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【寄稿】西宮市立浜脇中学校のNIEノートについて

 ※12月17日の公開授業(発表)で事例発表した西宮市立浜脇中学校の渋谷仁崇教諭に、ねらいや展望をご寄稿いただきました。

                           渋谷仁崇・西宮市立浜脇中学校教諭 

NIEノートについて

 NIEノートは、生徒各自が興味を持って選んだ新聞記事を貼り付け、「感想」を書き込むノートです。政治、経済、スポーツ、科学、宇宙、環境など,取り上げる分野は自由です。

 生徒たちは記事を毎週一つ選んでノートにまとめ、社会科の授業の冒頭に電子黒板上でプレゼンテーションします。また、お互いに発表 内容をメモにとります。令和2(2020)年度末に1人1台ずつ配布されたタブレットパソコンを活用する生徒も増えてきました。課題は週に記事一つを原則としていますが、自ら進んでたくさんの記事を調べたり、記事から発展させてより深く内容を掘り下げたりする生徒も増えています。毎回、個性的な記事や世界の動きについての記事などを発表しています。

ねらい

 社会の動きに対する興味関心をさらに高め、世界に目を向け,社会的な思考力を持って、自分の意見やアイデアを表現できる人物の育成を目指しています。

まとめ・今後の展望

 成果として、全国学力調査では「新聞を読む」と回答した生徒が全国平均を超えました。また、日本新聞協会主催の「いっしょに読もう!新聞コンクール」で学校奨励賞を受賞し、個人賞も受賞する生徒もいました。全校生で参加するなど、保護者、地域とも協力をしています。保護者からも「家庭内でニュースに関する会話が増えました」「今まで新聞をとっていなかったけれど、とるようになりました」などの声も聞いています。道徳や国語、家庭科など,教科をまたいで活動にも力を入れています。また生徒たちの書いた「社会に対する意見や感想」が神戸新聞に掲載されました。トライやる事業での兵庫県NIE推進協議会の講座により、生徒自身が取材し、記事を考え、新聞作りを体験しました。また、2025年の大阪・関西万博に向けて「SDGs」をテーマにジュニアEXPOに参加し、企業の考えを聞き、生徒との意見交換も行いました。

 今後も、多面的・多角的に物事を判断できる生徒を育成する環境をつくっていきたいと思います。生徒一人一人が社会全体や世界の動きに対し、興味や関心を高め、主体的に考える力を身につける取り組みとして、NIEノートを続けていきたいと考えています。