教員によるNIE実践

「授業に新聞」面白さ追求30年 明石市のNIE研究会、活動一区切り

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 明石市内の教員らでつくるNIEの研究会が3月末、約15年間にわたって世話人を務めてきた同市立大久保小学校の若生(わかお)佳久主幹教諭(60)=日本新聞協会NIEアドバイザー=の定年退職に伴って休会した。1991年4月の発足から30年余り、数多くの新聞を活用した授業に取り組み、兵庫のNIEの推進力となってきた。

 若生教諭は現在、再任用教員として同校の教壇に立ち、「研究会はひとまず休会するが、今後もNIE活動の幅を広げていきたい」と話す。

 若生教諭が研究会に初めて参加したのは、高砂市内の小学校から明石市立二見北小学校に異動した97年。同僚の誘いだった。「新聞を使った授業は面白い」と熱中し、赴任した市内各小学校で、多様な教科・領域でNIEを展開してきた。

 当番の児童がその日の記事から「イチオシ記事」を発表する▽各自が気に入った記事を1週間分スクラップし、新聞を作る▽新聞から文字数の多い熟語(複合語)を探すーなど。「4コマ漫画で『起承転結』を学ぼう」と、「新聞に載っている大きな数を探そう」は、日本新聞協会が2020年発行した、教員向けガイドブック「 新聞で授業が変わる(小学校編)」に収録された。

 研究会は、あかし教育研修センターの助成を受け、大久保小学校の教諭5人が活動。21年度は、国連のSDGs(持続可能な開発目標)をテーマに新聞を作るなどしたが、若生教諭が定年を迎えたことで、活動に一区切りつけた。

 若生教諭は「社会の動きを知るツールとして新聞は最適。情報通信技術(ICT)機器を活用した授業が主流になっているが、新聞紙の紙媒体の実践も続けていきたい」と話している。

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2022年4月11日)

[写真説明]ウクライナ有事の記事を教材に、見出しから前文を考える授業を行う若生教諭=3月16日、明石市立大久保小学校