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2020年度兵庫県NIE実践発表会 秋田会長挨拶


                                        令和3年2月6日
兵庫県NIE推進協議会 実践発表会挨拶
                                        会長 秋田久子

 皆様、こんにちは。会長の秋田久子です。今日はご参加くださいましてありがとうございます。オンラインの実践発表会は初めてです。今年度は皆さまにいろいろに助けていただいて、たくさんの「初めて」に取り組みました。

 さて、実効性あるオンライン学習は喫緊の課題です。そこで、ご挨拶に代えて、生徒がタブレットを通じて意見交換するオンライン授業の長所をお伝えしたいと思います。これは、私自身が前期にオンライン授業で得た手ごたえを、実践校の公開授業で確認したという体験報告でもあります。
    オンラインで意見交換する授業の長所、それは「言語化の必然」です。生徒は自分の考えを言葉にする必要があります。
 これまでは授業に「体だけ参加」する生徒が一定の割合でいました。発表する人は発表できる人です。大人からは一見活発に見える話合いや実習であっても、積極的に流れに乗っていける生徒と、時間をやり過ごす生徒がいます。私たち大人側からは見えませんが、学力だけでなくキャラクターや関係性も参加のレベルに大きく影響しているようです。
 ところが、オンラインでの意見交換では、自分の意見を文章で書き込まねばなりません。対面の時のように「雰囲気」で補えません。自分と向き合い文章にするのは孤独な作業です。書き込んだ文章だけが授業参加の証明です。オンラインでの意見交換は、考えるための孤独を守り言語化能力を鍛えます。
 数年のうちに、オンラインでの個別のやり取りが通常授業に組み込まれていくでしょう。そうなれば言語化能力が日常的に鍛えられ、個々人が自分の輪郭をはっきりさせていけます。その次には、対面でよりよく伝えるための、非言語コミュニケーションの技術にも意識が及ぶにちがいありません。自分で自分を演出する意識は生き方を変える力を持ちます。主体的な生き方の原資として、正確な情報収集力は更に一層必要になると思います。
 ところで、意見の書き込みを通じて言語化能力を伸ばし、対面での発表で非言語コミュニケーション技術を訓練するには、どんなテーマがいいでしょうか。結論が決まっていないダイナミックなテーマが意見交換を活発にすると思いませんか。NIEがここで使えます。事後学習に新聞を活用して、教科書「で」教える授業ができます。NIE活用でご一緒に、平和で民主的な社会の形成者を育ててまいりましょう。推進協をどうぞご活用ください。
 本日は先生方の実践報告では、姫路市立豊富小中学校、川村かおり先生・井上佳尚先生、兵庫教育大学附属中学校・安永修先生、神戸市立神港橘高等学校・高野剛彦先生にご出演いただきます。とても楽しみです。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

    2020年度兵庫県NIE実践発表会 参加のお礼 2月6日、Zoomによるオンラインで開催し、兵庫県内外から85人に参加いただきました。ありがとうございました。