2025年夏の「NIE全国大会神戸大会」(7月31日~8月1日)に向けて、神戸新聞社NIE神戸大会事務局が「ひょうごNIE通信―2025神戸大会へ―」を月1回発行し、大会の準備状況などを紹介しています。
ぜひお読みください。
2025年夏の「NIE全国大会神戸大会」(7月31日~8月1日)に向けて、神戸新聞社NIE神戸大会事務局が「ひょうごNIE通信―2025神戸大会へ―」を月1回発行し、大会の準備状況などを紹介しています。
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阪神・淡路大震災などの災害や防災について学んできた須磨友が丘高校(神戸市須磨区友が丘1)の1年生9人が、災害が多い国として知られるトルコの中高生とオンラインで交流した。互いの国の文化を紹介したり、防災について意見を交わしたりした。
須磨友が丘では、複数教科の視点からテーマを決めて課題に取り組む授業を実施しており、そのうちの一つに「防災」がある。トルコの学校から県を通して依頼があり、交流が実現した。
やりとりは全て英語で行われ、日本の生徒は、阪神・淡路や東日本など大地震が多い国とし、避難用の備品を定期的に確認する重要性を指摘。学校が避難所になった場合の運営方法など学習の成果も説明した。
トルコの生徒も、地震や洪水などの災害が多いと明かし、「日本では地震の際どのように自分の身を守ろうとしているのか」などと質問した。
互いの国の文化も紹介し合った。トルコからは、オスマン帝国の支配下にあった歴史や、ケバブやヨーグルトなどの食を説明。日本は、着物や神社など特有の文化をはじめ、神戸港の変遷や現在の街並みなどを伝えた。
峯明佳里(みね・あかり)さん(16)は「トルコはかなり災害の多い国で、防災教育にも力を入れていることに少し驚いた。防災への関心を国内だけでなく海外にも広げたい」と話していた。(安福直剛)=3月18日付神戸新聞朝刊神戸版
[写真説明]防災をテーマにトルコの学校と交流する高校生=須磨友が丘高校
※須磨友が丘高校は日本新聞協会のNIE実践指定校です。同校の防災の取り組みは、今年夏の「第30回NI全国大会神戸大会」で発表される予定です。
◆須磨友が丘高校が近隣の神戸市立横尾小学校で行った防災授業の記事はこちら、同市立多井畑小学校で行った防災授業の記事はこちら
県内のNIE(教育に新聞を)の代表的活動校の一つ、西宮市立浜脇中学校(宮前町)の活動を紹介する展示会が、同市立中央図書館(川添町)で開かれている。
展示会では今年1月、「住み続けられるまちづくりを」のテーマで2年生14人がアイデアを発表した授業を振り返り、公共交通の無償化▽雷を使った自然エネルギー▽二酸化炭素からつくる水▽衛星利用測位システム(GPS)による認知症対策―などの資料を展示。各テーマに関連した図書も紹介している。
4月2日まで。月曜休館。同館☎0798・33・0189 (三好正文)=3月20日付神戸新聞朝刊阪神版
[写真説明]浜脇中のNIE活動を紹介する展示=西宮市立中央図書
◆浜脇中生が「住み続けられるまちづくりを」をテーマにアイデアを発表した授業の記事はこちら
兵庫県NIE推進協議会が、2025年度のNIE実践指定予定校で「プレ出前授業」を行っている。先生たちがNIE実践を始めるのを前に導入として、新聞にあまりなじみがない児童生徒に新聞の特長や読み方を伝えている。
25年度、兵庫県では新規・継続校合わせ27校を日本新聞協会または同協議会のNIE実践校に指定予定で、プレ出前授業は、同協議会事務局長が新規校で行う。同協議会が数年前から続けている取り組みで、NIE実践担当の先生に向けた事前説明に合わせ、あいさつ代わりの出前授業を行っている。
3月4日、神戸市立雲雀丘中学校(同市長田区)では2年生44人を対象に、新聞と新聞記者の話をした。
新聞の特長として記事の一覧性と網羅性を挙げ、「新聞は関心のない話題も目に入るので知識の幅が広がる」「紙面をめくれば、いろんなニュースを知ることができる」と説明した。最近気になった記事を生徒たちが話し合ったり、記事に見出しをつけたりするワークショップも行った。
記者の仕事では、自身が会った著名人や、震災報道や犯罪被害者支援など関わってきた仕事を紹介。「信頼できる情報を届けることと、人命と人権を守ることが大切な仕事。現場第一主義で、そこに行かないと分からない具体的な情報や、ディテール(細かい事実)を届けるよう心がけている」と話した。
無読者層が目立つ中、各校にどうNIE活動を進めてもらうか、2年間の指定期間が終了した後も活動を続けてほしい――。それは、今年夏の「第30回NIE全国大会神戸大会」をバネにして、長く取り組まねばならない課題だろう。試行錯誤が続く。
三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2025年3月19日)
[写真説明]新聞と新聞記者の話を聞く生徒たち=神戸市長田区雲雀ケ丘1、雲雀丘中学校
NIE(教育に新聞を)活動を進める兵庫県NIE推進協議会(事務局・神戸新聞社内)が2024年度、県内のNIE実践校に指定されている全28校で行った記者の出前授業が、過去最多の55回に上った。今夏に神戸市内で開かれる「第30回NIE全国大会神戸大会」を控え、大会の実践発表などに役立てたいと、各校からの依頼が急増した。25年度に新しく実践校になる学校での出前授業も既に始まっている。
記者を派遣しているのは兵庫に取材拠点を置く新聞・通信計8社。実践校には小中高と小中高一貫校・中高一貫校、特別支援学校が指定されている。
出前授業のテーマは、新聞の読み方や経済記事との付き合い方、記者の仕事、インタビュー取材のこつなど多岐にわたる。阪神・淡路大震災の発生から30年を迎え、発生当時、被災地で取材した神戸新聞記者と産経新聞記者によるコラボ授業もあった。
ほかに、新聞作りアプリを使った新聞製作▽総選挙に合わせた主権者教育と模擬投票▽平和学習▽調べ学習の成果を新聞に―といったテーマもあった。授業を受けた児童生徒の感想は、同協議会のサイト内にある「わたしの感想NIE」コーナーで紹介している。
神戸新聞記者らが「まわしよみ新聞」作りや震災授業を行った甲南小学校(神戸市東灘区)の田代弘子司書教諭は「出前授業を通し、児童は主体的に学び考える姿勢を育むことができる。教員はNIEの核心を学び、記者と直接交流することで自信を持って指導できるメリットがある」と話している。
NIE全国大会神戸大会は7月31日に神戸ポートピアホテル、8月1日に甲南大岡本キャンパスで開かれる。(県NIE推進協議会事務局長 三好正文)=3月27日付神戸新聞朝刊ひょうご総合面
[写真説明]記者の仕事の面白さを語る共同通信社神戸支局の伊藤愛莉記者=洲本市、洲本高校