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新聞の役割、記者の矜持...全質問に答えます 流通科学大で新聞講座

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 新聞の役割から記者の仕事、取材のコツ、新聞業界の未来まで、学生からの全質問に新聞記者が答える講義が6月29日と7月20日の両日、神戸市西区学園西町3の流通科学大学であり、経済学部の1年生約100人が参加した。

 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。学生からは事前に約80の質問が寄せられた。三好アドバイザーは、新聞の役割や使命について「信頼できる情報を届けることと、人命と人権を守ることが最も大切」「権力は無意識に、ときに意図をもって暴走する。権力を監視するのが使命」と強調した。

 新聞記者の仕事について、阪神・淡路大震災の取材で苦労したことや、あっという間に締め切りが来るコラムの執筆、冷や汗をたくさんかいた選挙報道、いくつかの特ダネなど、体験談を交えながら説明。「自分が書いた記事がきっかけで世の中が変わることがある。そこにやりがいを感じる」と話した。

 インタビューのコツや記事の書き方についても説明。新聞業界の未来については「新しいビジネスタイプを模索し、市民のよりよい暮らしに貢献できる存在であり続けたい」と語った。

[写真説明]新聞記者のやりがいは、新聞業界の未来は...学生の全質問に答えた講義=7月20日、流通科学大学

学生の感想

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230725ryuutuukagakudaigotou.JPG 同様の講義が7月22日と25日の両日、流通科学大学であり、経済・商学・人間社会学部の1年生25人が参加した。今回も学生から約80の質問が寄せられ、三好アドバイザーが回答した。

 学生から「記者をしているとプライベートにどんな影響があるか」との質問があった。三好アドバイザーは「コンサートや演劇の鑑賞など仕事が趣味になったり、県内各地の食や伝統行事、風景など、いろいろなものを好きになったりする。兵庫の文化や風土に愛着を感じて、それを『伝える』のをなりわいにしているのは楽しい」と答えた。

 阪神・淡路大震災の報道についても紹介し、三好アドバイザーは「記憶と教訓を語り継ぐことが大切」と強調した。

 最後に、記者の醍醐味についてあらためて尋ねられ、「『人間を書くこと』に勝るものはない」と話した。

[写真説明]新聞の特長である「網羅性」や「一覧性」を知ってもらおうと、朝刊から「夏」の記事を探すワークショップを行った=7月25日、流通科学大学

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