号外の役割、無料の理由は? 西宮・甲東小で本紙アドバイザー解説
2022年12月10日
新聞社が発行する「号外」について学ぶ授業が12月7日、西宮市神呪町の甲東小学校であった。神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーも講師として語り、5年生33人が真剣に耳を傾けた。
新聞を学ぶのは社会科の授業の一環。児童たちは冒頭、号外の無料配布について知ると、「えー」「なんで」と驚きの声を上げた。その後、なぜ無料かを考える時間が設けられ、3~5人が一組になって意見を出しあった。
授業の終盤、三好シニアアドバイザーがスライドを使って号外の役割について解説。「市民の関心が高いと思われる重大ニュースを伝えるために発行する。信頼できる情報を、朝刊や夕刊よりも前に届けるよ」と伝え「号外は時代を映す鏡です」とも語った。
授業を受けた村瀬栞さん(10)は「号外が朝刊や夕刊の前に配布されることを初めて知り、それだけ重要なものだと分かった」と話した。(浮田志保)=10日付朝刊阪神版
[写真説明]講師の話に耳を傾ける児童たち=甲東小学校
授業は同校の全校研として行われ、田村史子教諭が新聞の号外に焦点を当てた。号外を取り扱った授業は珍しいと思った。問いも秀逸だった。「なぜ、号外は無料で配布されるのだろう」という問い掛けは、「朝・夕刊を待たず、重大ニュースをいち早く伝える」新聞の社会的使命や、「街頭で大勢の市民に臨時号を手渡しする」新聞の伝統を改めて思い起こさせてくれた。何より授業を受けた児童たちが、新聞に興味をもつ契機になってくれたら、うれしい。(神戸新聞NIX推進部シニアアドバイザー 三好正文)