2025年夏の「NIE全国大会神戸大会」(7月31日~8月1日)に向けて、神戸新聞社NIE神戸大会事務局が「ひょうごNIE通信―2025神戸大会へ―」を月1回発行し、大会の準備状況などを紹介しています。
ぜひお読みください。
2025年夏の「NIE全国大会神戸大会」(7月31日~8月1日)に向けて、神戸新聞社NIE神戸大会事務局が「ひょうごNIE通信―2025神戸大会へ―」を月1回発行し、大会の準備状況などを紹介しています。
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教育現場において新聞を活用する「NIE」活動の一環として、西宮市宮前町の市立浜脇中学校で2月26日、神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーと産経新聞大阪本社編集局の岸本佳子夕刊編集長が、「阪神淡路大震災年」をテーマに授業を行い、参加した2年生約250人が聞き入った。
三好アドバイザーは、平成7年1月17日に起きた大地震に関し、当時の新聞をスクリーンに映し出して状況を説明した。当日は全壊した神戸新聞本社で勤務中。自身も危険にさらされた経験談を交え、「後世の人が次の災害に備えられるよう、震災の記憶、教訓のバトンをつないでいってほしい」と呼びかけた。
岸本編集長は昨年の元日に起きた能登半島地震に触れ、「避難所の惨状が30年前とあまり変わっていないことに愕然(がくせん)とした」と阪神淡路大震災の教訓が生かされていない点を指摘。「神戸などで起きたことを報道し続け、各地で起こる災害に生かせるようにすることが重要」と強調した。
授業を受けた金子まゆさん(14)は「貴重なお話ばかりで『南海トラフ(巨大地震)』など、これから起こる大きな地震に備えなければいけないと思った」と振り返った。=27日付産経新聞朝刊阪神・神戸、播州、淡路、但丹版
[写真説明]「阪神淡路大震災30年」をテーマに授業を行う岸本佳子夕刊編集長(左)と三好正文シニアアドバイザー=西宮市立浜脇中学校
県NIE推進協議会会員の新聞・通信社で人事異動があり、共同通信神戸総局長が高橋正也さんから大熊慶洋(のぶひろ)さんに交代した。人となりを自己紹介で―。
共同通信社神戸支局長 大熊 慶洋
変わらないメディアの役割
2月16日付で神戸に着任しました。1991年に入社し、地方勤務を経て国際ニュースを扱う外信部に配属。タイ、ベトナムに特派員として駐在するなど、主に東南アジアをカバーしてきました。直近は日本などのニュースを英文で世界に発信する海外部で勤務していました。
神戸とのご縁は、95年の阪神大震災の応援取材で短期間滞在したほか、大阪社会部のデスクだった10年ほど前に観光で訪れたくらいです。大きなニュース、見どころのいずれも多い兵庫県で勤務できることをありがたく思っています。
前任地の海外部では、中高生対象のNIEコンテンツである「英語子ども新聞」の配信にも関わりました。掲載新聞社を通した読者の反響も大きく、責任を感じたものです。ネット上で真偽入り交じる情報が飛び交う中、若い読者が情報を正しく判断する力を養う上で、NIEの果たす役割は大きいと思っています。
通勤ラッシュに苦しんだ東京と違い、神戸では通勤電車の中でも新聞紙面を広げることができるのはありがたいですが、車内を見てもそのような人があまりいないことに、時代の移り変わりを感じます。ただ媒体は替わっても、ニュースを正確、迅速かつバランス良く届ける新聞などのメディアの役割の重要性は変わらないと信じています。
愛徳学園中学校(神戸市垂水区)の3年生が2月20日、同校で、平和学習の成果をまとめた新聞を使って、平和の大切さを同学園の小学生に伝える授業を行った。
新聞を教育に活用する「NIE」(教育に新聞を)の一環。生徒らは昨年9月、同校で、生後8か月の時に広島県で被爆した近藤紘子さん(80)に話を聞いた。10月には修学旅行で広島を訪れて戦争の記憶を継承する語り部を取材し、新聞にまとめた。
授業は中学3年生14人と、小学6年生18人が参加。生徒たちは、被爆し、亡くなった中学生の遺体の下にあった焼け焦げた弁当箱の写真を掲載した新聞を示し、「戦争のむごさを私たちが伝えていかないといけない」などと児童たちに伝えた。
