教員を目指す大学生向けのNIEワークショップ講座が、加東市下久米の兵庫教育大学で開かれている。兵庫県NIE推進協議会事務局長が講師を務め、数年前から年1回実施している。今年は12月19日に行われ、小学校教諭などを目指し、初等社会科教育法を学ぶ2回生約50人が8つのメニューを体験した。
講座は「NIEって楽しい」と思ってくれそうな実践例を用意。同協議会事務局が各校の出前授業で行ったり、兵庫の先生たちが実践したりしているものをそろえた。
この日の授業でのワークショップを紹介すると――。数人のグループごとに、最近の子ども向け写真ニュースからイチオシ記事を選ぶ▽朝刊から「師走」の記事を探し、新聞の特長「網羅性」を知ってもらう▽朝刊から一番大きな数字を探す▽新聞紙で防災スリッパを作る。
最近のニュースで気になったものは何か、数人のグループで話し合う▽この1年の出来事から自身の「今年の漢字」を考える▽新聞の4コマ漫画を正しく並べ直し、「起承転結」を学ぶ▽記事の見出しを考える。以上、8つ。
最近のニュースで気になったものを話し合うワークでは、すべてのグループが「北九州市の中3生殺傷事件」を挙げた。マクドナルドの店内で中学生2人が突然刺されるという出来事があまりにショッキングだったからだろう。容疑者が逮捕された直後でもあった。
このほか、総選挙に合わせた模擬投票や、まわしよみ新聞作り、インタビュー新聞作り、季節新聞作り、ゆるキャラ作りなど、兵庫でのNIE実践例も紹介した。
教育現場でNIEへの興味関心を高めてもらうには、何が必要か。新任の先生たちにNIEを紹介し、その意義を理解してもらうとともに「こんなワークなら教室が盛り上がるかも」と思ってもらうことが大切では、と考えるこの頃だ。
三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(12月23日)
[写真説明]選んだイチオシ記事と選んだ理由を発表する学生=加東市下久米、兵庫教育大学
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