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SDGsをテーマに壁新聞作り 神戸・舞子中

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 国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」をテーマにした壁新聞作りが2月4日、神戸市垂水区狩口台3の舞子中学校であった。1年生159人が数人ずつのグループに分かれ、この日の本紙朝刊などからSDGsに関係する記事を切り抜き、模造紙に貼り付け、オリジナルの新聞を作り上げた。

 壁新聞作りを前に、神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが「みんなのそばにSDGs」と題して講演。昨年7月の九州豪雨や、9月の菅内閣発足の写真から「あなたは何を感じるか」と問い掛け、「地球温暖化による豪雨の頻発も、女性閣僚の少なさも、どう改善するかはSDGsの17の目標に通じる」と説明した。

 コロナ後の社会とSDGsについて「企業は社会の課題解決を図ることで利益を得るというスタンスに立ち、SDGsを念頭に長期的な価値向上を図る必要がある」と強調した。

 昨年9月、女子テニスの全米オープンで優勝した大坂なおみ選手が、人種差別に抗議し、1回戦から決勝まで警官らの暴力の被害者となった黒人の名前入りマスクを着用した。三好アドバイザーはマスク姿の大坂選手の写真を紹介し、「優勝インタビューでマスクを着けた意味を問われた彼女がインタビュアーに『あなたはどんなメッセージを受け取ったの』と逆質問した。SDGsの取り組みとして人種差別をどう解消していくか、日本の地で『あなたはどう思うか』が大切」と生徒たちに呼びかけた。

    引き続いて行った壁新聞作りでは、気候変動を取り上げるグループが目立った。

[写真説明]SDGsをテーマに壁新聞を作る生徒たち=舞子中学校

    三好アドバイザーから一言 講演でも話しましたが、身近なSDGsに取り組むことが大切です。まず、垂水区内で何を変えていくかー。あとは社会の動きに関心を持つこと。新聞の中に「ジェンダー平等いつ?」と書いたグループがありましたが、五輪組織委の森氏発言をめぐる一連のニュースを、あなたはどう思いますか。

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 【寄稿】                                                               神戸市立舞子中学校教諭 林 理央

 5時間目は、SDGsについての講演を受けた。身近な出来事がSDGsと関係していると聞いた生徒たちは、前のめりに話を聞いていた。その後の6時間目で新聞記事を選ぶときにも、ありきたりな記事ではなく、意外な記事を選んでいたことから何か響くものがあったのではないかと感じた。

 普段、新聞を読む機会が少なくなってきた生徒には新聞を読んだり、それを教材として授業で使うことは斬新だったようだ。今まで見せたことのない顔をしながら製作に取り組んでいた。限られた時間での製作ではあったが、完成させた生徒たちは満足気な表情であった。完成した新聞は個性豊かで一つとして同じものはなかった。トップ記事には自然をテーマにした記事を選んでいる班が多かった。今回の経験を活かし、地域の図書館から借りてきた本で調べ学習を行う。その後、新聞づくり第2弾として講演で学んだことを活かしながら製作していく予定である。

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