記者派遣

惨状「フェイク」じゃない 、甲南高生聴き入る 「死の通り ブチャ」

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朝日新聞 元特派員が語る

 「死の通り ブチャ生存者の証言―特派員が語るウクライナ」をテーマにした「出前授業」が10月20日、芦屋市の甲南高校・中学であった=写真。8月まで朝日新聞ヨーロッパ総局員だった金成隆一記者(現大阪本社社会部次長)が高校生約120人に、ロシアによる侵攻が続くウクライナでの取材について語った。

 金成記者はウクライナ侵攻前後の2022年に計4回、首都キーウなどで取材をしてきた。

 ロシア軍に一時占領されたブチャの「死の通り」の動画が流れると、大教室が静まりかえった。路上のあちこちに遺体が横たわる。金成記者は「遺体はフェイクだ、とSNSで主張する人たちがいて、それが拡散された。だから自分の目で確かめなければと考えた。皆さんもSNSで見たものを安易には信じないでほしい。意図的なうそがある。ブチャの件はその典型のひとつだと思う」と語りかけた。

 ロシア兵がいる中で遺体の埋葬を続けた人に墓地で取材をしたこと。「処刑場」と思われる弾痕の残った建物の写真。夜中に空襲警報が鳴るたびに何度も避難した経験。質問時間も含め100分間の授業でも、生徒たちは集中力を切らさなかった。

 柿田悠吾さん(17)は「ウクライナで取材した人にしか語れない話だった。『死の通り』は日本にいたら見ることのない光景。改めて戦争は良くないと思った。勇気がいるが特派員という仕事にも興味を持った」と語った。=23日付朝日新聞朝刊神戸・阪神・ひょうご版

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※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。同校の足立恵英副校長に授業についてご寄稿いただきました。寄稿は こちら