2012年12月26日

津波に心を痛めている、高知の中学生たちに話をしにいきます。
私にできるのは、次の世代に伝えることだから。

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 高知市の中学校に行き、阪神・淡路大震災と東日本大震災の教訓について講演します。これまで毎年、午前5時46分は神戸・長田で迎え、正午ごろまで火事で焼けたところを見て回っていました。火災の専門家として、大きな火災を許した原点を忘れないために。親しくなった人たちと会うために。テレビ出演もすべて断って、1度も欠かしたことがありませんでした。初めて、掟(おきて)を破ります。

 中学校からは「1月17日に神戸のこと、東日本のことを聞かせてほしい」と依頼がありました。行くかどうかすごく悩みました。でも決めました。これからの社会を支えるのは、子どもたち。高知の子どもたちは、(東南海、南海地震による)津波に心を痛めています。高知に足を向けるのは、次に備えることだから。私ができるのは、次の世代に伝えること。3・11があり、ひとつの踏ん切りかなあと思います。

 7時に伊丹空港を出て、高知発正午ごろの飛行機で帰ってきます。昼からは長田を歩き、どこかの集いで午後5時46分の黙とうをします。
(談)

むろさき・よしてる 神戸大学工学部教授、消防研究所理事長、総務省消防庁消防大学校消防研究センター所長などを経て現職。関西学院大学総合政策学部教授、人と防災未来センター上級研究員を兼務。著書に「防災対策と危機管理」「災害時のヘルスプロモーション」など。
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