15,000人以上もの尊い命が犠牲となった東日本大震災から今日11日で、1年を迎えました。東京・国立劇場で行われた「東日本大震災1周年追悼式」を受け、現在、特別展「平清盛」が開会中の神戸市立博物館でも、復興祈念の行事が行われました。
午後2時46分、1年前に東日本大震災が発生した時間に、
館内一斉に黙とうが捧げられ、来場者やスタッフらが
亡くなられた方のご冥福を祈りました。
午後3時からは、1階ホールに設置された
特設ステージで舞楽の公演会を開催。
天王寺楽所雅亮会によって、舞楽が奉納されました。
平清盛とゆかりある、厳島神社における、
舞楽の奉奏はよく知られています。
なかでも、現在伝承されている舞楽は、
平清盛が天王寺の楽所を宮島に移して盛んに
演奏、奉納したのが始まりなのだそうです。
つまり、平清盛と舞楽、
天王寺楽所雅亮会はつながりが深いそうなのです。
今回、披露されたのは、「狛鉾」と「蘭陵王」、
そして奏者のみの「長慶子」。
「狛鉾」は4人の舞人による舞。
高麗から日本へ伝来する船人の姿を模して、
日本で作られた作品と考えられているそうです。
5色に彩色した長い棹を持って、
4人が息を合わせて舞います。
その優雅なさまに目を奪われました。
つづく「蘭陵王」はひとりの舞。
急な拍子で走り回って舞うので、
走舞(わしりまい)とも呼ばれるそう。
仮面を着け、オレンジ色の衣装をまとった
舞人が舞うさまは、とても力強く、
躍動感にあふれたものでした。
震災復興の祈りとして奉納された舞楽。
この力強い舞と、澄んだ音色が東北に届くことを祈ります。
(坂山真里緒)
(C)神戸新聞社 ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。