記者派遣

震災経験の神戸新聞記者が精道中で授業 「記憶のバトンつないで」

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 来年1月で発生から30年になる阪神・淡路大震災をテーマにした出前授業が12月16、芦屋市立精道中学校(南宮町)であった。1年生226人が当時、震災取材に当たった神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザー(64)から話を聞いた。

 阪神・淡路では、同校の生徒5人や精道小学校(精道町)の児童8人も犠牲になった。

 授業で三好アドバイザーは、9割以上の建物が全半壊した芦屋市津知町などの発生当日の写真を紹介。被災地全体の死者6434人のうち921人は、過酷な避難生活などが原因で亡くなった関連死だったことにも触れた。

 三好アドバイザーは「当時を知らない世代こそ、震災を語るべきだ。記憶のバトンをつないでほしい」と呼びかけ、「次の災害に備えることが大切」と強調。発生当日、全壊した神戸・三宮の神戸新聞本社で宿直勤務中で、震度7の瞬間や神戸の惨状についても伝えた。

 授業を受けた林諒多さん(13)は「阪神・淡路の記憶を僕たちが引き継ぎたい」、宮本茜里(あかり)さん(13)は「普段から油断せず、地震の時に正しく行動できるようにしたい」と話した。=20日付神戸新聞朝刊阪神版

[写真説明]阪神・淡路大震災当日の様子や、その後の追悼式などについて伝えた出前授業=芦屋市南宮町、精道中学校