講師役を務めた山道真子さん(15)は「取材して感じたことを児童にもわかるように文章にまとめるのは難しかったけど、真剣に読んでくれてうれしかった」と話していた。=21日付読売新聞朝刊神戸明石、阪神、三田、淡路、但馬の各版
[写真説明]新聞を通して児童(右)に平和の大切さを伝える生徒ら(神戸市垂水区で)
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愛徳学園中3年生 新聞作り原爆伝える 小学6年生に授業
広島の原爆被害をテーマに中学3年生が自作した新聞を使って、小学6年生に平和や日常の大切さを伝える授業が、愛徳学園中学校・高校と小学校(神戸市垂水区歌敷山3)であった。
NIE(教育に新聞を)活動の一環。同学園の中学3年生は昨年10月、修学旅行で広島を訪れた。事前学習として生後8カ月で被爆し、国内外で自身の体験などを伝えてきた近藤紘子さん(80)の話を聞いた。
新聞づくりは3学期から取り組んだ。原爆投下時に、中学1年生が持っていた弁当が真っ黒になったエピソードや、語り部の証言などを紹介した。
中学生は小学生に内容を解説。「戦争体験者は高齢で、私たちが語り継ぐことが大事」と語りかけた。
中学3年の山道眞子さん(15)は「真剣に話を聞いてくれて『一日一日大切にしたい』と受け止めてくれて良かった」。小学6年の山口愛実さん(12)は「普段、当たり前と思っていることがありがたいと感じた」と話した。
愛徳学園中学校・高校と小学校は今年7月31日~8月1日に神戸市である「第30回NIE全国大会神戸大会」で、取り組みを発表する。(長沢伸一)=27日付神戸新聞朝刊神戸版
[写真説明]自作の新聞を使って広島の原爆被害について小学生に説明する愛徳学園の中学3年生たち=神戸市垂水区歌敷山3
※生徒たちが「ヒロシマ」をテーマに作った新聞はこちら
※授業を担当された愛徳学園中学校・廣畑彰久先生と愛徳学園小学校・彦野周子先生の寄稿(ねらいや感想)をこちら 児童生徒のみなさんの感想をこちらに掲載しています。
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※2月20日の小・中連携授業を担当した先生たちにねらいや成果についてご寄稿いただきました。
愛徳学園中学校・廣畑彰久教諭
本校の中学3年生は修学旅行で広島を訪れる。事前学習では、被爆された語り部の方からお話を聞くというプログラムを実施しているが、被爆者の方の高齢化が進み、記憶の継承が課題とされている。そこで、生徒に平和を積極的に発信する経験をしてもらう、というのがこの取り組みのねらいである。
限られた時間の中で、自分たちの思いをまとめるのは、難しい作業である。しかし、紙幅が限られているので伝える内容を焦点化できること、言葉で表現しきれない場合は写真を掲載することで表現を補えること、読み手の存在を意識して表現できること、このあたりに新聞というツールを用いたメリットがあったように思う。
どのように小学生に伝わったかは、これから検証をしていかなければならない。しかし生徒たちは、教員側が思っていた以上の熱量を交流の時間に発揮してくれたと感じている。
くしくもマスメディアの役割が問われる昨今、自分たちが体験したことを記事にして読んでもらうという体験の意味を、生徒たちにはぜひかみしめてほしい。
愛徳学園小学校・彦野周子教諭
本学園では3年前から、中学3年生が修学旅行で広島平和記念資料館を訪れたり、被爆被害を受けた方から話をうかがったりして、学んだことや感じたことを新聞にまとめ、小学6年生に伝える学習に取り組んできた。今回、講師として話を伝えた中学3年生は、3年前に小学6年生として当時の中学3年生から話を聞いた学年だ。
3年前の交流で、普段の授業や調べ学習だけではつかみ取れない被爆者の方の願いや市井の人々の被害の実態などを、現地を訪れ実際に話をきいた生徒たちから学べたことはとても意義があった。しかし、受け手である児童がそこから自分の考えを深め、発信するということができていなかった。
今回は、交流を通して学んだことや考えたことを児童が一歩進めて、平和の実現のため「自分たちができることは何か」を考え、中学3年生に新聞で伝えるという活動を学習の最後に取り入れた。
戦後80年を迎える今年、戦争を知らない世代から戦争を知らない世代へ、何のために何をどう引き継ぐのかを考え、今後も取り組みを続けていきたい。