2012.03.11

15,000人以上もの尊い命が犠牲となった東日本大震災から今日11日で、1年を迎えました。東京・国立劇場で行われた「東日本大震災1周年追悼式」を受け、現在、特別展「平清盛」が開会中の神戸市立博物館でも、復興祈念の行事が行われました。


 
午後2時46分、1年前に東日本大震災が発生した時間に、
館内一斉に黙とうが捧げられ、来場者やスタッフらが
亡くなられた方のご冥福を祈りました。
 

 
午後3時からは、1階ホールに設置された
特設ステージで舞楽の公演会を開催。
天王寺楽所雅亮会によって、舞楽が奉納されました。
 
平清盛とゆかりある、厳島神社における、
舞楽の奉奏はよく知られています。
なかでも、現在伝承されている舞楽は、
平清盛が天王寺の楽所を宮島に移して盛んに
演奏、奉納したのが始まりなのだそうです。
つまり、平清盛と舞楽、
天王寺楽所雅亮会はつながりが深いそうなのです。
  
今回、披露されたのは、「狛鉾」と「蘭陵王」、
そして奏者のみの「長慶子」。
 

 
「狛鉾」は4人の舞人による舞。
高麗から日本へ伝来する船人の姿を模して、
日本で作られた作品と考えられているそうです。
5色に彩色した長い棹を持って、
4人が息を合わせて舞います。
その優雅なさまに目を奪われました。
 
 
 
つづく「蘭陵王」はひとりの舞。
急な拍子で走り回って舞うので、
走舞(わしりまい)とも呼ばれるそう。
仮面を着け、オレンジ色の衣装をまとった
舞人が舞うさまは、とても力強く、
躍動感にあふれたものでした。
 
震災復興の祈りとして奉納された舞楽。
この力強い舞と、澄んだ音色が東北に届くことを祈ります。
 
(坂山真里緒)

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