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神戸市立全小中学校に新聞 243校、教育現場での活用推進

 神戸市教育委員会は、市立小中学校全243校(小学校161校、中学校80校、小中一貫の義務教育学校2校)の図書館に複数の新聞(小学校2紙以上、中学校3紙以上)を配備し、児童・生徒が新聞を読める環境を整えた。教育現場で新聞を活用するNIE(教育に新聞を)の活動を一層推進したい考えだ。

 政府は2022年度からの第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」で、全国の公立学校図書館への新聞配備(小学校2紙、中学校3紙、高校5紙)に向け、地方財政措置(地方交付税)を年38億円に増額した。ただ、交付税をどう使うかは地方自治体に委ねられているため、新聞が十分には活用されていない。

 こうした現状を受け、神戸市教委は23年度、市立小中学校にそれぞれ2紙、3紙を下限に新聞配備を求め、このほど全校で実現した。児童・生徒にまず新聞を手に取ってもらい、読み比べることで情報活用能力を育んだり、調べ学習など主体的な学びに活用したりする環境が整ってきている。

 市立鶴甲小(同市灘区)では、神戸新聞と朝日小学生新聞を図書館に配備。酒井秀幸校長は「新聞未読世帯が少なくない中、子どもたちが新聞をめくったり、見出しに興味を持ったりするようになった。新聞活用を推進する学校司書の存在も大きい」と話す。

 神戸市では25年7月31日~8月1日、教員や新聞関係者が集う「NIE全国大会神戸大会」(日本新聞協会主催)が開かれる。23年度で退任した同市教委の長田淳・前教育長は「今後、各校が配備された新聞各紙をどのように活用するかが鍵になる。NIEの意識の高まりに応えたい」としている。(三好正文)=4月3日付神戸新聞朝刊ひょうご総合面