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グローバリズムを考える 神戸女子大でメディアリテラシー講座

240710神戸女子大学文学部国際教養学科_2899 (2).jpg グローバリズムでさまざまな事象が複雑に絡み合った混迷の時代を読み解こうと、神戸女子大学(神戸市須磨区)で新聞を活用して情報との向き合い方を考える授業があった。文学部国際教養学科の「現代政治学の基礎」講座(担当:野口和美教授)で、「メディアリテラシーを考える」と題して神戸新聞社の冨居雅人経営企画局次長(NIE・NIB推進部長)が講師を務めた。

 正解が一つではない時代に、どんな意見を持ち、未来を見据えたらいいのか。冨居次長は「確かな情報を基に考えていくには、多様な視点・視座での情報収集力が不可欠で、そうした情報が正しい読解力や発信力につながる」と指摘。網羅性や一覧性、正確性などを特長とする新聞の読み方を解説しながら、「AIやアルゴリズムに支配されたスマートフォンだけで、興味のある事柄ばかりに接するのは『情報の偏食』につながるので危険。関心の外側の世界(情報)を意識し続けて」と話した。

 今年前半の大きな話題から出された時事問題では、能登半島地震や南海トラフ巨大地震にも触れ、「フェイクが氾濫する中、正しい情報が命をも左右する時代になった。自分の関心事だけにとらわれず、世の中の出来事を自分事につなげて考えて」と呼びかけた。