兵庫県NIE推進協議会の秋田久子会長が2月7日、神戸市垂水区福田1の神戸聴覚特別支援学校で「言葉を増やし、言葉で伝えるために~NIE活用のすすめ~」と題して講演した。
近畿聾教育研究会中学部研究会の特別講演で、近畿各地の聴覚特別支援学校の教諭ら約30人が参加した。秋田会長は「言葉の意味を理解し共有することでコミュニケーションの輪が広がり、安全に生きやすくなる」と話し、知識を持っていると意味が分かる例として、時事ニュースを反映した、新聞の川柳コーナーを取り上げた。
同校は2018年度から日本新聞協会のNIE実践校に指定されている。秋田会長は聴覚障害児が自立に向けて必要な3点として、助詞の習得▽抽象的な語彙の習得▽時事的な語彙の収集―を挙げ、新聞活用が効果的とした。
新聞のインタビュー記事を例に「一部の見出しだけでは誤解が生じる。クリック1回で知ったつもりになるのがネット情報の怖いところ」と述べた。さらに、結論を先に伝える▽分かりやすい接続詞を使う▽一文を短くする―などに留意し、伝える技術を磨こうと呼びかけた。
参加者からはNIE実践指定校の申し込み方法について質問があったほか、「聴覚障害児の主体性を大切にするという提案がとても新鮮だった」などの意見があった。
[写真説明]聴覚障害児の自立に向け、NIE活用を呼びかけた講演=神戸聴覚特別支援学校