新聞記事を題材に人種差別問題を考える授業が7月2日、加古川市志方町宮山の志方中学校であり、2年生58人が参加した。講師は同校元校長で、兵庫県NIE推進協議会の石原丈知コーディネーター。「人種差別解消のため、わたしたちができることは何か」―。生徒たちは身近な問題として考えた。
同推進協議会コーディネーターによるNIEワークショップ。2020年度、コロナ禍の影響で見送られ、2年ぶりに再開した。同校では道徳の授業で取り組んだ。同校は本年度、日本新聞協会のNIE(教育に新聞を)実践指定校に内定している。
石原コーディネーターは、米プロバスケットボール、NBAのウィザーズで活躍する八村塁選手と、弟で東海大の八村阿蓮選手に対し、会員制交流サイト(SNS)で人種差別的なメッセージが送られてきた記事(21年5月6日付神戸新聞夕刊)を取り上げた。
まず、生徒たちに「なぜ、こんな投稿をする人がいるのか」と質問。生徒は意見を書いた付箋を黒板に貼っていき、黒板上で「八村兄弟に対して」「投稿者自身のこと」「SNSに関して」の3つに分けて意見を整理した。八村兄弟に対して=うらやましいから、しっとしている▽投稿者自身のこと=相手が嫌がるのを楽しむ▽SNSに関して=無記名だから軽い気持ちでするーなどの意見が出た。
続いて、「わたしたちができること」を考えた。「すぐにやること」として、応援コメントを送る▽差別的なコメントはすぐ通報して消去してもらう▽アカウントを凍結する▽自分はしないーなど、「じっくりやること」として、人権についてしっかり学ぶ▽投稿者に考えを改めてもらうよう説得する▽差別についてみんなで考える―などの意見があった。
生徒たちは「差別は絶対なくさないといけない。差別全体に対し反対の声を上げていきたい」「SNSで差別的な発言を見つけたら通報するなど、できることからしていきたい」と話した。
三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(7月2日)
[写真説明]意見を書いた付箋を黒板に貼る生徒たち=志方中
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。