推進協の取り組み

ニュースから人権考える 高砂・鹿島中 差別など解消へ議論

 新聞を題材に人権問題を考えるワークショップが8月29日、高砂市阿弥陀町阿弥陀の鹿島中学校で開かれた。NIE(教育に新聞を)事業の一環。生徒たちは、いじめや差別を身近な問題として考えた。

 講師は県NIE推進協議会コーディネーターで、同校元校長の田中茂典さん(62)。1年生各クラスの道徳の授業で取り組んだ。
 田中さんは、性別を巡る不適切な取材をしたとして批判されたテレビ番組の記事を取り上げた。
 お笑い芸人が飲食店の客を直撃し、体を触り、被保険者証を見て男性か女性かを確認する様子を笑いを交えて放映すると、「人権侵害だ」と批判された。田中さんは生徒たちに人権を脅かすとはどういうことかを問い掛けた。
 生徒は3、4人のグループに分かれ、無視やいじめ、暴力など自分がされたくない具体的な事柄を考えて、縦80センチ、横50センチの模造紙に書き込んで発表した。
 小原大翔(こはら・ひろと)君(12)は「みんなが嫌なことを、共有できて良かった。いじめや差別をなくすため、自分も行動する必要があると、あらためて感じた」と話した。(本田純一)=30日付神戸新聞朝刊東播版

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田中茂典さんに促され、模造紙に人権を脅かす事例を書き込む生徒たち=鹿島中学校

 生徒の感想 田中柚葵(ゆずき)君「たとえ本人が構わなくても周りの人が不快に思うことをするのは良くない」、山元ひなたさん「いじめは絶対だめ。みんなが楽しく過ごせる教室にしたい」