2013年1月20日

 阪神・淡路大震災後、仮設住宅や復興住宅の支援に取り組んできたNPO法人「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」(神戸市西区、黒田裕子理事長)。同ネットワークは、東日本大震災の被災地、宮城県気仙沼市で、仮設住宅の見守り活動に取り組んでいます。

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 気仙沼市の拠点は、市立面瀬中学校校庭にある仮設住宅集会室。1月4日現在、122世帯、343人が生活しています。同ネットワークは、安否確認、健康や生活の相談、お茶会などを通じたコミュニティーづくりをしています。黒田さんは、神戸と行き来しながら活動。地元の看護師藤田アイ子さんが現地責任者を務めます。

 「孤独死、自殺、とじこもり、うつ病を防ぐ。そのために、コミュニティーをつくっていく。命を守り、重んじる。最後の1人まで見捨てません」。黒田さんは強調します。

 同ネットワークは阪神・淡路後、神戸市西区の仮設西神第7住宅(1060世帯)で、解消までの4年3カ月、24時間365日体制で支援を行いました。黒田さんとボランティアらは、被災者の命を守るため、安否確認やケアマネジメントを行い、ふれあい喫茶を常時開き、コミュニティーづくりに力を尽くしました。その経験を生かし、現在活動しています。

 面瀬中の仮設住宅では、全国各地の看護大学などの学生らが、ボランティアとして、安否確認やお茶会に取り組んでいます。学生らは、被災者支援とともに、中長期の災害看護を学ぶために訪れています。黒田さんは「災害看護は、初動だけでなく中長期のケアも、最も大切で、深めていかなければなりません」と訴えます。

 阪神・淡路の体験を、東日本で生かし、さらに次の災害に備えていく。昨年夏、面瀬中の仮設住宅で5日間を過ごし、その大切さと難しさを、あらためて感じました。

 今年1月17日、神戸・三宮の東遊園地で行われた追悼行事「1・17のつどい」で黒田さんに再会しました。「3・11は、気仙沼に来てね」と言われ、迷っています。

(網 麻子)

写真は、宮城県気仙沼市の面瀬中学校校庭にある仮設住宅。2012年8月4日、ボランティアによる夏祭りが開かれた。
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