を意識しながら描くと、自然らしさが出ます」、
「神戸市立博物館で展示されている
『火垂るの墓』の家が燃えているシーンは、
建物ではなく火から描いています。
描きにくいものから描くというのも手です」など、
経験を感じさせるアドバイスがたくさん飛び出した2時間。
 
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二三さんのテクニックを目の当たりにできた貴重な機会に、
尼崎市から訪れた高校生は
「背景の"奥"の部分から描いていくという話が印象的だった。
いつも手前から描いていたので、実践したい」と
満足そうでした。
 
 
・・・おまけ・・・
  
教室では前述の4枚の絵を描いてくださったのですが、
1枚描くごとに絵の具をのせた小皿と水入れを
二三さん自ら洗いに行ってらっしゃいました。
声をかけた人に対して、
「自分でやらなきゃだめなんだよ」と言う姿に、
絵に対する二三さんの真摯な思いを
垣間見たように思いました。
 
 

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