参加者それぞれが興味を持った新聞記事を切り抜き、意見交換しながら壁新聞を作る「まわしよみ新聞」の研修会が11月22日、姫路市内であり、市立小中高校の学校司書59人が参加した。兵庫県NIE推進協議会の三好正文事務局長が講師を務めた。
まわしよみ新聞は社会実験者の陸奥賢(さとし)さんが考案、新聞を使ったワークショップの中でも人気が高く、同推進協議会でも長年、出前授業や教員向け研修に取り入れてきた。
研修会は学校図書館でNIE(教育に新聞を)活動に取り組んでほしいーと市教委が開いた。
参加者は3~4人ずつのグループに分かれ、日刊紙やこども新聞、英字新聞、神戸新聞写真ニュースなどの記事を切り抜き、全体のレイアウトを考えながら模造紙に貼り付けていった。新聞名も考えた。
ほっこりする記事を集めた「よせなべ新聞」、米大リーグの大谷翔平ら、今年活躍した人物の記事を集めた「MVP(めちゃめちゃブイブイいわせたパーソンズ)新聞」、未来を見通した記事が並ぶ「みとおし新聞」、未来に残したい話題を集めた「のこしたいもの新聞」ー。バラエティーに富んだ紙面が並んだ。
今月13日死去した詩人の谷川俊太郎さんの記事が目立ったのは、司書ならでは。クイズコーナーも設けたグループもあった。いまの季節に合わせ、色紙をモミジや寄せ鍋の形に切って貼り付けたり、植物や人気タレントを立体的に見せたりするなどデザインも競った。
三好事務局長は、まわしよみ新聞の優れた点として、一覧性や網羅性のある新聞をめくることで自分の世界が広がる▽参加者同士が語り合うことで他者への理解が深まる▽さまざまな新聞を読み比べることでメディアリテラシーが養われるーなどを挙げた。「学校でも取り組んでほしい」と呼びかけた。
[写真㊤]まわしよみ新聞を作る参加者=いずれも姫路市北条口3、市総合教育センター
[写真㊦]出来上がった新聞を紹介する参加者と、完成したまわしよみ新聞の一例
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