激変する自動車産業 EVシフトの展望と課題~不連続の変化の中で勝ち残るためには何が必要か~
経済ジャーナリスト
井上 久男 氏
神戸新聞情報文化懇話会の3月例会が29日、神戸市中央区の神戸メリケンパークオリエンタルホテルであり、経済ジャーナリストの井上久男さんが「激変する自動車産業 EVシフトの展望と課題」と題して講演しました。
井上さんは1964年、福岡県出身で神戸市在住。朝日新聞記者を経て2004年に独立し、自動車産業の取材を25年以上続けています。
電気自動車(EV)について「中国が技術的には世界一。車体の軽量化で日本はかなわない」と強調。現地サプライヤー(供給企業)は上海の米テスラ工場で学び、比亜迪(BYD)など完成車メーカーは東南アジア市場を狙っているといいます。
日産自動車とホンダの提携検討にも言及。「EVの時代は莫大(ばくだい)な開発投資がかかります。三菱自動車を含めた3社が連合しないと生き残れないだろう」と語りました。14年ぶりの社長交代でEVシフトを強めるトヨタ自動車の動きも紹介しました。
一方、EV化で中小企業にも商機が生まれるといいます。「開発領域での試作を強化し、アイデアを素早く形にできる企業が生き残る」とし、分社化など今までの社内風土と別の考え方で進める重要性を説きました。
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