こちらは2011年に行われた展覧会のページです。
2016年7月16日から、神戸ゆかりの美術館で開催される
「山本二三展リターンズ」については、下記のサイトをご覧ください。
http://www7.kobe-np.co.jp/blog/nizo-returns/
The World of Yamamoto Nizo
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7月16日にいよいよ開幕した「山本二三展」。先だって15日に行われた開会式・内覧会の様子が、神戸新聞紙面で紹介されましたので紹介します。


人気作品の背景画180点 
「山本二三展」が開幕

 「もののけ姫」「天空の城ラピュタ」など人気アニメの背景画を集めた「日本のアニメーション美術の創造者 山本二三(にぞう)展」(神戸新聞社など主催)の開会式と特別鑑賞会が15日、神戸市中央区の市立博物館であった。日本を代表するアニメの美術監督山本二三さん(58)の作品約180点が並ぶ。一般公開は16日から9月25日まで。
 

▲数々のアニメの名作の背景画が並ぶ会場
 =神戸市立博物館(撮影・宮路博志)
 
 山本さんは宮崎駿、高畑勲両監督のヒット作に携わり、入念な取材に基づく精密な絵柄が特長。特に立体感のある雲の描写が「二三雲」として定評がある。
 
 開会式で、神戸新聞社の高士薫社長が「『火垂るの墓』は戦中の神戸や西宮の光景が見事。神が宿ったような細部まで楽しんでほしい」とあいさつ。招待者約300人が作品に見入った。

 

「火垂るの墓」背景画
阪神間の戦禍 詳細に


 「日本のアニメーション美術の創造者 山本二三(にぞう)展」(神戸新聞社など主催)の一般公開を前に、15日に神戸市立博物館であった特別鑑賞会。長編アニメ「火垂るの墓」(1988年)で描かれた神戸や西宮の情景に、年配の人たちから「懐かしい」との声が上がった。
 

▲細かな筆致で描かれた背景画に見入る人たち
 =神戸市中央区京町、神戸市立博物館(撮影・宮路博志)
 
 野坂昭如さんの同名小説が原作の「火垂るの墓」は、主人公の兄妹が神戸大空襲に遭遇した東灘区御影地区や、疎開生活を送った西宮市夙川地区が主な舞台。焼い弾で赤く染まった住宅密集地や、焼け残った御影公会堂などが実写さながらに描かれている。
 
 この日、会場を訪れた山本二三さんは「野坂さんは御影は案内してくれたが、西宮は『思い出すのもつらい』と行かなかった」と制作時の逸話を明かし、空襲体験者の矢田立郎市長も「こんな風に火の中を走って逃げましたよ」と感慨深げだった。
 

▲「火垂るの墓」で描かれた空襲後の国民学校(現小学校)
 ((c)山本二三)
 
 会場ではほかにも「天空の城ラピュタ」(86年)のロボットや、「もののけ姫」(97年)の「獅子神の森」など宮崎駿監督のヒット作のほか、「時をかける少女」(2006年)などの原画が年代順に展示されている。
 
 月曜休館(祝日は翌火曜日が休館。8月15日は開館)。神戸市立博物館TEL078・391・0035一般千円、大学高校生700円、小中学生400円。
(直江 純)
 
*2011年7月16日、神戸新聞掲載
 

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