推進協の取り組み

差別や人権問題 生徒ら議論 明石・江井島中で新聞記事題材に授業

eigasimatyuuishihara.jpg

 新聞記事を題材に人権問題を考える授業が11月25日、明石市大久保町西島の江井島中学校であった。米プロバスケットボールNBAなどで活躍する八村塁さんと弟の阿蓮さんが、会員制交流サイト(SNS)で人種差別的な内容のメッセージを送られたと明かした記事を取り上げ、差別を身近な問題として考えた。

 NIE(教育に新聞を)事業の一環。県NIE推進協議会コーディネーターの石原丈知(じょうじ)さん(62)を講師に、3年生約120人が授業を受けた。石原さんは、アフリカ系の人々への蔑称を含むメッセージが送られたとの記事を踏まえ、なぜ差別的なコメントを送る人がいるのか問い掛けた。生徒からは「活躍している人への嫉妬」「正しいことをしていると信じている」などと意見が出た。

 さらに差別的な発言を減らす方法をグループに分かれて議論。「法律で規制する」「差別的な発言をする人に注意する」と解決策を出し合い、大勢の協力が必要か、すぐにできることかで分類して発表した。

 木津ここねさん(14)は「差別問題について深く考えたことはなかった。個々に関心を持って行動することが大事だと思った」と話した。(有冨晴貴)=26日付神戸新聞朝刊明石版

[写真説明]差別を減らす方法について議論する生徒=明石市大久保町西島

 石原コーディネーターから 授業では、明石市教委が導入している学習支援アプリ「ロイロノートスクール」を活用した。発問に対し、意見を書き込んで提出することで、クラス内で意見を共有でき、他者の意見と比較しながら自分の考えを深めることができる。「Ýチャート」「座標軸」というシンキングツール(思考ツール)を活用することで、意見を多角的に考えることができる。

 生徒たちはアプリの扱いに慣れており、すばやく意見を書き込みながら、シンキングツールを使って意見をまとめていった。グループごとの発表も、画面にシンキングツールを投影することで分かりやすく、説得力があると感じた。

※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。