NIEニュース

新聞の魅力 伝える寺子屋 週1回、小中学生ら参加

寺子屋p.jpgのサムネイル画像 新聞を学校の授業などで活用するNIE(教育に新聞を)に、姫路市内の高校教諭が個人で取り組んでいる。2年前から週1回、市内の公民館に小中学生を集め、テーマを決めて無料の〝寺子屋〟を開催。注目を集めた事件や政治経済ニュース、心温まる地域の話題などの記事を活用しながら、生徒らが主体的に考える機会づくりを目指している。保護者や住民が参加することもあり、「新聞は生きた教材。人生を切り開くヒントを見つけてほしい」と呼び掛ける。
 姫路東高の教諭で、日本新聞協会が認定する「NIEアドバイザー」の佐々木浩二さん(46)=姫路市城北新町1。兵庫県NIE推進協議会によると、学校で新聞を活用する例は多いが、個人的な取り組みは珍しいという。
 佐々木さんは大学卒業後、地歴公民の教諭として勤務し、高校でのNIE活動にも取り組んできた。地元の広嶺中のPTA役員に就いた際、「何かできることはないか」と考え、2015年に近くの広峰公民館で「新聞読解力講座」を始めた。これまでに約80回開き、延べ約400人が受講したという。
 「視野を広げよう」「進路を考えよう」などテーマは毎回違う。「自分の居場所づくり」を題材にした回では、生徒らに新聞を配り、功績や生き方に共鳴した人物の記事を選んで切り抜いた。注目した理由などをノートに記し、それに対し佐々木さんが問い掛けた。
 「違った見方や考え方があることを伝えるようにしている」と佐々木さん。記事について生徒らが意見を交わすこともあり、最後に一人一人のノートにコメントを添え、お薦めの記事なども紹介している。
 「1面チェック」と題したコーナーでは各紙の紙面を張り出し、記事の扱いや見出しの違いなどを生徒らが比較。自宅で新聞を購読していない子どもらのために紙面構成などを説明し、読み方も伝えている。
 講座に参加している広嶺中3年の福原黎子(れいこ)さん(14)は「新聞からさまざまな情報や知識が得られる。活躍している人の記事を見つけると、自分も頑張ろうと励みになる」と話した。
 毎日6紙に目を通すという佐々木さんは「自分自身も日々の紙面に刺激を受けてきた。世代を超えた学びの場にしたい」と意気込んでいる。講座は毎週土曜午後6~8時。(三宅晃貴)