教員によるNIE実践

新聞活用へ3研究会始動 学校の特性に合わせ活動模索

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  小規模校・複数校でオンライン授業、小中高一貫校・他学年と学び合う機会に

 新聞を教材として活用するNIE(教育に新聞を)活動について、教員による自主的な研究グループが、兵庫県内に相次いで3つ誕生した。小規模校、小中高一貫教育を行う私立校など、学校の特性に合わせた実施計画を探り、より充実した内容を模索していく。

 神戸市北区の市立淡河(おうご)小学校で5月中旬、「NIEで小規模校を繋(つな)ぐ研究チーム」の初会合が開かれた。同区の有馬小学校からオンライン参加した教諭もおり、5人で意見を交換。但馬や淡路を含め、児童数の少ない県内の学校をつないでオンライン授業をする▽各校でふるさとを取材し、その成果を共同で1枚の新聞にまとめ、発表する―など、充実した授業に向けて案を出し合った。

 淡河小は児童数40人。児童数の少ない学校にとって複数校によるオンライン授業は、子どもたちが多様な意見を聞き、考えを深め合う貴重な機会になる。研究チーム世話人の藤岡絵美・淡河小教諭は「児童同士が刺激を受けながら、より主体的に自分の考えを表現し合える環境をつくりたい」と話す。

 高校、中学校、小学校、幼稚園を運営する愛徳学園(神戸市垂水区)でも、小中高校の教諭らによる「NIE研究会」が発足した。小学校から高校まで、NIEによる学びを継続発展させることを目指す。

 初会合には5人が参加し、「持続可能な開発目標(SDGs)」「マナー」「平和学習」など共通テーマを設けてNIE授業をする▽中高生が小学生に記事の内容を分かりやすく解説する▽学年別に取り組む内容を工夫する―などのアイデアが出た。同学園小の彦野周子教諭は「小中高全体で他学年と学び合う機会を設け、児童生徒が考えを深める機会にしたい」と語る。

 神戸山手女子中学高校(神戸市中央区)の近藤隆郎教諭(日本新聞協会NIEアドバイザー)を世話人とする「NIE学校間連携研究会」も立ち上がった。兵庫県NIE推進協議会(事務局・神戸新聞社内)を拠点に、複数校で共通テーマによるNIE活動を実施し、地域や校種をこえた連携を進めていく。

 県内にはこれまで、1991年4月に発足した明石市のNIE研究会と、昨年4月、特色ある取り組みに「NIEの実践」を掲げて開校した姫路市立豊富小中学校のNIE研究チームがあった。新たに3グループが誕生したことで、県内のNIE研究グループは5つに。さらに多様な展開が期待される。

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(6月13日)

[写真㊤]NIEで小規模校を繋ぐ研究チーム」の初会合=5月18日、神戸市北区淡河町萩原、淡河小学校

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[写真㊨]小中高校を通じた新聞活用について話し合った、愛徳学園のNIE研究会=5月19日、神戸市垂水区歌敷山3、愛徳学園

 ※日本新聞協会NIEサイト・各地の教員研究組織で、兵庫県内5つのNIE研究グループを紹介しています。 

各地の教員研究組織