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新聞で知る「あの日」の記憶 心に残った言葉, 黒板に 明石・中崎小で講座

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 阪神・淡路大震災を報じる当時の神戸新聞を読み、心に残った言葉を黒板に書き出す授業が1月16日、明石市中崎1の中崎小学校であり6年生54人が参加した。

 「『がんばろうね』が合言葉」「入浴に笑顔、ひとときの平安」―。つらい日々の中で励まし合った被災者の気持ちが伝わる言葉が並んだ。

 金井有一郎校長(54)が講師を務めた。金井校長は震災当時、藤江小学校(同市藤江)で6年の担任だった。地震発生から約2カ月にわたる神戸新聞を長年、防災授業に活用してきた。

 授業では、児童たちが色あせた28年前の神戸新聞を手に取り、見出しなどを次々に書き出していった。被災者の窮状を伝える「いつになったら水が出る」、あしたに希望をつなぐ「またこの町で暮らそう」など、黒板に「あの日」があふれた。金井校長は「阪神・淡路について家族で話し合い、防災意識を高めてほしい」と話した。

 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーも講師を務めた。大震災当日、神戸・三宮の本社で宿直勤務だった体験を振り返り、「震災を知らない世代が記憶と教訓を語り継いでほしい」と呼びかけた。

 授業を受けた佐伯芽衣香さん(12)は「みんなが震災の記憶をつないできたのは犠牲者を忘れない、復興に尽くした人の努力を忘れないことだと分かった」、藤崎隆介君(12)は「南海トラフ巨大地震に備えることが大切だと思った」と話した。

[写真㊤]28年前の新聞から心に残った言葉を書き出す児童たち=いずれも中崎小学校

[写真㊦]6年生に「震災の記憶をつなぐことが大切」と話す金井校長

230116nakasaisuouakasihann2.jpg※ほかの児童の感想は こちら