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2023年度兵庫県NIE実践発表会 あいさつ

会長 竹内 弘明

  みなさん、こんにちは。兵庫県NIE推進協議会会長の竹内です。

 本日は大変お忙しい中、2023年度の兵庫NIE実践発表会にお運びくださりありがとうございます。平素はNIE活動にご理解、ご協力をいただき誠にありがとうございます。 また、重ねてお礼申し上げます。

  さて、今年は元日の16時10分、能登半島で大地震が発生するという痛ましい年明けとなりました。地震によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

  倒壊した家屋や火災など阪神・淡路大震災を経験している私たちにとっては、フラッシュバックのように当時の状況がよみがえってきました。

 29年前の1月、神戸の町は壊滅状態でした。

 今、神戸新聞が毎日「震災ダイアリー」と題して阪神・淡路大震災からのその後を毎日報じています。今日は震災23日目、休校が続いていた兵庫高校が鈴蘭台高校を間借りして授業が再開されたという記事が掲載されていました。

 地震のあった1月17日、あの大震災の中、神戸新聞は夕刊を出しています。

 でも神戸新聞本社も被害を受けコンピューターも使えません。そこで京都新聞に協力を頼み、京都まで車を飛ばし、そこからまた神戸新聞の製作センター向かい、できあがったのは午後8時、そこから県内各所に配達をしてくれたのです。

 当時、他の新聞各社の方々も神戸支社・総局・支局は被害を受け、それでも阪神・淡路大震災の状況、つらく悲しい現実、被災地の人々の絆、全国からかけつけたボランティアの方々への感謝、強く生き抜いている被災地の人々の姿、いろいろなことを新聞は伝えてくれました。

 今、能登半島地震についてもいろんなメディアが報じています。

 29年前に比べるとSNS(交流サイト)が飛躍的に発達し、被害状況や被災地の様子もすぐに発信されています。確かにSNSは早いのですが、一方で偽情報やデマという危険性もあります。今回の能登半島地震でも架空の住所を記して助けを求めたり、被害状況だと偽って別の津波動画を流したりし、不安をあおる嘘の投稿が相次いでいます。

 テレビは映像とともにいち早く正しい情報を報道してくれます。デマや偽情報はありません。でもテレビは一過性というか手元に残りません。正確な数字は伝えてくれますが、聞いた私たちはすぐに忘れてしまいます。

 新聞はニュースとしての価値判断をし、その必要性を考慮して、偏ることなく公平公正に、正しい情報、信頼性の高い情報を、見やすく、わかりやすく、無駄なく伝えてくれています。紙媒体として伝える新聞は手元に残ります。見返すことも簡単にできます。やっぱり新聞は優れものです。

 新聞は、記者が足を運んで地道な取材をするところから始まり記事を書き、それを編集をする人、そして印刷をする人、さらに配達をする人から、多くの人が熱い思いを込めて、魂を込めて作り上げている素晴らしい作品です。

 そんな新聞を教育に取り入れることは大きな意義があります。

 今日の新聞にはNIEの活動として、須磨友が丘高校と横尾小学校の小高連携の取り組みが掲載されていました。阪神・淡路大震災と能登半島地震の新聞記事から高校生が小学生に防災の大切さを伝える授業を行った記事が掲載されていました。

 29前の新聞記事と今の新聞記事が、震災について伝えつないでいく、とても素晴らしい取り組みです。

 教育に新聞を活用するNIE活動を推進してくださっています皆様方には改めて敬意を表しますとともに、これからもどうぞ自信を持って、そして胸を張ってNIE活動を推進してくださることをお願い申し上げます。

 今日はそんな素晴らしい実践を発表していただきます。私もとても楽しみにしているところです。今日の発表会が皆さまの心に残る素晴らしい発表会になりますことを願って開会のあいさつとさせていただきます。本日の実践発表会、どうぞよろしくお願いいたします。

2024年2月8日