お知らせ

NIE実践指定校 県内8校がふりかえり

 2022年度までNIE実践を続けてきた、8校の校長と実践代表者に取り組みをふりかえってもらった。(敬称略)

NIEで言語力育成
【神戸市立淡河小学校】
                          校長         黒井 陽子
                          実践代表者 藤岡 絵美
 本校では、「NIEを活用した言語力育成と言語活動充実」というテーマを設けた。子どもたちが新聞に多く触れるよう、新聞コーナー、新聞カフェを設けた。学習では、発達段階や学習内容に合わせ、工作や新聞作り、新聞の役割など、積極的に学習に組み込んだ。子どもたちは新聞に親しみ、学習や生活に生かすことができるようになったと感じる。今、情報の活用が重視されている。小学校では、新聞に親しむこと、新聞作りの経験、情報活用の力が求められる。今回の取り組みで今後の学習の方向性の一つを教えていただいたと思う。

社会への関心高まる
【尼崎市立立花南小学校】
       校長         平岩健太郎
       実践代表者 山川 和宏
 「新聞を通して、社会への関心を高める取り組み」を研究テーマにして、新聞記事を紹介する活動を中心に実践を重ねた。その中で、社会で起こっている出来事と自分とをつなげ、自分の考えを持てるような実践を試みた。その結果、子ども同士の日常会話の中でニュースの話題が出ることも多く、世の中の出来事が身近に感じられるようになってきたようである。今回の実践を機に、社会で起きている出来事と自分の身の回りの出来事とをつなげてとらえていけるような取り組みを継続していきたいと考えている。

地域のよさを再発見
【養父市立宿南小学校】
       校長      増田真知子
                   実践代表者 栄羽 麻里                     
 NIEの実践を通して、児童は、新聞を活用するための基礎的な知識を身に付け、身近な出来事から社会の情勢にまで目を向けるようになった。また、体験学習を終えたあとには、その時の様子や学びを新聞記事にして友だちと伝え合うことで、自分たちが住む地域の特徴やよさに改めて気づくこともできた。NIEは、子どもたちの 読解力を培いながら「新しいことを知る」、また「自分の思いを発信する」ための大事な学習である。これからも、日々の生活 の中に新聞がある環境を継続していこうと考えている。

情報の価値を認識
【神戸市立神陵台中学校】 
       校長    常光由起子
       実践代表者 山元 公大
本校は、令和3・4年度にNIE実践指定を受けた。生徒が新聞に親しめる環境づくりを目指すとともに、新聞をきっかけとした情報の取り扱い方・情報リテラシーの向上を目指してきた。実践指定を受けた当初実施した新聞の活用状況アンケートにおいては、新入生を中心に多くの生徒が、新聞が持つ情報価値に気づいておらず、インターネットという特定の情報源から情報を得ていることがわかった。NIE実践を継続していく中で、新聞の持つ情報的価値に気づき、少しずつ活用しようとする様子が見られるようになった。

時事問題に興味関心 
【加古川市立志方中学校】
       校長    廣居 洋三
       実践代表者 小山 真輔
 社会的事象や時事問題を授業等で扱うことにより多角的に物事を考察し、正しい判断ができる生徒の育成を目指して活動を行った。主な活動は、授業における新聞記事やワークシートの利用、新聞読書感想文への参加、新聞記事についてのレポートなどである。これらを通して、新聞を読む機会を与え、少しずつではあるが、社会的事象や時事問題に興味や関心を持たせることができたように感じる。今後も生徒が新聞に触れる機会を設け、社会的事象や時事問題について主体的に考えを深められるような工夫をしていきたい。

学校教育に新たな可能性
【神戸山手女子中学校高校】
       校長    平井 正朗
                   実践代表者 福永 博行
 本校では新聞を授業の中で題材や資料など、教材として利用するほかに、新聞を活用して語彙力や表現力の養成、記者派遣事業を通して生徒の進路意識の涵養など、さまざまな取り組みを試みた。社会の動向に以前よりも関心を持つようになった生徒や、文章表現の際にも言葉の伝わり方や相手の受け取り方を意識するようになったと感想を話してくれた生徒もおり、新聞と学校教育を結ぶ新たな可能性を感じることができた。指定校となって実践してきたNIEの取り組みを通じて得た経験を今後の教育活動に還元していきたい。

NIEに〝触れた〟2年間
【県立播磨特別支援学校】
       校長    藤井 生也
                   実践代表者 志水 幸広
 本校は、知肢並置の高等部のみの特別支援学校で、日常的に新聞を手にすることがほとんどない実態から、「触れる」ことを目標にして進めた。1年目は、肢体不自由部門の2年生を対象に、興味を持たせる環境づくりとして「新聞の木」づくりや1分間スピーチを、2年目は知的障害部門の3年生31名を対象に毎日のトップ記事の記録や新聞づくりなどに取り 組んだ。記者派遣事業も好評で、ニュースを身近なものとして捉え直すきっかけとなり、世界の平和や社会参加について考える機会を与えていただいた。

<県推進協独自認定校>
批判的思考力が向上
【県立兵庫高校】
       校長    福浦  潤
       実践代表者 岩見 理華
 「実践指定校」に指定された2021年度は、本校が高等学校新科目「総合的な探究の時間」を全校的に先行実施した初年度であり、「独自認定校」指定の2023年度まで、新聞記事や記者派遣事業等、NIEを活用してSDGsの視点に基づく地域課題解決型の探究活動を推進してきた。新聞を多角的な視点で読む活動を通して、情報収集能力や批判的思考力の向上がみられた。2023年度からは個人の情報端末を用いているが、調査活動にはインターネットに掲載された新聞記事も積極的に活用するように促していきたい。