神戸新聞アドバイザーが講師に
阪神・淡路大震災の記憶と教訓を伝える授業が2月14日、神戸市西区伊川谷町長坂の伊川谷高校であり、2年生39人が参加した。神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務め、「27年前の大震災を知らない世代こそ、記憶を語り継いでほしい」と呼び掛けた。
同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。生徒たちは、校内に展示された神戸新聞の災害写真を事前に見学した。
三好アドバイザーは大震災の日、神戸・三宮にあった本社で宿直勤務だった。神戸新聞社は、震度7の激震で本社屋が壊滅したが、京都新聞の協力を得て新聞発行を続けた。三好アドバイザーは「新聞は『有事のライフライン』を果たす義務がある」と話し、「安全安心情報を繰り返し届けたり、読者を励ます記事を書いたりすることが大切」と強調した。
また、今年は、1・17の追悼行事に大学生ボランティアの姿が目立ったことを挙げ、「記憶の継承は新たな段階に入った。あの日々のことを語り継ぎ、若い世代にバトンを渡したい」と話した。
松村杏音(もね)さん(17)は「震災の記憶を体験していない世代に伝えることは大切だと思った。南海トラフ巨大地震にしっかり備えたい」、松下弘輝さん(17)は「小中学校での震災学習よりも『人間の無力さ』を感じた。よく覚えているのは東日本大震災だが、神戸で起きたことを語り継いでいきたい」と話していた。
[写真説明]神戸新聞本社、壊滅--。当日の様子を話す三好アドバイザー=伊川谷高校
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