二三さんが27日、神戸芸術工科大学に登場しました。芸大生を相手に変化する映像のいまについて語り、背景美術の技術的なアドバイスも行いました。
講演会のタイトルは
「アニメーションの背景美術について」。
同大学の「映像表現特別講義」という授業の
一環として行われました。
同イベントは一般公開ということもあり、
会場には多くの人たち詰めかけました。
はじめに二三さんは、「二三」という名前の由来や、
背景画家になるきっかけなどから話し始めました。
小さいころは絵を描くのが大好きで、
画用紙がない時はこっそりふすまに絵を描いていたとか。
幼少期のほほえましい思い出を明かしました。
講義のメインは
同大学の生徒向けの技術的な内容で、
アナログ・デジタル・3D映像の違いや、
それぞれの長所・短所などを話しました。
また静止画のみならず、
二三さんが手がけた作品の映像なども使いながら、
アニメーションが完成していく経緯を
わかりやすく説明しました。
スクリーンが変わるごとに、
ため息の出るようなきれいな背景が次々と現れます。
時には写真と見まがうほど。
印象的だったのは、
学生の「画家として普段から気を付けて見ているものは」
という質問に対する答え。
「『太陽の光』を基本にするようにしています。
写真集や旅行などから、ものの色、影の色を学びます」
と、語る二三さん。
時間や場所によって、光は違った景色を生み出します。
その本物の色を大事にする二三さんは、
昔から「自然から学ぶ」ことをモットーにしています。
絵をデジタル化する時、「自然の色」が失われないよう、
とても気を付けているのだとか。
▲講演後にはサイン会が行われ、来場者が長蛇の列を作りました
「質問があればいつでもどうぞ」
と何度も学生に語りかけ、
質問された時にはとても丁寧に、
真摯に答える姿が印象的でした。
展覧会に「来ていただいたら、
みなさんの絵の描き方にも生かせるかと」
と、遠慮がちに話す二三さん。
驚くような技術やこだわりを見せながらも、
終始、気さくな雰囲気を漂わせていました。
改めて、二三さんの作品をじっくりとみてみたいという
気持ちが駆り立てられました。