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Z010511000000726.jpg 教育現場で新聞を活用するNIE(教育に新聞を)と情報通信技術(ICT)、社会科などを組み合わせた授業が、西宮市の西宮浜義務教育学校(西宮浜4)であった。7年生約30人は気になった記事について、本やデジタル機器を活用し学びを深めていた。

 市教育委員会の渋谷仁崇(しぶたに・よしたか)指導主事=日本新聞協会NIEアドバイザー=が講師を務めた。同校は海の近くにあり、世界の広がりを意識してもらおうと「海でつながる世界と西宮浜」と題して行った。

 新聞の読み方について「記事の5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を捉えれば、情報が正確になる」と説明。生徒は選んだ記事の5W1Hを読み解いた。

 中でもWhere(どこ)は探求の土台になるとし、生徒は選んだ記事に出てくる場所をパソコンの地図上で調べてピンを立て、西宮浜との位置関係を確認。その場所について本で調べ、知識を深めた。

 サッカーのワールドカップで、初出場のカボベルデが強豪のスペインに引き分け、勝ち点を獲得したニュースが気になった女子生徒は、パソコンで国のある場所を調べ、本でアフリカについて学んだ。

 渋谷さんは「調べたニュースのようなことが、もし西宮浜で起きたらどうするか、身近なこととして考えてほしい」と呼びかけた。授業を受けた渡辺実緒里さん(13)は「世界の情報をみんなで共有し、いろんなことに興味が湧いた。新聞を読むいいきっかけになりそう」と話していた。(潮海陽香)

[写真説明]気になった新聞記事を調べ、パソコンに記録する生徒ら=西宮市西宮浜4

=神戸新聞7月2日付朝刊阪神版

 県NIE推進協議会会員の新聞・通信社で人事異動があり時事通信社神戸総局長が清水泰至さんから上原栄二さんに交代した。人となりを自己紹介でー。

時事通信社神戸総局長 上原栄二

「社会のリアルな動きを教育現場に」

7月1日に着任しました。出身は兵庫県。地元に戻ってきました。神戸総局はこれまで2度、現場記者として勤務しています。大阪のほか、札幌や仙台での取材経験もあり、それぞれの地域で地元の方々の声を聞いてきました。

 弊社は学校現場と関わりの深い専門誌「内外教育」を発行しています。現場記者のころ、担当する道府県内の教育長へのインタビューもさせていただき、貴重な機会を数多くいただきました。NIE関連では札幌勤務時代、北海道岩見沢市の特別支援学校を取材し、新聞を教材として取り入れている現状を記事化しました。同校の生徒の多くは寄宿舎住まいで、社会との接点があまりなく、新聞を通じて外部の情報に接する機会を提供しようという試みです。「新聞は実社会とつながる有効なツールの一つ」と話す担当教員の努力が実を結び、生徒に新聞が徐々に浸透しました。

 近年、新聞の発行部数は減少傾向です。家庭での存在は薄れつつあり、児童生徒にとってはなじみの薄い媒体かもしれません。ただ、記者が現場に出向き、実際に見聞きした情報を凝縮した記事は社会の今を映し出しています。こうした社会のリアルな動きを伝える新聞記事を、教育の現場で役立ててもらえるよう、兵庫県でも微力ながら尽くしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

朝日・推し記事.jpg

 新聞を教育現場で活用してもらう取り組みを進める兵庫県NIE推進協議会は、新聞から興味のある「推し記事」を選んで感想文を書く「第4回NIE『わたしの推し記事』コンクール」の受賞作品を発表した。

 県内外の小・中・高校から941編が寄せられ、高校の最優秀賞に県立西宮高3年の鱸(すずき)実柚奈(みゆな)さん、中学校の最優秀賞に尼崎市立南武庫之荘中3年の新垣凜佳さん、小学校の最優秀賞に愛媛大学教育学部付属小3年の若狭早さんが選ばれた。

 高校生の鱸さんは阪神タイガースのファンで、新聞ではプロ野球関連の記事を読むという。「推し記事」には、3月に朝日新聞に掲載された「産科偏在 施設外分娩(ぶんべん)への備え」を選んだ。

 記事では、安全なお産の環境づくりをめぐり、少子化で産科医が減って偏在化しているとし、施設外分娩に備える重要性を指摘。妊婦や赤ちゃんは適切なケアなしでは低体温症や呼吸障害につながるとし、普段はお産に関わらない救急救命士らが施設外分娩の知識や技術を身につける訓練の現場を紹介している。

 鱸さんは小学校低学年の時、母から、生きて生まれてこられなかった姉の話を聞いたという。感想文には「私の姉は整った環境でさえも生きて生まれてくることが叶(かな)わなかった。後に母から姉を失った時の悲しみや苦しみを聞き、おなかの中で育んだ赤ちゃんと生きて会えないことのつらさを知った」と記した。

