県NIE推進協議会会員の新聞・通信社で9月、人事異動があり、読売新聞神戸総局長が曽根文朗さんから水野広宣さんに交代した。人となりを自己紹介で―。
読売新聞神戸総局長 水野 広宣
23年ぶりの勤務となります。当時は震災直後でした。6回の転勤を経験しましたが、これほど体に記憶が染みついている街はありません。あの頃、若さに任せ、五感をフル回転していたのだと思います。
震災で肉親を奪われた人の震える声を聞いていました。街づくりに力を合わせる人たちの真っすぐな目を見ました。代替バスの排ガスの臭いは忘れません。テント村でいただいた豚汁の味は今も鮮明によみがえります。
学生時代、東京―大阪間を歩く旅をしました。震災後の半年で歩いた距離はその時を上回ると思います。あのとき足先から感じ取った復興の槌音が今に続き、目の前の街があるーー。そう思うと神戸の人たちの底力を感じずにはいられません。
立場は変わりましたが、これからも積極的に街に出ようと思います。何とぞよろしくお願いいたします。