 その上で、「緊急時の対応の遅れは、特定の地域に限らず起こり得る。より良い医療環境を整えていくことが大切だ」「この記事は、その課題に気づき、考えるきっかけを与えてくれた。すべての命が安心して迎えられる社会を支える一員となりたい」と書いた。

 将来の夢は助産師で、資格が取れる大学への進学を目指している。「母から、つらい思いをしていた時に助産師さんが優しく声をかけてくれて助けられたと聞いた。そういう時、私も寄り添える人になりたい」(添田樹紀)

[写真説明]「第4回NIE『わたしの推し記事』コンクール」で最優秀賞を受賞した県立西宮高校3年の鱸さん=2026年7月15日、兵庫県西宮市、添田樹紀撮影

=朝日新聞7月20日付兵庫県版

「わたしの推し記事」コンクール 兵庫・西宮高校の生徒が最優秀賞 

朝日・NIE兵庫セミナー.jpg NIE(教育に新聞を)の取り組みについて、教師らに理解を深めてもらう「NIE兵庫セミナー」が7月3日、神戸市中央区の神戸新聞本社で開かれた。 兵庫県NIE推進協議会の主催。 県内の教育関係者ら35人が参加し、実践事例の発表や記者の講演を聴いた。
 
 実践事例発表では、愛徳学園小学校(神戸市)の彦野周子教諭が、児童がつくる「はがき新聞」を通じての平和教育について述べた。 クラーク記念国際高校クラークスマート芦屋(芦屋市)の山千代智也教諭が、記者派遣授業などでより多くの生徒に新聞を読んでもらう工夫を話した。
 
 神戸龍谷中学・高校の黒瀬大亮副教頭が、2月に実施した朝日新聞神戸総局の中塚久美子記者の授業を紹介した。 授業に参加した1、2年生80人が、子どもの貧困や若者施策などを取材してきた中塚記者の話を聞いた。 黒瀬副教頭は「生徒からの質問一つ一つに丁寧に答えてもらった。フェイクニュース関連の質問が多かったが、ネットだけが素晴らしいわけではないこと、反対意見の大切さ、自分が社会の一員であることなどを生徒が理解できた」と述べた。

 神戸新聞の広畑千春記者は「ファクトチェックの取り組み」として講演し、選挙報道や災害時の情報検証について話した。
 
 広畑記者は、SNS上では感情に訴える情報ほど拡散されやすく、誤情報が広がる危険性を解説。 「情報を伝えたくなった時こそ一呼吸置き、情報源や複数の資料を確認してほしい」と呼びかけ、AI(人工知能)時代に必要なメディアリテラシーの重要性を訴えた。(エリアリポーター・伊藤周)
 
[写真説明]実践事例を発表する神戸龍谷中学・高校の黒瀬大亮副教頭=2026年7月3日午後2時52分、神戸市中央区、伊藤周撮影 
=朝日新聞

Z150376000000726.jpg■神戸新聞記者が講師に

 日本新聞協会のNIE(教育に新聞を)実践指定校である姫路東高校(姫路市本町)で、「記者の仕事・新聞の役割」をテーマにした出前授業があった。神戸新聞姫路本社の真鍋愛記者が講師を務め、3年生約90人が耳を傾けた。

 真鍋記者は姫路本社で同市政などの取材を担当している。丹波総局記者や佐用支局長を務めた経験から「少子高齢化など、全国的な課題の実例が地方に多くある」と説明した。

 姫路城入城料について、18歳以上の市民と市外在住者の二重価格が今春始まったことを記事を使って紹介した。姫路市長の発言から紆余(うよ)曲折を経て実現した経緯に触れ、「二重価格は全国の先行事例となった。行政の動きや市民の思いを細かく何回も書いてきたし、これからも追いかけたい。地方紙の記者の魅力は、地域の出来事を伝え、記録すること」と語った。

 「忘れられない取材」には、交通事故で亡くなった女子中学生の父親へのインタビューを挙げた。「自分や神戸新聞を信頼し、話してくれた遺族の思いに記事で応えようと、悩みながら書いた」と振り返った。

 授業を受けた高部友貴さん(18)は「遺族取材は、事故や災害を自分事として考えてもらう意味があると聞き、大切だと思った」と感想を述べ、信藤(のぶとう)駿介さん(17)は「記事を書くときの言葉選びが難しいと思った」と話した。(網 麻子)

[写真説明] 「記者の仕事・新聞の役割」をテーマにした出前授業=姫路東高校

=神戸新聞7月16日付朝刊姫路版